田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

観察会「春の花を見つけよう」前編

2018-04-20 15:58:44 | 環境 & 自然 & 観察会
 絶好の観察会日和だった。空に雲はなく、ちょっと歩くと汗ばむほど…。森の中は雪が解けたばかりで、春本番にはもう少し時間がかかりそう。それでも、小さな花たちが私たちを歓迎してくれた。

              
             ※ 野幌森林公園の大沢口のところに建つ「自然ふれあいセンター」です。
             
 4月19日(木)午前、野幌森林公園自然ふれあい交流館と、北海道ボランティアレンジャー協議会の共催による観察会「春の花を見つけよう」に参加した。
 私はこの種の観察会にこれまで散発的に参加しているのだが、近年参加者は増加傾向にあり、シニア層の方の関心が高まっているようだ。
 この日も参加者が83名と発表されたが、ボンティアレンジャー協議会のガイド役の方を含めると100名を超える大規模な観察会になった。

             
             ※ 参加者83名にのぼった大参加者群が開会式に臨んでいるところです。

 ガイド役の方もたくさん参加されているため、6名1班体制で野幌森林公園内を2時間半にわたって周囲の植物を観察しながら歩いた。
 絶好の天気の中、雪が消えた後からさっそく芽生え始めたばかり小さな植物がたくさん顔を見せてくれた。そこでたくさんの写真も撮ったため、前後編2回に分けてレポすることにする。

 まずは「自然ふれあい交流館」の傍にある池でエゾアカガエルが賑やかに鳴き声を上げていた。カエルたちにとっては恋の季節でもあるようだ。

             
             ※ 小さな池なのですが、池いっぱいにカエルたちが大合唱をしていました。

 そして、その池の傍に生えているバッコヤナギの雄花と雌花を紹介された。雄花は派手に花粉をたたえていた。

             
             ※ バッコヤナギの雄花です。

             
             ※ こちらがバッコヤナギの雌花です。地味ですねぇ~。

 次はこれも春の使者として名高いフキノトウである。以前も雄花と雌花の違いを説明されたのだが、覚えきれなかった。今回はやはり雄花がより派手に花粉を付けている状態を観察することができ、違いを理解できるようになったと思う。

             
     
             
             ※ 上二つの花がフキノトウの雄花です。


             

             
             ※ 下二つの花は雌花です。その違いが分かりますか?雄花の方が少し派手に開いていませんか?


             
※ 雌花は受粉すると、写真のように花の先が赤く変色するそうです。             
 
 ここまでは森に入る前の「自然ふれあい交流館」の周りで観察したものである。いよいよ大沢口から野幌森林公園の中に足を踏み入れた。
 踏み入れてすぐに紫色の小さな花がたくさん目に入ってきた。北海道の春山で良く見られるエゾエンゴサクである。別のところでは紫色ばかりでなく、ピンク色のエゾエンゴサクも目にすることができた。

             ※ エゾエンゴサクの小群落、そしてピンクの花びらを付けたもの、最後は近接して撮ったものです。

             

             

             

 続いて、道端で目立ったのがオオウバユリの幼葉である。艶のある小さな葉がこの後みるみる成長するとは信じがたいほど小さな葉である。

             

 そしてバイケイソウである。バイケイソウは強い毒性があり注意が必要とのことだ。北海道では毎年のようにギョウジャニンニクと間違える中毒事件が伝えられている野草である。その毒性を活かして殺虫剤として用いられているという。恐ろしい!

             

 まだまだ、春の花や野草を目にすることができた。もちろんあの春の使者も目にすることができたが、それらは明日レポすることにする。

ワンコインランチ紀行 19 北海道庁 地下食堂

2018-04-19 19:07:40 | ワンコインランチ紀行 
 お役所食堂巡りの最後は、私が最も利用した北海道庁の地下食堂である。ところが、これまで訪れたお役所食堂の中でランク付けすると、最も下位にランク付けされるのではないだろうか?と私には思われるのだが…。 

             
             ※ 北海道庁地下食堂のエントランスです。すでに混雑の時間帯は過ぎていました。

 私が最も利用したと言っても、私が北海道の職員だったわけではない。私は退職後、かでる2・7に入居する事務所に3年間務めたことがある。その時、昼食によく利用したということだ。今からもう10~7年前のことである。
 そのときの印象は、「安いが、なんだか食べる楽しみを感ずることができないなぁ…」という思いだった。言葉はよくないが、多くの職員が一斉に食事を摂る様は、なんだかブロイラーが餌をつつくような錯覚さえ覚えた。
 この日私は、極端に込み合う正午近くを避け、12時45分頃食堂に向かった。

