「話のプロ」といったら、どこか違和感がある。やはりアナウンサーは「しゃべりのプロ」だと私は思っている。その「しゃべりのプロ」であるNHKのアナウンサーが名作を朗読する「北の文芸館」で彼らの朗読に耳を傾けた。
11月17日(金)夜、かでるホールにおいて、NHKの公開録音の「北の文芸館 ~朗読と音楽のライブセッション~ 」が開催されたので観覧(鑑賞?)を応募したところ幸いにも入場券が送られてきたので参加することができた。
イベントは2部構成となっていて、披露された朗読、そして読み手のアナウンサーは次のとおりだった。
第一部 ①「憶えていてください」(麻生直子 作) 朗読:全員
②「随筆ゆく道~時計臺」(森田たま 作)
朗読:飯尾夏帆アナウンサー
③「ネコの時間」(柄刀 一 作)
朗読:山下佳織アナウンサー
④「あたたかき日光 三浦綾子・光世物語」(田中綾 作)
朗読:福井慎二アナウンサー
(休憩) ピアノ演奏 鈴木 詩音
第二部 ①「蚊がいる~ふわふわ人間」(穂村弘 作)
朗読:大河内惇アナウンサー
②「いっぱしの女~ブラキストン線について」(氷室冴子 作)
朗読:野原梨沙アナウンサー
③「小さき者へ」(有島武郎 作)
朗読:小林孝司アナウンサー
以上の内容だったが、ステージは作品ごとに背景を変え、朗読と共にピアニストの鈴木詩音さんが作品に相応しい効果音を適時挿入するという形で進められた。
さすがに「しゃべりのプロ」である。どのアナウンサーの朗読も素人が朗読するのとは一味も二味も違っていて、表情豊かな朗読が展開された。その中でも「特には?」と問われれば、私はやはり唯一のベテランだった福井慎二アナの朗読が最も心に浸みてきた。作品の一部しか朗読されなかったのだが、福井氏の朗読でもっともっと聴きたいと思ったのは、福井氏が私に最も年齢が近かったからだろうか??
ところで私は「話のプロ」と「しゃべりのプロ」を区別するようなことを前述した。その思いは、「話のプロ」というと、話の内容そのものが問われるのではないかと考えたからだ。「しゃべりのプロ」ということにこだわったのは、朗読の場合は、作品を読むわけだから、発音の仕方、その抑揚、あるいは感情の入れ方、等々が優れているという意味でそう表現したのである。
アナウンサーにはもちろん時として「話のプロ」としての資質も要求される場面もあることは承知しているつもりであるが、今回の場合はそう表現させてもらった。
12月17日(日)に今回の公開録音がNHK-FMで放送されるという。もう一度耳だけから6人のアナウンサーの朗読を聴いてみたいと思っている。
NHKの公開録音は人気が高くかなりハードルは高いですが、この「北の文芸館」は他と比べると当選確率は高いように思われます。たぶん毎年開催されていますので、来年は是非応募されると良いと思います。
セミリタイアしたことでしろまめさんも少し余裕ができてきたのですね。小樽市民大学のレポも楽しませてもらっています。「北の文芸館」にもぜひどうぞ!
我が家でも、福井アナウンサーが一番人気です。声も話し方も聞き取りやすいし、適度に表情があります。
ニュースですから、あまり過剰な表情はいらないのですが明るいニュースならそれなりに、重いニュースも過度に暗くならず、真摯に伝えてくれるイメージでしょうか。
穂村弘さんもファンなので、ぼくが個人的に「公卿様」と読んでいる大河内アナウンサーの語りで聴いてみたかったです。