“停車場” なんて今の人たちは「いったい何?」と思うのではないだろうか?なんとも古臭いネーミングであるが、緑道そのものは都心に近いにもかかわらず緑に溢れた快適な遊歩道である。
JR桑園駅から札幌駅に向かって線路沿いに広がる遊歩道がある。そこが「札幌桑園停車場緑道」である。“停車場” とはずばり “駅” のことである。明治時代には人々の間で当たり前に使われていたが、現代では死語に近い言葉である。ところが鉄道用語としては今も現役ということで緑道の名前にも用いられているようである。なお読み方としては「ていしゃじょう」と読むのが正しいようだ。
最近、体調を崩しがちだったがようやく回復の兆しも見え始めたので、比較的近場のこの緑道を歩いてみることにした。
※ 緑道の桑園駅側のスタート地点です。
※ スタート地点から振り返ってみると、遠く右手が「桑園駅」です。
その「札幌桑園停車場緑道」であるが、正式には北6条の西13丁目から5丁目までを指すようである。具体的にはJR桑園駅からやや札幌駅側に寄ったところから緑道は始まる。(ちょうどイオン桑園店の建物が終わったところ)まずはシラカバの並木道が迎えてくれる。その周囲は付近の住民の方々によってだろうか?色とりどりの花が植えられていて気持ちがよい。
※ まずはシラカバの並木が出迎えてくれました。
※ 周辺地域住民による花壇整備(?)
また、鉄道の高架化によって生じた高架下は格好の屋根付き(?)駐車場として活用されている。
※ 高架下有効活用の好事例です。屋根付き駐車場(?)
緑道は途中に何度か横切る道路に寸断されるが、一番大きな道路が国道230号線(通称:石山通)である。ここだけは歩行者信号に従って横断する必要がある。その他は小さな道路のためか、人の横断が優先される道路である。
※ 片道2車線の広い国道230号線は歩行者信号で渡ります。
国道230号線を渡ると緑道は様相を変え、鬱蒼とした緑の中に誘い込まれる。そこを少し進むと札幌駅に向かって右手に大きなお地蔵さんが見えてくる。「桑園延命地蔵尊」である。明治13年に開通した小樽・手宮~札幌の鉄道は北海道開拓に大いに寄与したが、当時は踏切での横断事故が多発したそうである。そこで大正15年に線路傍に死者の慰霊と魔除けのために地蔵尊が建立されたと歴史は伝えている。
※ 国道230号線を渡って直ぐ、ビルの谷間に立つ「桑園延命地蔵尊」です。
鬱蒼とした緑は本日のような好天の時には絶好の日陰となり、道行く人たちは心地良い 散歩(ウォーキング)を楽しむことができる。
※ 緑濃い「札幌桑園停車場緑道」の様子です。
一方、高架下は駐車場から公園に様変わりする。「エルムの里公園」と命名された高架下は、ちょうど屋内競技場のような様相を呈していて若者たちがスポーツに興じる施設となっている。
※ 「エルムの里公園」です。青い部分は走路でしょうか?
およそ1キロくらい続くだろうか、緑道はやがて札幌駅に近づいてくる。そして緑道そのものは西7丁目で終わり、6丁目、5丁目の札幌駅近くはもう緑道とはいえない人工物で埋まっている。
※ 自転車の駐輪が目立ちます。この先は駐輪が禁止されているためここにおいて用件を済ませるようです。(西7丁目)
※ 西7丁目角から6丁目、7丁目を写しました。前方にはJRタワーが見えます。
我が家からは往復でおよそ7キロ。以前だったらどうってことのない距離だが、リハビリ中の身体にはけっこう堪えた7キロだった。早く元に戻さなきゃ…。