学内のポスドク向けのグラントのレビューを頼まれたのでやりはじめました。約60本の応募を三つのグループに振り分けて、3-4人からなるグループが申請書を評価します。私は19本の申請書を二週間で評価しないといけません。行き帰りの電車の中などで読んでいますが、各々6ページの研究計画と申請者のバックグラウンドなどを読むのは、なかなか骨が折れることがわかりました。というのは、学内ですから、利益相反を避けるために自分と直接関係のない講座からの申請を読まないといけないからです。結局、あまり知識のないようなものを読むことになります。それも比較的基礎生物学に近いものであればまだよいのですが、臨床研究に近いものとか、科学というよりは技術開発を目指しているものとか、ふだんの評価法が通用しないようなものまであります。どの申請書もよく書けているのは専門的知識がなくてもわかります。(私が最初に書いたグラントは、これらに比べたらひどいものでした)正直、書いた人に気の毒な気がします。評価する方は専門家ではないのですから。
これはトレーニング用のグラントなので評価は研究成果を求めるよりは人材を育てるという目的であることを考慮するべきなのだろうと思いますけど、私は、やはり研究計画そのものが最も重要だと思います。ポスドクですから、テーマの選択に大きな自由はないでしょうし、応募時点でおもしろいデータが揃っているかどうか、というようなタイミングの問題もあり、応募者自身がどうすることもできない、運、不運があると思います。だから、パッとしないのテーマを与えられて、それを何とか面白い話にしようとして一生懸命頑張っているのがわかる申請書を読むと、気の毒に思います。私の場合、評価の基準は単純で、研究が意義あるものかどうかと、その研究が意味のある結果を生み出す可能性が高いかどうか(ポジティブな予備データ、研究方法の妥当性、申請者の過去の実績)ですので、実際のところ、それほど詳しくその分野のことを知っているかどうかは余り関係ないとも言えます。多分、他の人も同じような基準でやっていると思います。そういう点から、スクリーニングで何か新しいものを見つけるという類いの「宝探し」プロジェクトはダメです。仮説が弱くて、記述的なデータしか得られないようなプロジェクトもダメです。強い仮説があって、その仮説が証明されることで有意義な知見が得られる可能性の高いプロジェクトは高く評価されることになります。
これまでは、私は、自分の専門に関係したグラントや論文のレビューしかしたことがなかったので、今回の経験は大変、意義がありました。グラント申請書は素人にでもすぐ研究の意義が理解できるように、シンプルにストレートに分かりやすく書く必要がありますね。
私もここ数年、そういうシンプルで力強いプロジェクトをやりたいと思っていろいろやっていますが、なかなか、そのようなプロジェクトを見つけるのは容易ではありません。よい研究ネタを掴んだ時に、パッと始動できる状態にないといけませんから、運、不運というのは大きいと思います。しかし、運も実力のうちと言います。たまにしか来ない幸運を捕まえるためにわれわれができることは、日々、努力することしかありません。振り返れば、私は一流研究者ではありませんけど、なんとか研究の世界に今まで生きてくることができましたから、たいへん幸運だったと思います。もちろん、自転車操業ですからいつ何時こけるかはわかりませんけど、とりあえずまだ何とかフラフラしつつも走っています。対して、現在の若手研究者の人をとりまく環境をみると、本当に気の毒です。自転車に乗るチャンスでさえ与えられない人が少なくありません。その環境の中で弱気になってしまい、ますます幸運を掴む機会を失ってしまう人も見ます。
最近、若手の人々からキャリアアドバイスを求められることが何度かありました。私はとてもエラそうなことをいう立場にはありませんが、主に私が失敗から学んだことなどを話ました。一つ思うことは、うまくいかない人(私も含めてですが)に共通しているのは、自分が何をしたいかよく分かっていない、ということです。逆に言えば、自分が何をしたいかよく理解している人は、自然とそれにむけて努力しますから、それだけ幸運を掴むチャンスも多くなり、結果、成功に近づいて行くのではないかと思います。