             
             ※ エントランス正面には、豊富なメニューが展示されていました。

 久しぶりに訪れた道庁食堂だったが、混雑時間帯は過ぎていたが、私の中に残った印象はなかなかぬぐえないものだった。
 経営主体がかわったこともあってか、メニューは以前と比べ豊富になったように感じた。
 そのメニューを羅列してみると…。

 ◇定食A・B 490円 ◇特別定食 580円 ◇日替弁当 510円 ◇日替どんぶり 470円 ◇アラカルト 470円 ◇エゾ鹿ハンバーグ 530円 ◇カレーライス 380円 ◇大盛りカレー 480円 ◇カツカレー 470円 ◇ラーメン(醤油・塩・味噌) 400円 ◇スペシャルラーメン 480円 ◇スペシャルラーメンセット 580円 ◇特選和麺 450円 ◇特選和麺セット 550円 ◇かけ(そば・うどん) 300円 ◇天ぷら(そば・うどん) 380円 ◇きつね(そば・うどん) 380円 ◇カレー(そば・うどん) 380円 ◇ざるそば 360円 ◇大ざる 430円 その他サイドメニュー多数

                  
                  ※ 2台の発券機では、混雑時間帯は長蛇の列になります。

 私がこの日チョイスした品は、定食B(490円)だった。この日の定食Bの内容は「アジフライ定食」だった。ちなみに定食Aは「ハンバーグ定食」だった。
 定食はカウンターから流れ作業式で食材を受け取っていく。ライスとみそ汁をもらい、続いてアジのフライ、最後に小鉢を2種の中から一つをチョイスする。この日は里芋の煮物か、漬物だったが、私は里芋の煮物をチョイスした。そして氷水をコップに入れて、空いている席に着いた。

              
              ※ B定食のアジのフライです。フライは美味しかったが、ご飯が…。

 さて、「アジフライ定食」だが、まあそれなりにという感じで、この値段でぜいたく言えなかった。それよりこの日はどうしたことか、ご飯がやや水気が多く閉口した。道庁の食堂の定食は、大量のコメを一度に炊くので美味しいと思っていただけにガッカリだった。たまたまこの日は水加減を失敗したのだろうか?
 というわけで、どうしてもランク付けをすると厳しいものになってしまう。

              
              ※ 混雑時間帯が過ぎ、空席が目立つ食堂のテーブル席です。

 お役所食堂巡りが終わった今、ワンコインランチ紀行は大学食堂巡りに照準を当てようかな?と思っている。  

              
【北海道庁 地下食堂 データー】
札幌市中央区北3条西6丁目 北海道庁 B1F
電  話   011-241-6735
営業時間   11:00~15:30 17:00~19:00
定休日    土・日・祝日
駐車場    無(食堂利用者は駐車場を利用できない?)
入店日   ‘18/04/17


「開拓使の近代化事業とお雇い外国人たち」パネル展

2018-04-18 20:38:39 | イベント

 ホーレス・ケプロン、トーマス・アンチセル、A.Gワーフィールド、そして忘れてはならないW.Sクラークやエドウィン・ダン、等々…。その数は実に78人に上ったという。アメリカから来道し、北海道の近代化に尽力したお雇い外国人たちの業績を振り返るパネル展を見た。 

                  
                  ※ 会場入り口に表示されていたパネル展の案内です。

 4月17日~19日の三日間、紀伊国屋札幌の2階ギャラリーにおいて「開拓使の近代化事業とお雇い外国人たち」パネル展が開催されていたのを知って覗いてみた。
 私たちが企画・運営する講座「さっぽろの古を訪ねて」の参考になるかもしれない、という思いを抱いて…。

             
             ※ お雇い外国人の有名な写真です。左から、J・クラーク、ケプロン、アンチセル、ワーフィールド、エルドリッジの5人です。

 4月17日(火)午後、パネル展の初日に足を運んでみた。
 パネル展は想像していたよりは地味な感じだったが、標題どおり明治初年から年代順に北海道の開拓・近代化の様子と、そこで果たしたお雇い外国人の業績を37枚のパネルで表示したものだった。

             
             ※ 会場の様子ですが、展示されていたパネルは主に反対方向にたくさんありました。

                  

