かなり真剣に考え、実現寸前にまでこぎつけたのだが最後の一歩が踏み出せなかった。今ではこの計画も幻に消えてしまうのか?今の自分に計画をこなしうる能力(知力、体力、気力を含めて)があるのかと考えるとちょっと悲観的になってしまう…。
長年温めてきたプランだった。環境省の担当部局から2度もトレイルマップを取り寄せ、何度も検討して昨年第一次(八戸・鮫駅 ➪ 宮古・浄土ヶ浜 215.8キロ)の踏破計画を作成し、スタートしようとも考えていた。問題は宿泊先だった。道中は意外に宿泊施設が整備されていない。そのこともあり、一日に26キロ、29キロ、36キロと私の能力には過酷すぎる距離を稼がねばならない区間がたくさん存在した。
最も私を困惑させたのが、スタート2日目(旅日程では3日目)の階上町 ➪ 小舟戸漁港間の42キロであった。実はこの区間は太平洋沿岸を離れ大きく内陸を迂回するコースである。途中に宿泊施設があるような集落は一つもない。関係役場に問い合わせても「宿泊施設はない」という。唯一の解決策はコース中盤にあるキャンプ場である。しかし、ここには貸テントとか、貸キャビンなどのサービスはないという。こうなると最悪何も設備のない中での野宿しか考えられない。
この問題をひとまず棚に上げたまま、目的地の宮古・浄土ヶ浜までの踏破計画を立ててみた。実現する、しないは別として、計画を立案すること自体は楽しい作業であった。あれこれと可能性を探り、関係当局に問い合わせをして、とその作業をしている間は実に楽しい時間であった。
そうした出来上がった計画は以下のとおりである。(計画内に日付が入っているが、それは私が昨年秋に実施しようとしていた日程である)
みちのく潮風トレイル 踏破計画 (1年次)
◆ 第1日目 <9月25日(水)> 札幌 ➪ 八戸(フェリー)
札 幌 ⇒ 苫小牧 都市間バス(苫小牧フェリー下車)利用 1,310円
18:00 札幌駅前ターミナル 乗車
19:54 苫小牧フェリー 下車
苫小牧 ⇒ 八 戸 シルバーフェリー「シルバープリンセス」利用 2等A寝台 7,500円
21:00 苫小牧港フェリーターミナル 乗船
4:45 八戸港フェリーターミナル 下船
◆ 第2日目 <9月26日(木)> 八戸 ➪ 階上町
八戸港フェリーターミナル ⇒ JR本八戸駅 シャトルバス利用(南部バス)
5:40 八戸港フェリーターミナル 乗車
5:55 八戸中心街ターミナル5番(六日町) 下車
※ バス停を移動し、
6:39 八戸中心街ターミナル5番(六日町) 乗車 (八戸市営バス)
7:02 鮫 下車
※ 別案
6:12 八戸中心街ターミナル(八日町) 乗車 (八戸市営バス M20)
6:35 鮫小学校通 下車
◎鮫駅前よりトレッキング開始
鮫駅 ⇒ 5.9キロ ⇒ 大須賀海岸 ⇒ 6.1キロ ⇒ 高岩展望台 ⇒ 4.5キロ ⇒ 塩釜神社 ⇒ 約3.0キロ ⇒ 階上駅(はしかみ駅) 合計 19.5キロ
《宿泊》階上町民宿泊 「民宿 つるや」 三戸郡階上町道仏榊山11
TEL 0178-88-3311 5,700円~
◆ 第3日目 <9月27日(金)> 階上町 ➪ 小舟戸漁港
