香港からグラントレビューの依頼がきました。1140香港ドル払ってくれるそうです。この中途半端な数字はどこから出たのでしょうか。それにしても、多くは無償のグラントのレビュー一本にこれだけ払えるのだから中国は景気がいいのですね。今年も何本か引き受けたイタリアのグラントレビューは、イタリア政府の予算の関係で支払いが半年遅れるというメールがちょうどその日に来ました。EUは前途多難ですね。私は、南ヨーロッパ諸国にとってはEUに留まることは長期的にはマイナスではないかと常々思っているのですが、知り合いのギリシャ人は、現状でEUから離脱することは崖から飛び降りるのに等しい、とも言います。つまり、ギリシャ社会がEU中央銀行のカネに依存する体質になってしまっているということでしょう。アメリカのFRBと同様、ドイツとフランスが実質牛耳っているEU中央銀行は「カネを作り出す」パワーをもっています。その「無から作り出したカネ」をギリシャやスペインやイタリアに貸し出して金利をとる、そういう悪どいことをやっている、私にはそのように見えます。簡単に破産宣告してもらっては困るというのもドイツとフランスの言い分でしょう。極論すれば、ユーロという麻薬を売るドイツ、フランスが、もう薬なしでは生きていけないような体になってしまった南欧諸国からさらに搾り取るためのスキームのようにさえ見えます。しかもギリシャはドイツから大量の兵器を買っています。ドイツにすればカネを払ってくれる限りギリシャはお客さんです。ギリシャにしても今、破産宣告すれば、ユーロ依存症の体ですから、ひどい禁断症状に見舞われるのでしょう。国家破綻した時のアイスランドのようになるでしょう。(それから数年たった現在、アイスランドはきっと破産宣告をしたことを喜んでいるとは思いますが)しかし、これまでのようにEU中央銀行がどんどん金を刷って南欧にバラまき続けることもできません。アメリカでのドルを見れば明かです。この10年で金(ゴールド)で評価すればドルの価値は1/8位に落ちています。それは、度重なる量的金融緩和による貨幣流通量の急激な増加によるものだと思います。金本位制を捨ててからこうなることはわかっていましたが、それにしても近年のドルの価値の低下はすさまじいものがあります。ドルの価値は上がる見通しはありませんし、アメリカのデフォールトも真実味をもってウワサされるようになってきています。そのうち、かつてのドイツのように、ドル札は暖をとる足しに燃やす位しか使い道がなくなるかも知れません。アメリカ政府とFRBがやってきたことは、一部の既得権を集中的に富ませる代償にドルを刷り散らかしてその価値を下げ続けたあげく、もはやその自転車操業でさえなりたたなくなるレベルにしてしまったということです。ユーロも同様です。
ところで、先週末、「反原発、官邸前デモ」かなりの盛り上がりだったようですね。私もネットで様子を見ました。主催者発表で20万人。私の知る限り、日本の市民デモとしては最大です。すばらしいです。さすがに20万人規模の官邸前でのデモを無視する訳にはいかず、マスコミも報道。おかしいのは警察が2万人弱と一桁も小さく報道したことです。航空写真も見ましたが、すごい迫力です。感動しました。一方、捏造偏向報道協会(NHK)は、前回(4万5千人)よりも上回ったとしか書いてありません。20万人という数字にビビったのでしょう。
その後読んだ、田中龍作ジャーナルで、デモの様子が次にようにありました。
20万人(主催者発表)が洪水となってジリジリと官邸の方に進んでいる。警察隊のバリケードは数分と持たず次々と決壊し後退した。指揮官とおぼしき警察官が「官邸を守れ」と叫んだ。それが合図だったのか。機動隊のバス(通称カマボコ)数台が官邸とデモ隊の間にスーッと割り込んできた。