                  

 掲示されていたパネルのほとんどは、これまで私があたってきた文書などで目にしたものがほとんどだった。
 その中で一枚のパネルが私の目にとまった。それは明治14年当時の「札幌育種場と物産局周辺概略図」というパネルである。
 その概略図の中で私の目にとまったのは、「ホップ園」と「ブドウ園」だった。ホップ園については、当時すでに開拓使として正式にビール醸造が始められていて、それが今のサッポロビールの始まりであるというのは有名である。ところがホップ園以上に面積が広く目立ったのが三カ所のブドウ園だった。さらには「ビール醸造所」の横には「ワイン醸造所」が建てられていた。
 ビールについては前述のとおりだが、ワインが北海道でつくられていたとは初めて聞いた。日本のワイン醸造の歴史の中にも出てこない。
 これは当時の北海道ではワイン用のブドウ栽培ができなかった、ということなのだろうか?それとも?

             

 パネル展のもう一つの特徴は、お雇い外国人のことではなく、開拓使の一人で麦酒醸造所や葡萄酒醸造所、製糸所などの設立に関わった「村橋久成の展示が多いなぁ」という感じに若干の違和感をもった。
 ところが翌日の新聞にパネル展のことが載っていて、主催が村橋久成を研究する「北海道久成会」だと出ているのを見て、納得した。

                  

                  

                   
                  ※ 知事公邸の前庭に建てられている村橋久成の胸像です。           

 会場には取材する道新の記者に熱心に説明する、おそらく会の代表の方だと思われる方がいた。私はその方に、今もっとも疑問に思っていることを率直に尋ねた。それは開拓判官島義勇が立った「コタンベツの丘」はどこだろうか?という疑問だった。その方は即座に「それは今の円山でしょう」と明快に答えてくれた。
 諸説ある「コタンベツの丘」だが、私たちの講座では「円山」で統一していきたいと思う。


歌で綴るメンデルスゾーン vol.1

2018-04-17 21:18:12 | ステージ & エンターテイメント
 メンデルスゾーンなんてせいぜい「春の歌」くらいしか知らない私である。そんな私がメンデルスゾーン一色のコンサートに足を運んだ。いや、運んだのではなく、運ばされたというべきか? 

             
             ※ コンサートはもちろんカメラはNGである。そこで開演前に会場の雰囲気を写し出す一枚を撮らせてもらった。

 4月16日(月)夜、六花亭ふきのとうホールで開催された「歌で綴るメンデルスゾーン vol.1」と題するコンサートに足を運んだ。
 足を運んだと記したが本当のことを言うと、この日の出演者の一人であるピアニストの小泉香織さんの義父で、私の知人であるK氏からチケットがプレゼントされたからであった。

 コンサート名は「歌で綴るメンデルスゾーン vol.1」と題するのだが、渡された解説によるとメンデルスゾーンが創った数多くの曲の中には、ピアノ曲(無言歌)と歌曲があり、それを6曲ずつ対のようにして世に出したということである。
 そこで、本コンサートを主宰するソプラノの河口しほりさんとピアニストの小泉香織さんは、それらの曲集を何回かに分けて忠実に再現するコンサートを企画したということだ。
 その記念すべき第1回コンサートに、彼女らの恩師でもある国立音大教授でピアニストとしても名をはせる梅本実氏を招いて、最初のコンサートを開催したということである。

                  
                  ※ 国立音大教授であり、現役のピアニストでもある梅本実氏です。

 河口さんと小泉さんは、共に30代半ばと思われるのだが、これまでもシューマンの曲だけのコンサートを開くなど、意欲的な試みを続けている方たちである。
 この日は、無言歌集を梅本実氏がピアノソロで、歌曲集を河口しほりさんが歌い小泉香織さんがピアノ伴奏をするという形で進められた。 

                  
                  ※ 河口しほりさんの写真をウェブ上で見つけることはかなり困難だった。この写真も半信半疑である。

 正直に言おう。彼女らの意欲には共感するのだが、その良さを感得するだけの感性が私の中にはなかった。
 演奏された曲は全てメンデルスゾーンの曲ばかり24曲だった。しかし、どの曲を聴いてもその良さや違いが分からないのだ。唯一、長調と短調の違いだけはなんとか分かった感じはしたのだが…。
 K氏からは「梅本先生は本当に上手らしい」と伝えられていたが、小泉さんとの違いを聞き分けるだけの耳が私には備わっていなかった。
 すなわち、私にはそうした素養がないということでもあるのだが…。