階上駅 ⇒ 7.8キロ ⇒ トチの木 ⇒ 8.3キロ ⇒ 階上岳山頂 ⇒ 1.5キロ ⇒つづじの森キャンプ場 ⇒ 7.1キロ ⇒ 灯明堂跡 ⇒ 3.6キロ ⇒ 大銀杏の木 ⇒ 3.7キロ ⇒ 小舟戸漁港 合計 42.0キロ ※ 区間に宿がないため最大の難所
《宿泊》 階上町民宿泊 「民宿 つるや」 三戸郡階上町道仏榊山11
TEL 0178-88-3311 5,700円~
◆ 第4日目 <9月28日(土)> 階上町 ➪ 洋野町玉川
階上駅 ⇒ 2キロ ⇒ 角の花駅 ⇒ 7.5キロ ⇒ 種市海浜公園 ⇒ 約3.5キロ⇒ JR玉川駅 (玉川駅から国道を500m南下したところに民宿) 合計 13.5キロ
《宿泊》 洋野町民宿泊 「民宿やすらぎ」 九戸郡洋野町種市10地割28-1
TEL 0194-75-3591(FAX 0194-75-3681)
◆ 第5日目 <9月29日(日)> 洋野町玉川 ➪ 侍の湯きのこ屋
JR玉川駅 ⇒ 2.5キロ ⇒ 宿戸漁港 ⇒ 10.6キロ ⇒ 中野熊野神社 ⇒ 3.0キロ⇒ 陸中中野駅 ⇒ 6.3キロ ⇒ 侍の湯 きのこ屋 合計 22.4キロ
《宿泊》「侍の湯 きのこ湯」 〒028-7801 久慈市侍浜町向町7-133-5
TEL 0194-75-3591
◆ 第6日目 <9月30日(月)> 侍の湯きのこ屋 ➪ 小袖海女センター
侍の湯きのこ屋 ⇒ 6.8キロ ⇒ 厳島神社 ⇒ 5.3キロ ⇒ 陸中夏井駅 ⇒ 3.5キロ ⇒ 諏訪神社 ⇒ 6.1キロ ⇒ 小袖海女センター 合計 21.7キロ
※ 小袖海女センターからタクシーで久慈市内へ
《宿泊》 久慈ステーションホテル 〒028-0061 久慈市中央3-2
TEL 0194-53-5281
◆ 第7日目 <10月01日(火)> 小袖海女センター ➪ 国民宿舎えぼし荘
※久慈市内から再びタクシーで小袖海女センターに戻り
小袖海女センター ⇒ 13.9 ⇒ 陸中野田駅 ⇒ 8.5キロ ⇒ 玉川海岸 ⇒ 4.9キロ ⇒ 国民宿舎「えぼし荘」 合計26.3キロ
《宿泊》 国民宿舎「えぼし荘」泊 〒028-8202 九戸郡野田村玉川第2地割62-28
TEL 0194-78-2225
◆ 第8日目 <10月02日(水)> 国民宿舎「えぼし荘」 ➪ 国民宿舎「くろさき荘」
国民宿舎「えぼし荘」 ⇒ 2.5キロ ⇒ 堀内駅 ⇒ 5.0キロ ⇒ 白井海岸 ⇒ 5.4キロ ⇒ 普代駅 ⇒ 6.6キロ ⇒ 国民宿舎「くろさき荘」 合計 26.1キロ
《宿泊》 国民宿舎「くろさき荘」 or 味ん宿みちあい 泊
◆ 第9日目 <10月03日(木)> 国民宿舎「くろさき荘」 ➪ 岩泉
国民宿舎「くろさき荘」 ⇒ 9.1キロ ⇒ トレイルセンター「北山崎ビジターセンター」 ⇒ 10.4キロ ⇒ 田野畑駅 ⇒ 2.8キロ ⇒ 鳥越駅 ⇒4.9キロ ⇒ 鵜ノ巣園地 ⇒ 約9.0キロ ⇒ 岩泉 合計 36.2 キロ
《宿泊》 岩泉町災害ボランティアセンター 小本サテライト 090-2270-0246
岩泉町小本支所 0193-87-2651
※ 宿泊先未解決?
