今日も白いものがチラチラと、ここは寒くて暗いのだけど
それでも仲間たちがいるから何とか凌げるみたい。
この間仲間の一匹が、道路で大きな車にぶつかって
ピクリとも動かなくなってしまったけど
どうしちゃったのだろうか…冷たくなって行く体に
色いものが仲間の体を隠して行くようだったよ。
空には天使の階段
てまりちゃんの仲間たち
玄関で餌が出るのをジッと待っている。
車の下で雪宿り…。
いつの頃だろうか…まだどこに居ても暖かかった頃
確かにお母さんと呼べるものはいたのだけど
覚えているはずの温かいお乳のぬくもりは
いつの間にか記憶の片隅に追いやられてしまったみたい。
てまりちゃん…何を考えているのかな。
どうも野良なもので懐かないんだよ。
時々玄関先に餌を出している家人が言うけど
だって、優しく撫ぜてもらった事もなく
言葉をかけてもらうわけでもなく
義務的に置いてある餌を食べに行くだけだもの
無理な話ってもんよね。
あの玄関の奥からは温かい空気と美味しそうな匂いと
中へ入ろうとすると追い払われて
人間って優しいのか…意地悪なのか…無関心なのか
怖いようではないようだけど、私には分らない。
カメラを向ける私をジッと観察している。
少しずつ見えなくなっていく瞳は
きっと 治してくれる所もあるのだろうけど
時々玄関先に出ているご飯を食べたら
あとは何もする事がなく、暗い小屋の片隅だとか
段ボールの隅っこで、寒さに震える仲間と一緒に固まっているだけだもの。
そんな私たちには救いの手が差し伸べられるはずもないのね。
そんな諦めにも似た片方だけの目が悲しげに
早く暖かい季節が巡ってくればいいのに…。
そんな事を考えているのだろうか。
なんと愛らしいのだろう。
誰が悪いわけでもなく、寒くてひもじい思いをするために
生まれてきたわけではないのだけど…。
長毛の毛は艶がなくパサ付いた様に
ブラッシングをしてあげたら可愛いのに
何をしてあげられるわけでもなく
ただ通りすがりに、今日は元気でいるのだろうか、と
数日姿が見えないと気になって仕方がなかった。
それでも、ちょこんと座って陽のあたる場所に
小首を傾げる可愛らしい姿を見つけると
悲しいかな片方の目は、すでに白く濁ってしまったようで
かけようと思った言葉を飲みこんでしまった。
これ以上可哀想な子猫が増えませんようにと願うしかないワタシ。