第99代目の施政方針演説読みましたか? テレビで見ましたか? 相変わらずさえない調子で抑揚もなくしゃべっています。いや、原稿を読んでいます。99代目が首相に就任してから4ヶ月ですか、その間記者会見等で何度も何度も言われてきましたが、さっぱり変わっていませんね。
今朝の天声人語を読んでびっくりしました。ここまで書くかあ~と驚いたわけです。「拍子抜けを通り越して、床にへたり込んだ。就任後初となる菅義偉首相の施政方針演説。期待を込めて読んだのにヤマ場の来ない小説、あるいは途中で居眠りを誘われる映画のようだった。」
そういえば、今日のお昼の“バイキング”という番組では、居眠りしている国会議員を一杯映していましたね。読んでも眠気を誘うようでは、聞いていたらほぼ確実に眠くなりますよね。ましてや、あの抑揚の少ない、メリハリのない演説です、ごく自然なことでしょう。さらに、さらに、原稿を必死に読むだけですからなおのことでしょう。
自分にムチ打って施政方針演説なるものを読んでみましたよ。前文でよろけてしまいました。
「…4か月、直面する困難に立ち向かい、この国を前に進めるために、全力で駆け抜けてまいりました。そうした中で、私が、一貫して追い求めてきたものは、国民の皆さんの『安心』そして『希望』です。」
4か月のどこをどう見れば、読めば、感じれば、想像すれば「困難に立ち向かい」「全力で駆け抜け」たというんだよと突っ込みたくなります。。「国民の…安心…希望」を追い求めた4か月だったのですか。天声人語氏の気持ちがよくわかります。
【新型コロナウイルス対策】では、「国民の皆様のご協力をいただきながら、私自身もこの闘いの最前線に立ち」なんて言っていますが、逃げ回っていたのではないですか。
【我が国の長年の課題に答えを】では、相変わらず“成長路線”にこだわっているようです。「我が国が持続的に発展していくため、成長志向の政策運営を続けます。」「次の成長の原動力をつくり出します。」「次の成長の担い手として・・・」どんどん少子化が進む日本においてはもはや経済も社会も縮小していくべき、行かざるを得ないのではないかと思うのですが。
【少子化対策と社会保障の将来】では、「希望と活力に満ちた日本を未来につないでいくためには、世界に冠たる我が国の社会保障制度を次の世代にしっかり引き継いでいかねばなりません。」ですか。
今の日本の歯止めのきかない少子化について、どんな問題の把握をしているのか。不妊治療や待機児童対策、男性の育休取得で解消するとでも思っているのでしょうか。甘いと言わざるを得ません。
もう、今の若い世代は今の日本に絶望している、希望を見つけられないでいる状況からもっと進んで、日本という国の滅亡を無意識の内に選択しているのではないかとさえ思うのです。悲しい選択です。“究極の選択”といっていいのかもしれません。そのくらいの危機意識をもたないと婚姻率も出生率も上がることはないだろうと思うのですが。
【外交・安全保障】では、相変わらずバカの一つ覚えのように、「日米同盟は、我が国外交・安全保障の基軸であり、インド太平洋地域、さらには国際社会の自由、平和、繁栄の基盤です。」などとのたまわって、綺麗ごとの裏にある“宗主国と属国”という隷従関係を糊塗しています。
言うに事欠いて、「沖縄の皆さんの心に寄り添い、基地負担軽減に引き続き取り組みます」ときた。何十年もかけて辺野古に多額の予算をつぎ込み、役に立たない基地の建設を強行している見苦しさ。
本当に、インド太平洋地域や国際社会の自由平和繁栄を願うのであれば、まずは日米同盟から根本的に見直すほか道はありません。日米安保条約・日米地位協定そして日米合同委員会を根本的に見直す、いや廃棄するくらいの気概がないと日本の真の独立はあり得ません。いつまで占領国と被占領国の関係を続けるつもりなのでしょうか。
もしかして、そういう関係に嫌気がさしてきたからこそ、無意識のうちに、若い世代は結婚することを拒み、こどもを作ることを拒み、人口が減り続けることを選択しているのかもしれません。日本が滅亡していくことによって日米同盟に終止符を打つよりほかはないと思っていたりして・・・(これは穿ちすぎでしょうが)