百醜千拙草

何とかやっています

コロナとベーシックインカム

2020-06-05 | Weblog
ちょっと前の続きみたいなものですけど、今回のロックダウンによる地球環境の改善を見ても、地球の環境を急激に破壊してきたのは人間のカネ儲けのための活動であると結論できると思います。人間も生きていくために地球のリソースを使うのは当然ですけど、すでに年間300種の生物が絶滅していっており、海洋汚染が深刻なために遠からず海産物は有害すぎて食べれなくなり、温暖化のために南アジアや世界の沿岸部の主要都市はそのうち水没するとか言う話を聞くと、その原因となっている人間の活動が行きすぎているのは明らかです。なぜ行きすぎるのか、復元する方法も知らないのに地球を破壊しつづけ、処理する方法も知らないのに放射性廃棄物を延々と作り続けるのか、その動機は単純にカネでしょう。人々が人間らしく生きていくために必要なモノが効率よく生産され分配されているなら、あのアベ一味のように、「今さえ、自分さえよければいい」という醜悪な利己主義者も少なくなるでしょう。とりあえず、最低限の生活の保障があるならば、何も、満員電車にのって毎日会社に行って必要もないモノを作ったり、欲しがっていない人に売ったりする必要もないです。働きたい人が働けばよいです。やりたい仕事をやればいいです。病院も経営のためにでベッドの回転数を計算する必要もなく、病気で苦しむ人のケアと治療に専念できるでしょう。必要なモノが効率よく生産されるテクノロジーはあります。その価値の分配が効率よく行われないことが問題です。できない理由は、その分配をカネとの交換によって行っているのに、カネが偏在しているからです。そのカネもそもそもが幻の実体のない口座の数字にしか過ぎないわけです。どうせ無から作り出した数字なのですから、みんなの口座の数字を毎月、一定の割合で政府が増やしてやれば、モノの分配は効率化するでしょう。口座に一定の数字が保障されるのなら、その数字を増やすためだけのために、とくに必要もないものを、環境破壊してまで作る必要もないでしょうし、売り込みのために大の大人がパワーポイントでお絵かきして一日を過ごす必要もないと思います。

今の世の中では、カネの力はその偏在性から生まれていると思います。世の中全員が金持ちならば、カネに何の力があるでしょうか。札束で頬を叩けば、叩き返されるだけのことです。そのパワーはカネのない人間をカネを持つ人間が支配できるからこそ生まれます。資本主義とは持てるものが持たざるものを支配し彼らが作り出す価値を搾取する動物的なシステムです。市場原理とか自由競争が効率化を促進するとして小泉政権ぐらいからネオリベが跋扈し続けてきた結果、格差はどんどん広がり、弱者は自己責任と言われて見捨てられる世の中になってしまいました。人はさまざまに姿を変えた資本家の奴隷となり、Karoshiという英語も広がりました。国民のために使うべき国の予算はトンネル会社を通じて、その国民を洗脳し搾取している会社に流れました。表向き年間3万人、多分実体はその数倍という自殺者を出す日本の世の中で、社会システムは中世と変わりません。自殺のもっとも高い理由は経済的困窮です。

そういう事情で、私もはベーシックインカムのアイデアに賛成です。これはカネの話ではなく、人間性の話です。せっかく生まれてきたのに、大勢に人々が自ら命を断つところまで追い詰められてしまう現在の非人間的な社会は、人間としての責任で、変えなければならないと思います。今回、スペインがこのコロナを契機にベーシックインカムの導入を決めました。チラッとツイートしたのですけど、この際の問題はスペインがEU加盟国であることではないかな、と思いました。EU中央銀行はスペインの管理下にはないので、当面の財源を確保するのにもしEU中央銀行から借金をする必要があるなら、利息を払わないといけなくなるので、ベーシックインカムは短期で破綻する可能性があります。スペインが自給自足できていているのなら、独自通貨を復活させるという手も使えると思いますけど、それは大多数の国民が現在の金融システムの根本的問題を理解しなければ難しいかも知れません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする