耳慣れた映画音楽を札響のフルオーケストラで聴く贅沢を味わった。指揮者・尾高忠明氏のウイットに富んだ解説を交えながら、クラシックとは一味違ったリラックスした雰囲気の中で心楽しいひと時を過ごした文化の日だった。
「皆様からの応援に感謝の思いを込めて、今度は札響から皆様を音楽で応援します」と銘打って11月3日、文化の日に札幌文化芸術劇場hitaruで「hitaruでシネマミュージック!」が開催された。応援コンサートということもあり入場料は一律1,000円と格安だった。私に割り当てられた席はステージから3列目というあまりにも近すぎるような席だった。コンサートを聴く席としては近すぎたが、指揮者の表情を見たり、演奏者たちの演奏の様子を間近に観察したりするには適した席だった。
演奏された曲を列記すると…
◆S.フェイン/『慕情』より「慕情」
◆W.A.モーツァルト/『アマデウス』より「星の願いを」
◆L.ハーライン/『ピノキオ』より「星に願いを」
◆H.マンシーニ/『ティファニーで朝食を』より「ムーンリバー」
◆伊福部昭/『ゴジラ』タイトル・テーマ
◆L.シフリン/『ミッション・インポッシブル』テーマ
◆E.モリコーネ/『ニュー・シネマ・パラダイス』テーマ
◆J.ウィリアムズ/『シンドラーのリスト』テーマ
◆J.ウィリアムズ/『スターウォーズ』メイン・タイトル
〈アンコール〉
◆L.ローゼンマン/『エデンの東』より「エデンの東」
演奏はフルオーケストラらしい厚みのある音と、映画館で聴く音より時には繊細な音が耳に届き、至福のひと時だった。
その中でも私には「星に願いを」、「ミッション・インポッシブル」、「シンドラーのリスト」などが印象的に聴こえてきたが、それらより最も魅力的に聴こえてきたのは、あのジェームス・ディーンが主演し一世を風靡した「エデンの東」である。あの懐かしいメロディーが優しく優しく私の耳に届いた。
そうした思いは会場に足を運んだ多くの方々も同じ思いだったようだ。会場を後にする多くの人たちの表情がそれを物語っていた…。
尾高氏の言葉で印象に残ったのが、客席を見ながら「市松模様に見える」と言ったことだ。コロナウィルス感染を防ぐ対策として客席は左右を空け、前後も交互に重ならないように配置したところをステー上から眺めると、それはちょうど市松模様に見えるのだろう。尾高氏のその言葉の先には「日本の劇場などの客席幅が少し狭いのではないか」という指摘も含まれていた。これからしばらく、いやあるいはかなり長期間にわたって我が国のさまざまなエンターテイメントのシーンでは市松模様が続くのではないだろうか?
※ 本日投稿に使用した写真も全てウェブ上から拝借したものです。
そこをあえて「市松模様」としたのは、やはり鬼滅の刃を意識したのでしょうか?
しかしプログラムには「紅蓮華」が見当たらないようなので、鬼滅の刃を意識しての発言ではないのかも知れません。
むしろ、この世間に疎いハンサムで上品な中年紳士が、日本古来の「市松模様」から炭治郎の羽織を連想してしまう。
それほどに影響力を持った鬼滅の刃に感嘆すべきところでしょうか。
ところで、「鬼滅の刃」っておわかりになりますよね……?
(^_^;)
なんとなく世間を騒がせているので、妻が撮り貯めてくれたものをチラッと覗いてみたのですが、私には絵(画)がどうも馴染めなくてちょっと観ただけで諦めました。いいんですもう…。時代に取り残されても…。