仙台にはボランティア情報誌「月刊ゆるる・杜の伝言板」というのがあります。毎月1発行の月刊誌で、2月号でVol.117号です。毎月8,000部発行ですが、料金は無料です。
2月号の記事の紹介です。「ホームレスの越冬支援~路上死をなくすために~」「NPO法人 仙台夜まわりグループ」と題しての記事です。
2004年度に仙台市で救急車で運ばれた路上死者数は14名。9名が低体温症(凍死者)で、そのうち7名が栄養失調だったということです。
支援者として、居場所を把握できているホームレスたちは、実数の半分程度で、残りの半分の人たちは、日中は人込みに紛れ、夜は人目の届かない場所へと移動するため、全てのホームレスに対して有効な支援活動を及ぼすことができないそうです。
平成14年にホームレス自立支援法が施行され、自治体でもいろいろな施策を実施しているけれども、現実はそれとは裏腹に、公園や駅などをはじめとする公共施設からホームレスが一掃されようとしている。
しかし、排除されても行き場がないので、別の場所に移動するしかないのが現実で、追い出せば追い出すほど、目に見えにくいホームレスが増え、自立への道を選ぶチャンスが遠ざかるだけとなっています。
自立に必要なことは、自分で自分の人生を生きる喜びを取り戻すことですが、一度、路上生活に陥ってしまうと、普通の人にとっては当たり前なことがとても困難になります。そのため、むやみに排除するのではなく、セーフティネットをより厚くし、再出発するためのきっかけをつくることが必要といっています。
そして、ホームレスになるきっかけは決して特別なことではなく、誰にでもある身近な問題で、ホームレスが自分とは異なった存在と考えるのではなく、同じ社会の一員であることを忘れないでくださいと訴えています。
昨日は仙台も今冬初の積雪となり、気温も低く、こんなとき路上生活者はどこで、何をして過ごしているのかと思うと空しくなりますが、でも、せめてできるだけ多くの人がホームレスに対して思いを馳せるということは必要ではないでしょうか。