百醜千拙草

何とかやっています

財政の崖

2012-11-13 | Weblog
大統領選の後、アメリカの「財政の崖」というマスコミ キャンペーン(?)の文句をよく見るようになりました。アメリカの財政が実質、破綻しているのは、もう何年も前からの話で、今更、何を、という感じです。アメリカで何かモノを買えば、ほとんどが外国製です。農業と一部の工業以外、アメリカにモノ(価値)を生み出す産業はもうないのに、人々は平気で借金を積み重ねて大量に消費をしています。常識で考えてそれで回るはずがありません。アメリカがまだ何とか保っているのは、十年ごとに外国に戦争をしかける一方、基軸通貨としてのドルを利用して日本を始め外国に(返すつもりのない)多額の借金をし続けているからです。
基軸通貨としてのドルの地位は失われつつあります。中ロは二国間貿易にドルを使うのを止めました。リビアのガダフィはアフリカ、インドネシアを含むイスラム圏でディナールを軸とした新システムを作り、貿易にアメリカドルを排除しようとして、殺されました。アメリカの凋落はドルに信用がなくなった結果であり、それは、ろくに価値を生み出す仕事もしていないのに、中央銀行、FRBが安易に量的緩和を繰り返して来たからでしょう。私の子供の時は、舶来のもの、アメリカやヨーロッパのものや文化は、優れたものというイメージがまだありました。多分に、敗戦国に対する戦勝国の政策もあったのは間違いありません。しかし、現在は話は違います。いまや工業製品、一部の農業製品でさえ、アメリカ製というだけで心配になります。

オバマの再選を受けて,またドジョウが、急に再び「TPP交渉参加」という売国政策を出してきました。日本市場にアメリカのモノやシステムを売りつけるためです。TPPは農業界、医療サービス業界などを中心に強い反対が以前からあります。日本が開国という名の最初の敗戦を喫したあと、その日米通商条約(貿易不平等条約)を撤回させるのに十数年を要しています。TPPの性質は、この貿易不平等条約と酷似しています。自由貿易によってものの流通がスムーズになると言えば、一見、よいことのように聞こえるかも知れません。しかし、おのおのの国にはそれぞれに特有の事情があり、譲れるものと譲れないものがあります。国家の最も重要な意義は、国土を守り、その国民を守ることです。TPPによって破壊される可能性が強い数多の日本の産業、それによって失われる人々の生活のことを考えれば、TPPはまさにアメリカとごく一部の日本人のためにある貿易不平等条約に他ならず、きわめて悪質な売国政策であると言わざるを得ません。ドジョウがオバマ再選後にTPPのことを熱心に言い出したのは、そういうことです。ドジョウが公僕として仕えているのは、一般国民ではなく、一般国民の築いた土台を食い荒らすシロアリであり、事なかれ主義で戦後65年たっても隷属を続けているアメリカです。

検察と最高裁事務局がでっち上げた「陸山会事件」の控訴審、当然ながら、小沢氏は無罪となりました。事件そのものがでっちあげですからね。一方、この事件をでっち上げた東京地検特捜の担当検事らは、この裁判が始まってから、一人、一人と辞職したり、飛ばされたりして事件そのものから逃げ出し、もう誰もいません。酷い話です。政治的意図をもって極めて悪質な権力の濫用を行い、秘書を含む複数の人間を社会的に抹殺しようとした、あってはならない事件でした。フクシマ原発事故と同じ、被害者はいるのに加害者はコッソリ逃げ出し、誰も責任をとろうとしません。やはり、新聞は「小沢氏無罪」のニュースを極めて小さくしか扱っていません。公判前はあれほど、マスコミは総出で小沢氏を批判し、社説でも連日トンでもなく不公平な攻撃を繰り返したくせに、無罪のニュースは知らんぷり。酷いものです。
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