              
              ※ こちら小泉香織さんの写真は以前に撮らせていただいたものを載せることにした。

 しかし、そんな時間が私にとって苦痛な時間というわけでもないのだ。
 私の知らない世界、私に縁のない世界に、自分をおいてみるのもある意味でとても貴重な機会だと思っている。
 K氏と知り合いでなければ体験できなかった世界であろう。そういう意味ではK氏に感謝している私である。

恐~い竜たちのお話

2018-04-16 16:46:51 | 講演・講義・フォーラム等
 今や恐竜研究者として、また恐竜ハンターとしても、世界にその名を知られる北大准教授の小林快次(よしつぐ)氏から「恐竜」のお話を聴いた。満員の聴衆の中には小中学生もいたため、小林氏は私にも理解できるように易しく説いてくれた。 

             
             ※ 小中学生から老年まで会場いっぱいに詰めかけた聴衆の皆さんです。

 4月14日(土)、「開拓判官島義勇顕彰会」講演会を聴いたその足で、私は札幌市中央図書館に向かった。この日の午後、改装なった中央図書館では「サイエンス・フォーム in さっぽろ」が行われることになっていた。
 そのフォーラムの講師は北大総合博物館の小林快次准教授だったのだ。小林氏はNHKTVの「プロフェッショナル 仕事の流儀」や、TBS系の「情熱大陸」などのメディアに数多く取り上げられている日本では最も著名な恐竜学者である。
 しかし、その語り口は柔らかく、分かり易く語りかけてくれる方である。

                  

 この日は「恐竜研究最前線 in 2018」と題されてお話された。会場の中央図書館講堂は小林氏の人気を反映して超満員状態だった。
 小林氏のお話は、①恐竜、②白亜紀末、③ハドロサウルス、と三つのキーワードに分けてお話された。
 
 まず「恐竜」の定義について、中生代に現れて白亜紀末に絶滅した大型の脊椎動物ということだ。よく間違えられるのが、翼竜・首長竜・魚竜などの大型の爬虫類は恐竜の仲間ではないという。ただ、日本国内で「恐竜展」などが開催される場合には、翼竜・首長竜・魚竜なども同時展示される場合も多いという。
 さらに、怪獣=恐竜と考える向きもあるが、これはまったくの誤解だと指摘した。

 続いて「白亜紀末」だが、今から6,600年前、メキシコ・ユカタン半島に巨大隕石(直径4㌖)が落下し、灼熱地獄が発生すると同時に、津波・酸性雨、さらには長い冬の到来で恐竜など大型生物が絶滅に追いやられたそうだ。

 その絶滅した恐竜の化石を探し、発掘し続けている一人が小林快次氏なのだが、その恐竜の一つ、大型草食恐竜を「ハドロサウルス」の仲間と呼ぶそうだ。
 その仲間には、北大教授の長尾巧氏などが樺太で1934(昭和9)年に発見・発掘した「ニッポノサウルス」。さらには、2013~2014年にかけて小林氏の指導の下に発掘された「ムカワリュウ」が入るそうだ。

             

 お話は、むろんこれだけではなく多岐に及んだのだが、小林氏は現在、アメリカ・アラスカとモンゴルにおいても継続して調査を行っているそうだ。
 幾千年、幾万年前の地球の歴史を紐解く、というロマンに満ちた研究に情熱を注ぐ小林氏はまだ45歳という若さである。
 困難の連続と思われる調査や発掘についても軽やかに語るナイスガイからまたまた大発見のニュースがもたされるかもしれないと思うとワクワクドキドキである。

             
             ※ 休憩時間には多くのファンが著書にサインをしてもらっていました。

 実は、講演があったこの日(4月14日)の夜、NTV系の「世界一受けたい授業」に小林准教授が出演する、ご本人から告知があった。もちろん私はその夜に視聴した。番組においても軽やかに語る小林氏の姿が印象的だった。



蝦夷地・北海道の「開拓」の背景

2018-04-15 18:55:40 | 講演・講義・フォーラム等
 幕府が、そして明治政府が、蝦夷地の、そして北海道の開拓を急いだ背景にはロシアの南下政策がその背景にあった、ということについて研究を続ける講師が新たな切り口から(少なくとも私にとっては)語ってくれた。