警察は指揮車の上から「皆さん、冷静になって下さい」と拡声器で呼びかけるが制止できない。現役の警察官たちにとって、これほどの大規模デモは経験したことがないはずだ。
代わって主催者が呼びかけた。「また来週があります。ゆっくりゆっくり下がりましょう」「20万人では原発は止まらないんです」・・・終了時間を待たずして、デモは一人の逮捕者も出さず平和裡に散会となった。
原発を再稼働させた野田官邸は、警察によって守られたのである。機動隊の車両が官邸正門を塞がなかったら、市民がなだれ込んでいただろう。
主催者の制止がなかったら、ひょっとしたら本当に市民は官邸になだれ込んで暴徒化していたかも知れません。主催者(広瀬隆さんだと思いますが)は冷静でした。私が生まれて初めて見た20万人規模の市民デモではまだ力不足だというのです。ここで問題をおこして運動の気勢をそいで、体制側に反撃の口実を与えてはいけないのです。着実に土台を踏み固めながら100万人の運動へと盛り上げて行くことが大切だと私も思います。
対して、ドジョウは、デモの人々の抗議の声を聞いて「大きな音だね」と言い捨てて官邸に入って行ったという話。この人、やっぱりどうしようもないですわ。60年安保闘争や、フランス革命でのルイ16世の末路とか知っているでしょう。ひょっとしたら今晩、自分は市民の群れに吊るし上げられて命の危険にさらされるかも知れない、そういう可能性を考えられないほど、想像力が乏しいのか、権力ボケしているのかなのでしょう。そうでなければよほど胆力がすわっているのでしょう。20万人の人々が一斉に動いたら機動隊など大した制止にはならないです。事実、田中龍作ジャーナルの現地レポートを読むと、一触即発の可能性もあったようで、もし市民の一部が暴徒化したら、実際にドジョウは吊るし上げられ、ナイフを首に突きつけられていたでしょう。そうならなかったのは、デモ主催者の冷静な制止があったからこそです。ドジョウは命拾いしたことをわかっているのでしょうかね。
もう一つ、このデモに関して、取り上げるのも大人げないですが、例の「少量の放射線は体にいい」と自説に都合のよいデータだけつまんで、原発擁護を繰り返すムラ人、池田某。このデモを「愚者の行進」と呼んでいます。この20万人の行動する市民を「愚者」と呼び、デモを「ナンセンス」と公に切り捨てることによって、この明らかに自分は賢いと思っているらしいこの人は、何を為したいと欲しているのでしょうか。原発に反対する多くの一般市民を「愚者」と呼び、命よりもカネの方が切実な問題だと訴えることで、原発に反対する市民の意見を変えれるとでも思っているのでしょうか?明らかに逆効果でしょうね。それとも、「愚者の行い」とはいかなるものかを、自分自身でを示してみせる自虐的ユーモアに富んだ人なのでしょうか。ま、実名でバカをやっている人に匿名のブログで批難するのも不公平でしょうからやめておきましょう。
最後に小沢グループの集団離党について一言だけ。離党は予定路線ですが、なぜ、輿石幹事長と三回も会談したのか、そこがナゾです。それと、当初52名の離党の予定が二人が撤回して50名になったという話で、その二人というのが階さんと辻さんだと聞いて、私はちょっとびっくりしました。彼らは小沢グループの中でも私は有能な人々だと思っていたので、この後におよんで離党を撤回するというのが解せなかったのです。彼らは離党届にサインをして小沢氏に前もって預けた人々です。離党をしたくないのなら、7/2に離党宣言する可能性が強いことはわかっていたのだから、前もって離党届を取り戻せば良かったのです。それをあえてしなかったことに何かウラがあるのではないかとふと思ったのです。つまり、民主党内にわざと小沢氏が彼らを残したのではないか、ひょっとしたら輿石会談はドジョウおろしと現クーデター執行部をさらに内部クーデターで転覆させるための策を話し合ったのではないか、などと勘ぐるのですが、多分、違うでしょうね。