※ 道中の見どころの一つ「鵜の巣断崖」の絶景です。(ウェブ上より拝借)
◆ 第10日目 <10月04日(金)> 岩泉小本駅 ➪ 田老駅
岩泉小本駅 ⇒ 7.7キロ ⇒ 摂待駅前産直 ⇒ 6.0 ⇒ グリーンピア三陸みやこ ⇒10.6キロ ⇒ 真崎展望所 ⇒ 4.9キロ ⇒ 田老駅 合計 29.2キロ
《宿泊》 民宿「善助屋 支店」 〒027-0307 宮古市田老字川向125
TEL 0193-87-2651
◆ 第11日目 <10月05日(土)> 田老駅 ➪ 浄土ヶ浜ビジターセンター
田老駅 ⇒ 6.3キロ ⇒ 松月浜 ⇒ 6.3キロ ⇒ 休暇村宮古 ⇒ 1.0キロ ⇒ 潮吹穴 ⇒ 6.6キロ ⇒ 浄土ヶ浜 ⇒ 0.7キロ ⇒ 浄土ヶ浜ビジターセンター 合計 20.9キロ
★ ホテルルートイン宮古 〒027-0029 宮古市藤の川15-38
TEL 050-5847-7500
第一年次コース全体総計 215.8キロ
◆ 第12日目 <10月06日(日)> 宮古港 ➪ 室蘭 ➪ 札幌
シルバーフェリー「シルバークィーン」
宮古 9時25分発 室蘭 19時25分着 2等 6,000円
JR北海道「室蘭」駅 20時10分 or 20時48分 発
と9月末から10月上旬にかけての12日間の計画を立てたのだが、私は出発しなかった。その最大のネックは何といっても体力の問題だった。42キロは問題外としても、私にとっては26、29、36キロも現在の私の体力のリミットを超えている。途中でリタイアしてもという考えもあったが、私は躊躇してしまった。ここで躊躇するということは、この先体力の増強など望めない私にとってはこの計画からの撤退を意味することになる。
もっと日程を細分化しては?という考えもあるが、そうすると宿泊先の目途が立たない。
唯一すがりたいのは、こうして私の思いを公表することによって「いやいや、こういう方法もあるよ。宿の問題はこんな解決方法もあるよ」というアドバイスがもしかしたらいただけるのではないか、という微かな望みである。条件としては、体力のある若者のようにザックにキャンプ用具一式を背負い込んでのトレッキングはできないということだ。
どなたからか有効なアドバイスをいただけることを願っている。
私もガイド地図をすべて取り寄せて、昨年からいろいろ検討していました。その結果、これまでのような歩き旅では宿の確保が難しいと思っていました。歩いている人の記録をみると、ほとんどがテント泊でした。
そこで、私が考えたのは、これまでの歩き旅で気付けば良かったのですが、昨年たまたま気付いた車中泊と鉄道を利用した「尺取り虫」方式でした。
すなわち、駅前に車を置いて歩き始め、15時くらいをメドに近くの駅で切り上げて、列車に乗り、スタート駅まで戻る。その後、どこか適当なところで車中泊し、前日のゴールの駅に車を置いてまた歩く・・・という方法でした。
私が今年実行しようと思ったのは、三陸鉄道が全線開通し、トレイルに沿った鉄道が全部繋がったことでした。
これであれば、細かな計画を立てなくても、天候や体調に合わせてその日歩けるところまで歩いて、戻って、翌日の計画を考える・・・という臨機応変な形ですが、なんとか繋げると思いました。
しかし、鉄道が走っていない2日目の階上岳越えのルートは一番悩みました。バスも走っていないので、ここだけは、朝早く出て階上駅から階上駅までの42km?を歩くしかないと覚悟しました。山越えでない平地ならこれまでの経験から42kmでも大丈夫なのですが・・・。
ただ、この「尺取り方式」のメリットは、リュックの中身が少なくて済むことです。軽量化できることで、乗り切れると思いました。
その後は、あまり細かく考えていません。駅から離れている部分もありますが、なんとか繋げそうな感じです。
今の新型コロナ騒動が落ち着いたら実行するつもりですので、参考になれば幸いです。
長くなりましたが、ほかの読者も関心があると思われましたので、メールでなくて、こちらにしました。
なあ~るほど、私が石狩川遡行で計画しているのと同じ尺取り虫方式ですね!
この方法はまったく私の中では考え付かないことでした!目からうろこです。
この方法だと、自分の体力と相談しながら自由にコース分割が可能となりますね。
私は海の向こうまで車を持っていくという発想が頭からありませんでした。この方法だと私にも可能性が出てきたようにも思います。希望を持ちながら再度検討してみようと思います!
ありがとうございました!