             
             ※ 講演会場の外には島義勇の立像(人形)が飾られていました。

 4月14日(土)、京王プラザホテルにおいて「開拓判官島義勇顕彰会」の主催による講演会が開催され聴講する機会を得た。
 私たちが企画・運営する「さっぽろの古を訪ねて」においてキーパーソンの一人である島義勇について、新たなる知識を得ることができるのではないか、との思いからプロジェクト〇の他の二人をお誘いし参加した。
 しかし、期待とは異なり講演のテーマは「蝦夷地・北海道の『開拓』をめぐって ~幕末から明治初頭を中心に~」ということで、島義勇が北海道に赴いた前後の激動する蝦夷地・北海道の背景を解説するという、北大文学部教授の谷本晃久氏が講演するものだった。

             
             ※ 講演する谷本晃久北大教授です。

 それでも、谷本氏のお話は蝦夷地が北海道へと変わっていく背景について、研究者らしい視点から解説してくれ、とても興味深い内容だった。
 まず「蝦夷地」という名称だが、「蝦夷」という意味は「エビのような長い髭をした東の野蛮人が住む地」という意味から命名され、江戸幕府としても大して重要視していなかった地域だった。(※エビのような長い髭とは、アイヌの男性の容貌を指している。)
 それが幕末になってロシアがサハリン、蝦夷地への進出を伺うようになって、危機感を抱いた幕府が、松前藩に委ねていた蝦夷地経営を直轄地にするなどして対応策を講じたりする中で、明治新政府が誕生し、引き続き蝦夷地(北海道)の開発に積極的に乗り出した、というのが大枠において北海道開発が進んだ背景だと、私は理解した。

 その間、日本とロシアの間では1855(安政5)年、「日ロ和親条約」が交わされている。そこにおいて国境は、サハリンについては「日ロ雑居」として国境については明示せず、千島列島については択捉島と得撫島の間に国境線を引くこととした。(このことが、大戦後に日本が主張する北方四島論の根拠の一つとなっている、と講師は話された)

 条約は交わされたものの、ロシアの領土的野心はますます顕著となる中、1875(明治8)年、明治政府はロシアと交渉し、サハリン(樺太)全島をロシアに譲渡し、代わりに千島列島の得撫島以北の18島を日本領とする、いわゆる「樺太・千島交換条約」に調印したのである。

 条約を結んだとはいえ、北海道への野心を隠さないロシアへの対策として明治政府は北海道の開拓を急いだ、というのが幕末、そして明治初期の北海道開発を急いだ背景にあった、と谷本氏は明快に論じてくれた。

             
             ※ 講演会場全体の様子です。

 なお、北海道の命名について識者から叩かれることを覚悟で、まったくの門外漢がちょっとした推理を試みてみたい。
 「北海道」という名称は、蝦夷地探検家として名高い松浦武四郎が開拓判官となって、「北加伊道」と提案したものをベースとして決定されたというのが通説となっているようだ。
 また、谷本氏は「蝦夷」は音読みで「カイ」と呼ぶことができ、そうした「蝦夷地」という名にリスペクトし、北海道と名付けられたと考えることもできるとした。
 しかし、日本には律令制の時代から「五畿七道」と呼ばれる広域地方行政区画があったという。その五畿とは「大和」、「山城」、「摂津」、「河内」、「和泉」という京都、奈良といった律令時代からの日本の中心地域を指し、七道とはその他の日本を大きく区画する「東海道」、「東山道」、「北陸道」、「山陽道」、「山陰道」、「南海道」、「西海道」と蝦夷地を除く全国を7つの地域に区画していたという。
 そうすると、蝦夷地を日本の行政区画に編入する際に、日本の北に位置する地域として「北海道」と称するのはある種必然だったのではないか、と考えるのはうがちすぎるだろうか?
 とは言ってみても、研究者たちがそうしたことに論及していないのだとしたら、素人の妄言に過ぎないことなのだが…。ちょっとばかり言ってみたかった、というだけのことである。

北海道の楽しい100人

2018-04-14 21:01:07 | 講演・講義・フォーラム等
 なかなか興味深いトークイベントだった。ミュージシャンあり、フリースクールのスタッフあり、子どものための自然学校を創ることを夢見る人あり、個人でデザイン事務所を主宰するひとありと、多士済々であり、聴いている者が勇気をもらえるようなトークイベントだった。 

