さすがに北海道内のアマチュアとしては最高水準を誇るオーケストラである。難曲といって良い交響詩や交響曲を堂々と素晴らしい演奏を披露してくれた。レベルを保つために日頃の研鑽に努力されていることを伺わせてくれた。
1昨日(4月16日)は昼の札幌市中央図書館での講演会に続いて、夜に札幌コンサートホールKitaraで行われた「北海道交響楽団第92回演奏会」に出かけた。
いただいたパンフレットによると、「北海道交響楽団」は1980年に設立され、故川越守氏の指導・指揮のもとに成長を続け、今や北海道内最大級のアマチュアオーケストラとなっているという。ステージに上がった団員数が66名という数も凄いが、その実力も北海道内トップクラスといって過言ではないだろう。
また、団の正式名は創設者であり、指導者だった川越氏の功績を称え「川越記念 北海道交響楽団」が正式な楽団名だそうだ。
当日演奏した曲目が本格的である。以下、演奏順に…、
◇ワーグナー/歌劇「ローエングリン」より「エルザの大聖堂への行列」
◇シベリウス/交響詩「春の歌」作品16
◇マデトヤ/交響曲第3番 イ長調 作品55
◇チャイコフスキー/交響曲第2番 ハ短調 作品17「小ロシア」
といった具合で、いずれもが本格的な曲に取り組んでの演奏会である。
指揮者はプロの長岡聡季氏、トレーナーにも専門家が付いて指導しているようだ。アマチュアであるから団員の誰もが他に仕事を持ったうえでの音楽活動であるから、技術の維持・向上には大変な努力をされていると想像される。そうした努力の上で、私たちに十分に聴かせてくれるレベルの演奏を披露されるのには頭が下がる思いである。
今回の演奏では、特にチャイコフスキーの「小ロシア」の第4楽章の最後の盛り上がりにはとても感動した。
年間に2回の定期演奏会を実施しているようだが、今後もレベルを保つ努力をされ、道内の音楽ファンに質の高い演奏を披露していただきたい。
※ プログラム以外の写真はウェブ上から拝借しました。