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8ミリから匂う逞しさ

2017年08月25日 | 雑記帳
 いわゆる8ミリでの撮影の経験はない。その映像を観るのだって何十年ぶりだ。お盆のとき公民館主催で「ふるさと再発見」というテーマで流された映像は、画質が悪いのは確かだが、一週間以上経った今でも鮮明に浮かんでくる。やはり中味が懐かしく迫ってくるものがあるからだろう。動画はやはり貴重な財産だ。



 技師はSさん。お子さんを担任させてもらったこともあり顔見知りである。廃校になった地元の小学校からSさんが探し出したフィルムと、若い頃に自ら撮影したものを合わせて40分ほどの放映だった。古いテープを映す機器がなく、ネットで探し出して手に入れたという。こうした熱意に支えられて甦る時間がある。


 60年近く前の小学校の映像は、知識としてはあっても、ある意味鮮烈だった。給食の初期に脱脂粉乳が使われたのは有名だが、それを熱し砂糖をドバドバ投入する様子、また身体測定が男女一緒で、高学年女子も上半身裸で平気で行っている姿…「野蛮」と言われそうだが、滲み出てくるのは「逞しさ」ばかりである。


 昭和54年に皇太子ご夫妻(今の天皇、皇后両陛下である)が、湯沢駅に降り立ち、市の酒蔵と我が羽後町の施設を廻った映像もあった。老健施設の訪問記録は、別の何かの公的な?映像で観たことがある。しかしこちらはいわば素人が、かなり離れたポジションから観客視線で撮った動画。確かに絵は見にくいけれど…。


 マイクが拾っている音声が実にリアルだった。「デデキタ、デデキダド」「アヤ~カッコエゴド」「アリャ、エエオナゴダゴド」…田舎者の無礼な言葉(笑)が聞こえてくる。かなりの時間、待たされただろう。一緒に来たらしい子どもの声が「アツイ~カエリタイ~」と叫んでいるのも可笑しい。これも逞しさに違いない。