慶長三年 幽齋藤孝
〇同年向ニ肝付ニ於テ大蔵卿ニ食マシムル所ノ替地トシテ、越前ニ於テ三千石ヲ領セシム。 幽齋領地の替地変更
〇同五年正月忠興主ノ三男光千代殿元服シテ内記忠利ト称ス、此レ秀忠公ノ諱ノ一字ヲ授ル也、就テ秀忠公ノ 光千代、江戸證人となる。
幕下ニ任フ。 杵築
〇同年二月内府公ヨリ忠興主及ヒ浅野ヲ召シテ、忠興主二六万石ヲ豊後木付ニ加禄シ、丹後ハ元ノ如シ、長政 豊後木付を賜る
中納言
ニ三万石ヲ加禄セシム、以テ格秋ノ至誠ニ報ワンカ為メ也。去歳上杉黄門景勝陰謀アリ、是ヲ以テ此ノ正月
爾来使節ヲ会津ヱ発スル事再三也、就テ其ノ叛スル事決シヌ。
〇同年六月十八日内府公師ヲ伏見ヨリ出シテ東征ス、忠興主等ノ諸侯各従軍ス、同七月二日江戸ニ到ル、同廿 細川勢出陣
一日内府公ハ忠興主及ヒ福嶋正則ノ両将ニ命シテ此ノ行ノ先登タラシメ、江戸ヲ発シテ小山ニ到ル、時ニ利
家・輝元・石田等預メ上杉ト計ルカ故ニ、東征ノ後ヲ遮リ断テ以テ此ヲ伐ント欲シ、石田ハ軍ヲ関ヶ原ニ張
三成の誤 少斎
ル、利家等ハ東征従軍ノ列候ノ妻子ヲシテ大坂城中ニ質トシテ入レシメントス、忠興主ノ室家ハ小笠原民部
いかに
ヲ召シテ奈之何ト問フ、民部ハイカヨウトモ賢慮之マヽナリト答フ、室家曰、我レ婦人タリト云フトモ越中
守カ妻ニシテ故日向守ノ子ナリ、何ゾ他ノ質ニ駆リトラレンヤ、我自刹セン、然ラハ私第ニ放火セシメヨ、
我カ骸ヲシテ他ノ馬蹄ニ蹴ラシメテ忠興ヲシテ辱カシムル事勿レト、又吉田伴等ニ命シテ防戦セシメテ、室
家手親ヲ自尽ス。民部ハ其ノ喉ヲ刺シテ我モ又タ躬ラ腹ヲ断チ火中ニ投ス。寔ニ七月十七日也、秀林院殿華 玉（ガラシャ）生涯
屋宗玉大姉ト号ス。此レニ依テ総ニ諸侯ノ妻子ヲ質ト欲ル事止ミヌ。川北石見等モ死ス、稲富伊賀ハ逐電ス。
〇同年七月廿日小野木主殿助・谷出羽守・藤懸三河守・高田豊後守・別所豊後守・赤松上総介・小出大和守・ 大阪勢田辺城を攻撃す、幽齋ら籠城す
生駒左近大夫等、大阪諸侯ノ命ヲ承テ田辺城ヲ囲ム。大蔵卿・興元主城ヲ守テ能ク防戦シテ敵兵ヲ撃事夥シ。
然モ城兵命ヲ隕□（スか）者少シ、此ノ九月ニ至テ城猶ヲ堅シ、大蔵卿ハ西三條三光院殿ヨリ古今ノ歌伝ヲ
預ルカ故ニ、詔曰、大蔵卿若シ戦死セハ其ノ伝廃セントテ、勅命ヲ大坂ノ執臣等ニ降下シテ和ヲ修セシム、
三條大納言殿ヲ勅使トシテ田辺ニ赴シメ、懇諭再三也、大蔵卿謹テ辞謝ス、然モ詔旨強ルカ故ニ固辞シ難ク
敬奉ル。此ニ於テ九月十二日ヲ以テ囲解ケヌ。十一月大蔵卿父子城ヲ退テ入洛ス、東山永源庵ニ寓止シ、或 勅旨により幽齋下城す
ハ吉田山ニ僑居シ、復タ獅子谷ニ閉居ス、大蔵卿這回初ヨリ屍ヲ城裡ニ晒ノ意ナルカ故ニ、書ヲ比来ノ善友
ニ寄テ別ヲ留ム。其ノ東條ニ寄ル書ニ曰
去廿七日御折紙今日相届令披見候、世上之事余リ不慮共不存候、今更申茂事旧候得共、信長御代太閤様
御時似合ノ致忠節、至近年於懇ノ御事奉対秀頼様何以可致疎略候哉、今度越中守関東出陣、内府世間為
後見之條是又奉公与存候処ニ、案之外不及是非候、一両日以前従八條殿御使徳善院案内者相添下候、則
古今相伝之箱・證明状・歌一首
古ヘモ今モ変ヌ世ノ中ニ 心ノホドヲ残ス言ノハ
此短冊幷源氏鈔箱一・廿一代集、禁裡様ヱ進上候、此外知音衆ヱ茂草紙箱一二進候、存生思残事無之満
足候、只今之手前之儀候間兔角之事難申候、連々被掛御目候ニ御残多候、御奉行衆ヱ茂此通被仰候テ可
給候、此外不申候、恐々謹言 八月二日
東條紀井守殿・上田勘右衛門殿・三好助兵衛殿 幽齋玄旨
熊本大学永青文庫研究センターが、紀要「永青文庫研究第二号」を発行したことをHPであきらかにしている。
これはありがたいことに無料で頂戴できる。また「年報（7号）」を併せていただけるらしい。
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大型連休はどのようにお過ごしになりますか。当家の次男もいつもは忙しくしていますが10連休なんだそうで、何をして過ごすのだろうかと他人事ながら心配します。
私如きは365日連休のようなものですが、毎日PCをたたき、情報収集のために読書をして時間が足りません。
時にはこのような催し物に出席して、英気を養うのもいいな～と思います。