話題転換。最近、バカらしいので日本の政治の話はやめようかなと思っていたのですけど、つぎのようなニュースを聞いて、呆れ果てたので。
どうでもいいけど、これ「脅し」のつもりでしょうかね。それとも漫才でいう「ボケ」ですか。民主党の公認は次の選挙ではむしろマイナスではないですかね。
群馬から千葉四区に鞍替え立候補を決めた生活党の三宅雪子議員、やる気満々なようです。これまでの船橋でのドジョウ落選運動とか見ていると、三宅さんに刺されてドジョウ落選の可能性は大いにあるでしょう。現役首相が落とされて、比例復活というのでは、情けな過ぎますね。次の民主党は何の力もない泡沫政党と成り下がる可能性が高いわけで、ドジョウも落選可能性が高いのですから、こんな強がりを言ったところで何か足しになるのかな、と思います。むしろ、泥舟から逃げ出す議員の数を増やすだけでしょう。
どうするのか見ものなのが、優柔不断の鳩山氏。これまで何度も離党するチャンスはあったのにここまでずるずる。「TPP反対」は譲らないが、民主党から出ると言っていますから、党の公認はなしですね。もし落選したら復活の可能性はないということになりますが、どうするのですかね。
最近のヤフーのアンケート見ました。3538票の母数のうち47%が「生活」党を支持しているという結果で、二位の自民党16%に大きく差をつけています。民主党3%、公明党1%ということですから、談合三兄弟をあわせても20%しかありません。これが民意を表しているとしたら、生活党、生活党と連携を組む「脱原発、反TPP、反消費税」政党は、すべての選挙区に候補者を擁立できたら、第二の政権交代となるのではないでしょうか。にもかかわらず、マスコミは殆ど「国民の生活が第一党」の活動を報道しません。たまの報道は、自民党の誰かが小沢氏の悪口を言った、とかいう程度の低いネガティブなものに限られます。一方、このアンケートの支持率からは、どうみても泡沫政党としか言えない維新(支持3%)とか、自民総裁選でボロ負けしてから小沢氏に対してルサンチマンを抱え込んでしまった僻み老人の太陽の党(今は維新ですか)とか、本当にどうでもよい政党の話はよくでてきます。何とかならんのでしょうか。
これはトレーニング用のグラントなので評価は研究成果を求めるよりは人材を育てるという目的であることを考慮するべきなのだろうと思いますけど、私は、やはり研究計画そのものが最も重要だと思います。ポスドクですから、テーマの選択に大きな自由はないでしょうし、応募時点でおもしろいデータが揃っているかどうか、というようなタイミングの問題もあり、応募者自身がどうすることもできない、運、不運があると思います。だから、パッとしないのテーマを与えられて、それを何とか面白い話にしようとして一生懸命頑張っているのがわかる申請書を読むと、気の毒に思います。私の場合、評価の基準は単純で、研究が意義あるものかどうかと、その研究が意味のある結果を生み出す可能性が高いかどうか(ポジティブな予備データ、研究方法の妥当性、申請者の過去の実績)ですので、実際のところ、それほど詳しくその分野のことを知っているかどうかは余り関係ないとも言えます。多分、他の人も同じような基準でやっていると思います。そういう点から、スクリーニングで何か新しいものを見つけるという類いの「宝探し」プロジェクトはダメです。仮説が弱くて、記述的なデータしか得られないようなプロジェクトもダメです。強い仮説があって、その仮説が証明されることで有意義な知見が得られる可能性の高いプロジェクトは高く評価されることになります。
これまでは、私は、自分の専門に関係したグラントや論文のレビューしかしたことがなかったので、今回の経験は大変、意義がありました。グラント申請書は素人にでもすぐ研究の意義が理解できるように、シンプルにストレートに分かりやすく書く必要がありますね。
