すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

生き残らせたい語がある

2017年08月12日 | 雑記帳
 先日のFB上にシェアされた「【クイズ】秋田弁、なんて言ってるかわかる?」を見て、なんとなく気になったことがある。もちろん10問全問正解であり内容に異論はないのだが、知っていても使わない(つまり知識のみ)の言葉があった。「しったげ」である。そんなにポピュラーな方言(笑)なのか調べ学習である。


(冷やしおでん、しこたまうみゃ)

 まず我がバイブルである『秋田のことば』(秋田県教育委員会編・無明舎出版)を調べた。見出しとしてあると予想したが、ここには載っていなかった。手元にある『秋田ことば』『秋田語の教科書』など数冊調べたが、そこにもない。しかし、ネット上の「全国方言辞典」(goo辞書・三省堂)には取り上げられている。


 「秋田の方言」として載せられているのは72個。よってかなり厳選されている語と言っていい。それが見出し語4500、変形を含め8000を超える『秋田のことば』に載っていないのは、不思議である。ただ、自分が何故ぴんとこないかはサイト上に「地域」として「県北沿岸部・県中央部」とあることで想像がついた。


 私が生まれ育った「県南部」と位置的に離れているので、やむを得ない。県内各地の方と方言を話題にすると、その違いに気づかされることは少なくない。例えば、音の響きが好きでよく取り上げる「ぼんぼら(カボチャ)は、県南部と言っても雄勝郡内周辺に限られる。生き残った語には魅力があると言えるだろう。


 その意味では「しったげ」も「とても」のニュアンスをよく伝えるので生き残り組だ。ちなみに『秋田のことば』には「とても」で索引される語は8つ。「えげぁ」「えだげ」「げぁに」などがある。「ひどく・たくさん」と拡げると「ちごでねぁ」や「しっこたま」など多彩にある。生き残らせたい語が、しったげある。