何を今さらではあるが、女性は強き者である。
そして、やはり女性の時代である。
こんな出来事があった。
大曲の花火が終了して、今までとは違ってすぐに帰りの準備をして、桟敷席を立った。
ところが案の定というか、ブロックの出口が混雑して前へ進まない。
係員がマイクで誘導し、少し進んではストップが繰り返される。それでもお利口な日本人なので、混乱もなく従っているが、斜め後方から少し諍いの声が聞こえてきた。
年配の男同士が、オシタ、オサナイ、オマエノジュウショキカセロ、ナンダト…といったやり取りを続けている。
周囲には十分聞こえているが、この密集でのトラブルは避けたい気持ちがあるのか、誰も仲裁はためらっていた。
しかし、ここで一人の女性がたしなめる。
「こんなに混んでいるんだから、そんなこと言ったって、しょうがないでしょ!」
ぴしゃりと事が収まる。
こんな番組もあった。
某テレビ局恒例の24時間テレビ。目玉のマラソンのランナー発表を当日に持ってくる采配をして、注目度を高めようとした。
選ばれたのは(候補者として心準備はしていたようだが)、これまた今年ブレイクした女芸人ブルゾンちえみである。
女性ランナーはごく普通だが、今までとは違う「時代」を感じさせる。
この人が従えている「withB」という男性二人組の存在があるからだろう。今までもあった形態ではあるが、見せ方における主役感がかなり異なる。
こうしたポジションの立て方こそが、今の日本の男女関係の典型というのは言い過ぎか(ちょっとね)。
もちろん、この番組自体は多くの問題を抱えていることは承知の上で。
そして、こんな一文があった。
武田砂鉄がcakesというサイトで連載している「ワダアキ考」が面白く、毎回楽しみにしている。
昨日配信された回は「愛より増田明美が地球を救う」という文章。頷きながら読んだ。
増田明美はマラソンだけでなくスポーツ解説者として出色の存在と感じていたが、見事にその具体が述べられていた。
「増田の解説は、調べに調べ、必然性を持たせた上で、選手の人生を次々と持ち込んでくる。」
選手時代から彼女がどんな工夫と努力をしてきたか、明らかにしたあとに、マラソンつながりで、先の「愛」を強調する24時間テレビの放送内容全体の雑さにも触れていた。
武田は、同じ言葉を扱う者としてあるべき矜持をこんなふうに結んでいて、そこには増田に象徴される女性の綿密な強さが際立っていると感じた。
「増田明美は、感動を伝えるためには、事細かな取材といくつもの言葉が必要である事を教えてくれる。そもそも『○○が地球を救う』というスケール感自体に首を傾げたままだが、もしも、愛と増田、地球を救うのはどっち、と問われたならば、具体的に救うのは増田だ、と即答することになる。」
そして、やはり女性の時代である。
こんな出来事があった。
大曲の花火が終了して、今までとは違ってすぐに帰りの準備をして、桟敷席を立った。
ところが案の定というか、ブロックの出口が混雑して前へ進まない。
係員がマイクで誘導し、少し進んではストップが繰り返される。それでもお利口な日本人なので、混乱もなく従っているが、斜め後方から少し諍いの声が聞こえてきた。
年配の男同士が、オシタ、オサナイ、オマエノジュウショキカセロ、ナンダト…といったやり取りを続けている。
周囲には十分聞こえているが、この密集でのトラブルは避けたい気持ちがあるのか、誰も仲裁はためらっていた。
しかし、ここで一人の女性がたしなめる。
「こんなに混んでいるんだから、そんなこと言ったって、しょうがないでしょ!」
ぴしゃりと事が収まる。
こんな番組もあった。
某テレビ局恒例の24時間テレビ。目玉のマラソンのランナー発表を当日に持ってくる采配をして、注目度を高めようとした。
選ばれたのは(候補者として心準備はしていたようだが)、これまた今年ブレイクした女芸人ブルゾンちえみである。
女性ランナーはごく普通だが、今までとは違う「時代」を感じさせる。
この人が従えている「withB」という男性二人組の存在があるからだろう。今までもあった形態ではあるが、見せ方における主役感がかなり異なる。
こうしたポジションの立て方こそが、今の日本の男女関係の典型というのは言い過ぎか(ちょっとね)。
もちろん、この番組自体は多くの問題を抱えていることは承知の上で。
そして、こんな一文があった。
武田砂鉄がcakesというサイトで連載している「ワダアキ考」が面白く、毎回楽しみにしている。
昨日配信された回は「愛より増田明美が地球を救う」という文章。頷きながら読んだ。
増田明美はマラソンだけでなくスポーツ解説者として出色の存在と感じていたが、見事にその具体が述べられていた。
「増田の解説は、調べに調べ、必然性を持たせた上で、選手の人生を次々と持ち込んでくる。」
選手時代から彼女がどんな工夫と努力をしてきたか、明らかにしたあとに、マラソンつながりで、先の「愛」を強調する24時間テレビの放送内容全体の雑さにも触れていた。
武田は、同じ言葉を扱う者としてあるべき矜持をこんなふうに結んでいて、そこには増田に象徴される女性の綿密な強さが際立っていると感じた。
「増田明美は、感動を伝えるためには、事細かな取材といくつもの言葉が必要である事を教えてくれる。そもそも『○○が地球を救う』というスケール感自体に首を傾げたままだが、もしも、愛と増田、地球を救うのはどっち、と問われたならば、具体的に救うのは増田だ、と即答することになる。」