             
             ※ この日トップバッターで登場した「ブレエメン」のCDのジャケット用の写真だと思われる。

 4月13日(金)夜、エルプラザホールにおいて「第11回 北海道の楽しい100人 vol.2」というイベントがあることを知り参加した。(参加料500円)
 参加して初めて知ったのだが、このイベントは、北海道において様々な立場で、ユニークな活動や挑戦を続ける人を一晩に4人招いて、一人わずか15分間でお話していただくというトークイベントである。トークの後には10分程度の質疑応答の時間が設けられている。

 この日のスピーカーは、登場順に
 ①ブレエメン/ミュージシャン
 ②高村さとみさん/フリースクール札幌自由が丘学園理事
 ③上野真司さん/NPO法人 森のこだま代表
 ④小野寺千穂さん/小野寺千穂デザイン事務所 デザイナー
という4人だった。
 上野さんが40代後半ということだったが、それでも若い。つまり4人は今まさに人生を懸命に駈けている人たちだった。

 ブレエメンは道内を中心に活躍する3人のミュージシャンであるが、聴いている者を元気にするような歌が多いようだ。彼らは歌を通して北海道を、北海道民を応援したいと語り、最後に「道産子行進曲」という彼らの作詞・作曲による明るい歌を披露して締めくくった。

             
             ※ ブレエメンの3人組はなぜか半纏を着込んで登場した。彼らの雰囲気を体現しようとしたのかもしれない。

 高村さとみさんは、不登校になる子たちの現状や心情について語り、不登校となった子たちが「自分を否定してしまうような社会を変えていきたい」と語った。

             
             ※ 不登校になる子の心情、フリースクールの現状をはっきりとした言葉で語った高村さん。

 上野真司さんは、多くの変転を繰り返しながら2010年に現在の津別町に縁あって転居し、今に至っているという。上野氏は現在、津別の森をステージに様々な自然体験事業を展開しているそうだが、上野氏の夢は「子どものための自然学校」の設立だという。その夢に向かって邁進中とのことだった。

             
             ※ エネルギッシュに自分の夢に向かって進む現在形を語ってくれた上野さん。

 小野寺千穂さんも東京、札幌、浦河、そして今年の4月からは釧路と変転を繰り返しながら「物質的な豊かさ」から「精神的な豊かさ」を追い求めているということだ。特に、浦河ではデザイナーという仕事を通して、地元の方々と多くの触れ合いを通して、人と繋がることの大切さを学んだということだ。今後もそのことを生かしたいと語った。

             
             ※ 都会の生活に疑問を持ち、田舎に住むことで精神的な豊かさを得られたと語る小野寺さん。             

 このイベントは、「北海道の楽しい100人 vol.2」という若者グループが、彼らのネットワークの中から、「この方は!」という方に依頼して、スピーカーの合計が100人になるまで続けようというイベントだという。
 イベント名にvol.2とうたっているのは、実は以前に同じような企画で100人の方のお話を聴くイベントが終了し、昨年8月から改めてスタートしたということだ。
 私は今回初めて知ったイベントだったが、なかなか興味深い。
 次回も都合がつけば参加してみたいと思う。

野外講座の開講準備中!

2018-04-13 17:00:43 | 「めだかの学校」関連

 「めだかの学校」の野外講座「さっぽろの古(いにしえ)を訪ねて」の開講を4月27日(金)に控えて、講座を企画・運営をする私たちプロジェクト〇(ゼロ)の面々は、その準備に奔走中である。 

             
             ※ ファイルノートの表紙に貼り付けた講座名とめだかの学校のシンボルマークのキャラクターです。

 私が所属するシニアの学習グループ「めだかの学校」が今年度上半期に野外講座「さっぽろの古を訪ねて」を実施することについては、以前の拙ブログでその内容を紹介した。(こちらを参照を ⇒)

 その開講がいよいよ4月27日に迫ってきた。
 4月1日より募集を開始した受講者もこの度定員の30名に達したと事務局より連絡が入り、企画についての関心が高いことを嬉しくも感じた。
 私たち企画・運営を担当するプロジェクト〇(私を含めて3名)は、受講者に対してできるだけの準備をして、受講者が受講後に充足感を持ってもらいたいと話し合っている。

