百醜千拙草

何とかやっています

大きな乗り物

2022-08-31 | Weblog
今日は短く。京セラの稲盛和夫氏、90歳で死去とのこと。
戦後、日本の偉人の一人であると評価しない人はいないと思います。一技術者から会社を起こし、独自の経営哲学を発展させました。通信業界に革命を起こし、業種を超えて日航の経営再建を指導、数々の著書を通じて、経営者のみならず、広く世の中を啓蒙した指導者の一人であったと思います。

近年、総理大臣から率先して「今だけ、金だけ、自分だけ」でもいうような風潮とは対極にある考え方によって、戦後の日本企業は発展してきました。稲盛氏が経営の神様になった最初のきっかけは、零細企業であった時に、技術者の夢を追求し、会社の成功を達成すること以上に、社員の生活の安定と幸福を満たすことの重要性を実感させられた事件からだろうと思います。社員が幸せでない会社は一時的には成功しても持続して繁栄することはないでしょう。一緒に生きる人々が幸せでなくて自分一人の幸福はあり得ません。衆生無辺誓願度 ですか、そうしたスケールの大きな人類愛とでもいうようなものがその経営哲学の基礎の部分にあるように感じます。

今の日本には、その大乗の思想とでもいうものが十分ではないようです。現在ほど、第二、第三の稲盛さんのようなリーダーが日本に必要な時期はないのではないか、と感じた次第です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする