三〇
徳懸惣反ニて割知る事
一惣反壹石八斗ニて三ニて割レハ六合毛と見る、八を懸る
時ハ六八四十八といゝ六合ニ見込候時割知る也、尤五合
ニても七合ニても同前之事
三一
徳懸仕様之事
一田畝數壹反七畝貮拾七歩
有籾三石八斗貮升壹合 惣反貮石壹斗三升四合六勺
此惣反七合壹勺と見、先八割か十割を懸候時、八割なれ
ハ七八五十六と見十二割七分となる、十割の時ハ十四割
になる、惣反貮かけ三ニて割は上納米反壹石七斗七合貮
勺となる、懸出仕候時有籾ニ拾四割懸候時、三ツニ割
レハ畝合、壹反七畝貮拾七歩二て割レハ上納米之通出る
也
三二
毛見免極之事
一高千三拾石之所、去年四ツ八分五厘ニ成時當物成免何程
ニ成候と問、答曰貮分貮厘五毛之上り五ツ七厘五毛ニ成
ると言、右免之極様ハ先ツ毛見以前ニ其時之見圖帳を見
て田數をしり、帳之奥書ニ或ハ上中下田合四拾六町、此
高八百五拾石、上中下畑合拾四町三反貮畝、此高百七拾
九石、二口合千三拾石、此儀四ツ八歩五厘、有籾當立毛
上中下見立田地壹歩之内二て積、假ハ長サ壹間稲株十三
有時是を兩ニ置、懸合すれハ、壹間四方ニ百九十九株出
る、前ニ置上中下三株合分數有り、是を三にて割ハ一株
ニ七分ツヽとなる、是を百九十九株ニて割ハ千百八十三
分となる、又上中下三分合籾數百八種有、是を三ニて割
レハ壹歩ニ三十六種宛ニなる、千百八十三坪ニ懸れハ四
萬貮千五百八十九穂(ママ)となる、是を當舛ニ入積、六萬六千
位を以割レハ壹歩ニ六合四勺五才二七となる、是ニ田の
方三百歩を以懸レハ一反ニ壹石九斗三升五合八勺壹才に
なる、是に田數四拾六町懸れハ八百九拾石四斗七升貮合
六勺有、此内を田方之高八百五拾壹石引ケハ殘て三十九
石四斗七升貮合六勺有、是を四ツ八分五厘を懸レハ拾九
石壹斗四升四合貮勺壹才ニなる、是を田方之高八百五拾
壹石を以割レハ、貮歩貮厘五毛の上り免と知るゝなり
三三
日損ニ付立毛を見て免遣之事
一田三拾貮町有、此高五百七拾六石此物成五ツ六分なり、
右田之内拾三町は當年大やけ也、四町ハ當年やけぬな
り、何れも見立して撫して免何程遣し、又當物成何程ニ
なるそと問、答六分八厘五毛四遣當物成四ツ九歩壹厘四
毛六となると言、右は先大やけの田壹間四方苅上ヶさ
せ、籾ニ〆八合有時、是を三百歩ニかくれハ貮石四斗と
なる、是を拾三町にかくれハ三百拾貮石となる、前ニ置
又中やけの田壹間四方かけ、籾壹升壹合有、是ニ三かけ
三石三斗ニなる、是を十五町ニ懸レハ四百九十五石、右
ニ加へ八百七石あり、又やけぬ田壹間四方の籾壹升七合
あり、是ニ三かけ夫ニ四丁をかけ貮百四石、是も右ニ加
へ合千拾貮石、有毛を二ツニ割此心ハ籾米半分ニ立故
也、然れとも米ニ〆五百五石五斗ニ成ル、是ニ五ツ六分
を懸レハ貮百三拾三石八升、是を高五百七拾六石を以割
レハ當物成四ツ九分壹厘四毛六と知る、又五ツ六分之内
を四ツ九分壹厘四毛六引ケハ、殘六分八厘五毛四當年遣
ス免なり、又田も畑に應し免の遣スなり
一畑成田壹反五畝徳懸之節、畑ハ御土免にて通り、田に徳
懸畑土免上納ニ立、殘米御座候ハヽ畝物ニ〆上納極る
一出高何村之何百石之内より五拾石出高ニ出候節、右五拾
石之徳懸五拾石床分戻シ、殘何石ニても上床を取、上床
無キ時ハ出高無免ニて極る也
一徳懸何割か去に見下ケ見上ケは上納米に三懸戻し、其年
之惣反見立引去の見立を以割時何割と知る也、譬ハ晩田
に至り畝スゝ置三升五斗之内上納に取る時、三升五合に
三を懸戻し、當年之惣反引右惣畝ニて割何割と知る、割
候を惣反ニ懸三斗五升晩田上納極る也
一免切之儀、積下りより荒地物成壹分四朱を懸米出る、
損高を荒高引右米を割何朱と知る也、尤村々何朱ニても
切高に懸、當物成出る、地・惣・上高高下有之候事
一立免貮朱三朱切高懸ケ置上ケ當物成となる、積立より引、
了簡米出る
右當物成を損物成より引、殘定下り引、殘了簡下り
上二稜ハ村々免切違高下有故、段違候也
一惣反當り三の懸戻し、今年之惣反見立引殘惣反貮て割、
何割と知ル、土より上り下り見る
一壹分四朱定了簡米取出シ、毛付下へ壹分四朱を懸、殘高
之免を切損高ニ二朱程懸、了簡米下り見ゆるなり
四〇
御寄下開徳懸之事
一御寄下開と言ハ、縦ハ壹反之内ニ拾五歩にても有之候得
共、壹反内ニて無之候ニ付、御年貢ハ新地方の内ニ積る
也、壹反之畝の内之様に見へて畝の外なり、御徳懸の節
は右本方の割を懸るもの也、御寄下開の下見帳ハ各別仕
出可申事、夫々改て徳懸夫仕、右本方壹反之其割を御寄
下開の下見帳に懸可申事
四一
御内檢役所付被仰付候上ニて諸扣之覺
一反別帳急ニ仕出せ取可申事
一御侍衆上り開根帳
一御侍衆上り山之根帳
一村々畝物之根帳 御本方納・御郡間納記せ
一右同野開根帳 御郡間納メ共ニ根帳、其外諸上納物根帳調
せ取置可申事
一村々荒地帳
一同受薮開帳
右所々より其外帳面先役より引譲を受、又ハ會所より調
せ所持可仕候
四ニ
新地方小庄屋給の事
一新地方は六石以上の物成ニ小庄屋給被下候儀ハ、亥年よ
り定り被下候、六石以下は不被下、永荒開ニは不被下候
事
四三
御開翔庄屋給之事
一御開之小庄屋給取出す仕法ハ、物成無之ゆへ定米の撫反
當り惣畝ニ懸ヶ、夫を四ツ六歩を以割レハ高を假ニ得
ル、是ニ小庄屋給のかね一五を懸て取出すなり