             
             ※ ファイルノートの全体像です。100均仕様のため安っぽい感じは免れない。

 その一つが、ファイルノートの作成である。
 私たちは、今回の実施する6回の野外講座をそれぞれ2回ずつ、責任をもってナビゲートすることにしている。その際に、ナビゲーター役は現地に関しての資料を準備することにしている。その資料や、見学先でいただく資料などを記録としてファイリングするためのノートを準備しようというのだ。
 100均ショップでファイルノートを買い求め、そのノートの背後に講座名を記し、表紙には「めだかの学校」のシンボルマークを貼り付け、中表紙を6枚作成するなど、けっこうな時間を要した。

                  
                  ※ ファイルノートの1頁には、講座の全体概要を入れました。

 私は、第1回の「札幌の成り立ちを概観しよう!」と第5回の「岩村通俊が造ったススキノ・鴨々川を訪ねよう!」の担当である。
 現在はその第1回目の講座のための準備も並行して進めている。
 第1回は、「北海道博物館」と「北海道開拓の村」を訪れ、担当者から直接お話を聞くことがメインである。
 そのため私が作成したのは、「北海道博物館」と「北海道開拓の村」について、その概要を説明する文書作成した。また、6回の講座に出てくる関係者に焦点を当てた年表を作成した。
 この後、第1回目ということから、講座全体のガイダンスも行わねばならず、そのアナウンス文書も作成して万全を期したいと思っている。

                  
                  ※ 中表紙の一枚です。第4回目の講座のものです。

 さらには、本日受講者に宛てて、集合場所である「北海道博物館」までの交通案内や事前にお知らせしなければならない事項の連絡文書を発送した。

 講座開設、特に野外での講座は室内でのものとは違い、何かと準備が大変であるが、これもまた受講者に喜んでもらえる(かな?)と思えば、苦労のしがいがあるというものである。
 こうした講座の企画・運営する側としては、できるかぎりの準備をし、運営においてはホスピタリティを十分に発揮し、受講者に満足してもらいたいと考えている。


ワンコインランチ紀行 18 道民活動センター内 KAFE DU MADEL

2018-04-12 21:15:17 | ワンコインランチ紀行 
 コスパの良さから昼休み時にはお客さんで一杯になるKAFE DU MADELだが、この日もやはりたくさんのお客さんで賑わっていた。その中をてきぱきと立ち働くスタッフの姿が好ましく見えた。 

                  
                  ※ 1Fのところにあったお店の案内では、やはりカフェを前面に出しているようだ。

 KAFE DU MADEL(カフェ・ド・マデル)は、北海道立道民活動センター(愛称:かでる2・7)の2Fにある店である。
 私は以前からかでる2・7で講義などかあるさいに時々利用していたが、メニューの安さが魅力だった。
 聞くところによると、この店は障がい者就労カフェ運営支援事業として、NPO法人PCNETというところが運営しているということだ。接客などのスタッフは障がいのある方が担当しているが、教育がしっかり行き届いていて、とても好ましく映る。

             
             ※ お店の入り口です。廊下側なので暗い印象になってしまうが仕方がない。

 さて、肝心のメニューだがカフェをうたっているだけあってそれほど多いメニューではないが、次のとおりである。
 ◇日替りランチ(肉・魚) 470円 ◇ビーフシチュー 500円 ◇豚汁セット 350円 ◇カレーライス 350円 ◇カツカレー 450円 ◇サンドイッチ 300円 ◇パスタ or 麺類(火・金限定) 450円 となっている。またドリンク類も安い! ◇ブレンドコーヒー(ホット・アイス) 180円 ◇紅茶(ホット・アイス) 150円 といった具合である。

             
             ※ 本日の日替わりランチの内容が展示されていました。

 私はこの日、いつも込み合うので12時前に入店した。この店は先に料金を支払うシステムで、そこで私は店のイチオシ(?)メニューの日替わりランチ(470円)の肉系を注文した。会計係の方から座席指定されてそこに座るシステムで、私は2人席に案内された。
 席についてそれほど待つことなく「日替わりランチ」が席に運ばれた。内容はチンジャオロースに小鉢と漬物、ご飯、みそ汁という内容だった。ちなみにこの日の魚系はブリ塩麹焼きだった。
 味の方はまあそれなりにという感じだったが、この価格では十分満足である。

             
             ※ 私が食した肉定食(チンジャオロース)です。
                
【道民活動センター内 KAFE DE MADEL データー】
北海道札幌市中央区北2条西7丁目 かでる2.7 2F
電  話   011-251-7220
営業時間   [平 日]11:30~17:00
       [土・日]11:30~15:00
定休日    祝日
駐車場    有
入店日   ‘18/04/12


躍進コンサの強さは本物?今夜も劇的勝利!!

