津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■御恵贈御礼「くまもとお大師廻り」

2021-12-19 09:55:40 | 書籍・読書

                                                               

 昨日の熊本史談会の12月例会で、会員の福田晴男氏から研究の成果をまとめられた「くまもとお大師廻り」を会員全員にご恵贈給わった。
そのすばらしい研究の成果に敬意を表するものである。
氏は熊本史談会の最古参の会員であるとともに、熊本地名研究会・熊本歴史学研究会の会員でもあられ、永く松本寿三郎先生の許で古文書解読の勉強を続けてこられて、わが会では解読の第一人者といって良い。
氏は「お大師廻り」という古文書に出合われ、その全文を解読され翻刻文と共に紹介され、その熊本城下88ヶ所の地を廻られたうえ、誠に精しい解説をお付けいただいている。A4判全75頁に及ぶ素晴らしいものとなっている。
わが熊本史談会でも、平成25年(2013)には■9月例会(9月21日・土 熊本市中央公民館・5階‐2号室 )で「熊本のお大師廻りと町々‐講演・福田晴男会員」として、ご研究の一端をお聞きしたことがある。
それから8年経過しているが、その間研究を深められ今般の出版の運びとなったものと察せられる。
今年に入りここ数ヶ月御病気でご出席なかったが12月例会ではお元気なお姿でご出席され、お礼申し上げたことだが、ますますお元気でご研究を続けられることを願うとともに、予定されていた講演もお聞きしたいと願っている。
深く感謝申し上げる。

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■川田順著・細川幽齋「歌仙幽齋」 選評(十四)

2021-12-19 07:36:43 | 書籍・読書

      「歌仙幽齋」 選評(十四)

                     つばさ
 たつ鳥に手放す鷹のとびよるや今こころみし翅なるらむ

 詠百首和歌の中。鳥が立つた、鷹を放つた。鷹は一途に鳥をめがけて、喰ひ迫つ
    すばや                はばた
た。その便捷き勢ひは、たつた今、羽搏き試みた、飛力である。まことに武将の作ら
しい鷹狩の吟とおもふ。乍併、敢へて批評すれば、結句「翅なるらむ」が弱い。やは
り、二條流の歌である。戰國時代に鷹狩の流行したことは勿論だが、殊に信長がこの
遊戯と相撲を愛好したことは有名である。幽齋に鷹狩の歌あるは、もとよりそのと
ころだ。「今こころみし翅といふこと、鷹狩に不案内の筆者として確かなことは云へ
                 こぶし
ないが、おそらく、馬上の狩獵者の拳の上で、はた/\と羽搏き試みた、といふこと
であらう。或は、龍山公鷹百首、 

 すゑなれぬとや山の鷹の足ぶみに足革引の羽風身にしむ                 

の一首の註に「足ぶみをさする時、鳥屋出の鷹いまだ馴れず、久しくとやの内にて
をもささぬにより、とやを出しさしたるにより、むづかしがり足革引をするを云な
るべし。足革を引時は、必鷹の羽をひろげ羽風を立る體也」とある。その羽ばたきか
も知れぬ。「とびよるや」西園寺相國(公經)鷹百首と俗にいひつたふる歌の中に、

 尾の下にとびいる鷹に詰められてはまりにつかぬ鳥ぞ落ぬる

このやうな趣なのであらう。

                                                                               

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