私もここ数年、そういうシンプルで力強いプロジェクトをやりたいと思っていろいろやっていますが、なかなか、そのようなプロジェクトを見つけるのは容易ではありません。よい研究ネタを掴んだ時に、パッと始動できる状態にないといけませんから、運、不運というのは大きいと思います。しかし、運も実力のうちと言います。たまにしか来ない幸運を捕まえるためにわれわれができることは、日々、努力することしかありません。振り返れば、私は一流研究者ではありませんけど、なんとか研究の世界に今まで生きてくることができましたから、たいへん幸運だったと思います。もちろん、自転車操業ですからいつ何時こけるかはわかりませんけど、とりあえずまだ何とかフラフラしつつも走っています。対して、現在の若手研究者の人をとりまく環境をみると、本当に気の毒です。自転車に乗るチャンスでさえ与えられない人が少なくありません。その環境の中で弱気になってしまい、ますます幸運を掴む機会を失ってしまう人も見ます。
最近、若手の人々からキャリアアドバイスを求められることが何度かありました。私はとてもエラそうなことをいう立場にはありませんが、主に私が失敗から学んだことなどを話ました。一つ思うことは、うまくいかない人(私も含めてですが)に共通しているのは、自分が何をしたいかよく分かっていない、ということです。逆に言えば、自分が何をしたいかよく理解している人は、自然とそれにむけて努力しますから、それだけ幸運を掴むチャンスも多くなり、結果、成功に近づいて行くのではないかと思います。
話題転換。最近、バカらしいので日本の政治の話はやめようかなと思っていたのですけど、つぎのようなニュースを聞いて、呆れ果てたので。
民主党の安住淳幹事長代行は18日、NHKの番組で「野田佳彦首相の考え方についてこられないなら公認できない。党で決めたら反対していても守ると誓約書を書いてもらう」と述べ、衆院選にあたって、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉への参加推進や消費増税に反対する候補者を公認しない考えを明らかにした。
どうでもいいけど、これ「脅し」のつもりでしょうかね。それとも漫才でいう「ボケ」ですか。民主党の公認は次の選挙ではむしろマイナスではないですかね。
群馬から千葉四区に鞍替え立候補を決めた生活党の三宅雪子議員、やる気満々なようです。これまでの船橋でのドジョウ落選運動とか見ていると、三宅さんに刺されてドジョウ落選の可能性は大いにあるでしょう。現役首相が落とされて、比例復活というのでは、情けな過ぎますね。次の民主党は何の力もない泡沫政党と成り下がる可能性が高いわけで、ドジョウも落選可能性が高いのですから、こんな強がりを言ったところで何か足しになるのかな、と思います。むしろ、泥舟から逃げ出す議員の数を増やすだけでしょう。
どうするのか見ものなのが、優柔不断の鳩山氏。これまで何度も離党するチャンスはあったのにここまでずるずる。「TPP反対」は譲らないが、民主党から出ると言っていますから、党の公認はなしですね。もし落選したら復活の可能性はないということになりますが、どうするのですかね。
最近のヤフーのアンケート見ました。3538票の母数のうち47%が「生活」党を支持しているという結果で、二位の自民党16%に大きく差をつけています。民主党3%、公明党1%ということですから、談合三兄弟をあわせても20%しかありません。これが民意を表しているとしたら、生活党、生活党と連携を組む「脱原発、反TPP、反消費税」政党は、すべての選挙区に候補者を擁立できたら、第二の政権交代となるのではないでしょうか。にもかかわらず、マスコミは殆ど「国民の生活が第一党」の活動を報道しません。たまの報道は、自民党の誰かが小沢氏の悪口を言った、とかいう程度の低いネガティブなものに限られます。一方、このアンケートの支持率からは、どうみても泡沫政党としか言えない維新(支持3%)とか、自民総裁選でボロ負けしてから小沢氏に対してルサンチマンを抱え込んでしまった僻み老人の太陽の党(今は維新ですか)とか、本当にどうでもよい政党の話はよくでてきます。何とかならんのでしょうか。