2018-04-11 23:02:39 | スポーツ & スポーツ観戦
 コンサの勝利を信じて今日もスタジアムに足を運んだ。押し気味ながらも決めきれない試合展開に「今夜は引分けかな?」と思った試合終了間近のアディショナルタイムに都倉が混戦から見事に決めて劇的勝利で勝ち点3をゲットした。この勝ちは大きい! 

             
             ※ 試合開始前、両チームイレブンが整列し、札幌サポーターが熟める応援席を魚眼風に撮りました。

 「今夜はどうしよう?」と思ったのだが、今季のコンサの試合は面白い!という思いと、地上波でのTV中継がなかったことから、スタジアム(札幌ドーム)に駆け付けた。
 平日とあって、前回7日の対名古屋戦ほどではなかったが、それでも観衆は11,183人と発表があった。

             
             ※ さすがに遠路、平日とあって湘南サポーター席は寂しかったですね。

 今夜の相手は湘南ベルマーレ。勝ち点8で札幌と並んでいたチームだった。
 私の席はいつものとおり、相手ゴールのゴールライン付近(後半は味方ゴールライン付近となる)だったが、7日よりは観客が少なかったため、ピッチから近いかなり前列に座ることができた。

             
             ※ 試合前のアップ時にチャナテップ選手を望遠で追いました。

 札幌のスターティングイレブンは、前回の対名古屋戦と全く同様だった。ただ、「あれっ?」と思ったのは、エースのジェイがベンチにも入っていなかったことだ。前回負った怪我が完治していないのだろうか?
 試合は、札幌が終始ボールを支配している感じだったが、相手を脅かすまでにはいたらず、ゴールの匂いもあまり感ずることができなかった。
 前の試合から中3日しか経っていないこともあってか、なんとなく選手の動きが鈍いように私の目には映った。

             
             ※ 札幌のCKの際のゴール前で攻防です。互いに引っ張り合っていますね。

 目立ったのは右サイドの新戦力、駒井と三好の動きだった。右サイドから何度も何度も仕掛けるもゴールに結びつかない展開が続いた。
 相手の湘南も盛んに仕掛けるが、宮澤やキムミンテが効いているように思えた。

             
             ※ 札幌の人気選手の一人、荒野選手です。

 どちらかといえば、淡々と試合が進む中、後半は両者とも疲れが目立ち始め、「今夜は引分けかな?」との思いが私を支配し、試合時間90分が過ぎ、3分のアディショナルタイムに入ったときだった。
 私の席からは最も遠い相手ゴールエリアで混戦の中から、都倉の脚が一閃、見事ゴールをこじ開けた!
 勝利を半ばあきらめかけていたコンササポーターは歓喜の渦と化した。値千金のゴールである。
 そのままタイムアップとなり、札幌は1対0で勝利し、勝ち点3をゲットした。

             
             ※ ゴールを決めた都倉選手に控えの選手が駆け寄って祝福しています。

             
             ※ ゴールするかなり前に撮った都倉選手です。

 この勝利で札幌は勝ち点11となり、第6位に躍進した!
 はたしてこの躍進は本物なのだろうか?ちょっと頬をつねってみたくなる。
 今年就任したミハイロ・ペトロビッチ監督(愛称:ミーシャ)は超攻撃的戦法を標榜する監督である。そこのところが観ている者にとっては面白いサッカーに映るのだが、Jリーグ開幕当初は「攻撃は進歩したが、守りにミスが出るチーム」と評された。
 しかし、ここにきて守りも安定し始めてきているのだ。ルヴァンカップ戦を別にすると、ここ3試合無失点が続いている。これは、四方田前監督の指導によるものといわれている。
 つまり、ミーシャの攻撃と四方田の守備が融合して、今の躍進が続いていると言えそうだ。

             
             ※ 劇的な勝利に、試合後互いにたたえ合うコンサの選手たちです。

 しかし、いつまでも今の勢いが続くと考えるのは甘いかもしれない。今後、柏、浦和、横浜、仙台と強いと思われるチームとの戦いが続く。
 勢いでいけるほどJ1は甘くはないが、コンサが実力を増していることは確かなことと思える。
 これからもホームゲームはできるだけスタジアムに駆け付けて応援したいと思っている。