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つつがなく入学式は

2023年04月07日 | 雑記帳
 町にある4つの小学校、唯一の中学校では今日が入学式。残念ながら小雨模様になった。昨日はそれを意識し蔵書紹介をアップする。振り返れば10回入学式で挨拶した。誰が行っても大方の流れは似ているだろう。最初は新入生に語りかけ、それから保護者や周囲に向けることになる。前半はちょっとした工夫が欲しい。


 小道具を使ったり、小規模校では一人一人と握手してみたり、在校生に返事の模範を示させたり、しかし色々目先を変えてはきたが伝えたい内容に相違はない。楽しい学校生活にするために仲よく安全にといった心得が中心だ。従って普通は記憶に残らない。あるとすれば個人的な失敗、もしくはアクシデントだろう。




 教員として列席した入学式はほとんどつつがないものだった。思い出せるのはある分校でのこと。遅れそうになった母親が、派手ないでたちで自転車の後ろに我が子を乗せてきた光景ぐらいか。映画のカットのように浮かぶのは、それほど際立っているからだ。そう思うと、氏名点呼間違いは結構大きな「傷」だなあ。


 一年生を唯一担任したときではない。自分が一年生になる入学式で点呼する担任の先生が間違えた(らしい)。私には印象はないが、亡き母が語ってくれたことがある。世代的にもごく平凡な「晴夫」という名前を、どう読み間違えるというのか。昭和36年、今のように自由な読み方が考え付く時代でもなかったろう。


 点呼は「せいてん」だったという。ああ、手書きで名簿をつくる時代だし、「晴天」と記すことは考えられなくもない。なんせ新入生は120名を超していたはずだ。まあ一度目を通せば避けられただろうが…と言いつつ案外このエピソードを私は気に入っている。生まれた日は快晴だったと教えられたことも信じている。