外に置いている水槽の底には赤虫がいる。泥のトンネルのような棲み処を作り、それをこそげ剥がすと中に必ずいる。ネット仲間によれば、自宅で赤虫を調達できるのはすごいことらしい。ウチは食卓に置いている水槽にさえユスリカの幼虫である赤虫が発生しているのだ。
赤虫は釣り具店で釣り餌として生きているのを扱っているほかに、熱帯魚の餌用にペットショップで冷凍赤虫や乾燥赤虫などとして売っているようだ。家庭排水の流れるドブ溝に大量発生していて、泥の中から半身を出してゆらゆらしているのを子供の頃によく見たので、買ってまでという気にどうしてもなれない。
家の中の水槽の赤虫は発見次第、スポイトで吸い取る。このスポイトは家庭用石油ストーブを仕舞う時に石油タンク内に残る少量の油を吸い取るためのもので百均店で見つけたもの。
吸い取った赤虫はカジカにやるのだが、いつもと違う赤虫がいた。普通は美しいヘモグロビンの赤と言おうか鮮血色なのだが、暗赤色に濁った採血の時の色で、マッチの軸のような黒い頭?から白いカビが生えたような形状なのだ。いかにも蛹になってる途中です・・・という感じだ。
違う赤虫なのだろうか?調べても判らなかったので、カジカにはやらずに、蛹から羽化するまでを観察することにした。泥の巣にいる赤虫の大きいものと比較するとサイズが3分の2程度しかない。しかし頭が大きくなっているから変態途中でこのようになるのかも知れない。
ボウフラに似ている。ユスリカとカは全然種類が違うのだそうだが、成虫が似ているからには途中で似てくるわけだ。U字になって、尻と頭をくっつけようとする屈伸運動をずっと続けている。
やがて、いつのまにかその動きもやめていて、真っすぐの寸足らずのマッチ棒になった。蛹になったようで、動かずに浮いていた。カビが生えたように白いオーラが出ている。これは、しかし2~3日して気づいた時には抜け殻になっていた。
以前にコガタスズメバチの幼虫が蛹になりそうになるまで育てた。あの時は蛹になったかなと思っていたら、死んで干乾び黒くなってしまっていたのだが、今回はさっさと羽化してしまったようだった。だったというのは、観察するための箱を手造りして、紙を載せて羽化したのが逃げないようにしていたつもりだったのだが・・・。実はまた2匹オーラの出たヤツを見つけたので、観察を始めたところだ。
水槽をぼんやり観ていた時に、異様な動きの奇妙なものが泳ぐのをみつけた。天女が羽衣をなびかせて空中を舞う感じなのだ。一瞬、妖精!とひらめいた。ファンタジーな勘違いだ。しかしようせいではあった。
何かの幼生。薄茶色で、身体全体を横にしなわせて泳ぐ。しっぽには3本の毛のような長い飾り。大きさは全長で1.5センチ余り。虫眼鏡で見れば、前の方に細い足が6本。頭の両側に唐子人形のように髪を丸くしたのが付いていて・・・とこれは眼のようなのである。イトトンボのヤゴであった。
これは、水槽内のヒメダカが目敏く見つけて、手を出したが、いや、口を出してくわえようとした。一瞬吸い込まれそうになりながらも、ヤゴは事なきを得た。そうかそういうことなのかと納得するものがあった。
イトトンボの長い尾。あれはヤゴの時には横に振る推進装置であり、その先の長い毛は身体を大きく見せるためであり、あの張り出した眼や身体全体が他の水生生物に飲み込まれにくくするためである、のだなと思った。
それにしても、外に水槽を持ち出した時に、イトトンボが卵を産みつけたか、沼で採ってきた水草に付いてきたか、これは放ってはおけない。掬い上げて隔離した。この水槽にいては危ないと判断した。
オニヤンマなんかのヤゴなら逆にヒメダカがどんどん食われそうだ。ヤゴという音は、あのシェークスピアの悲劇『マクベス』のイヤーゴを想いだすではないか。あの卑劣漢。それにしてはイトトンボのヤゴのなんと、かそけくたおやかな姿。ウチで救われた妖精のヤーコは見守っていくつもりだ。だんだん色が焦げ茶になってきて少し容色は落ちてきた。
赤虫は釣り具店で釣り餌として生きているのを扱っているほかに、熱帯魚の餌用にペットショップで冷凍赤虫や乾燥赤虫などとして売っているようだ。家庭排水の流れるドブ溝に大量発生していて、泥の中から半身を出してゆらゆらしているのを子供の頃によく見たので、買ってまでという気にどうしてもなれない。
家の中の水槽の赤虫は発見次第、スポイトで吸い取る。このスポイトは家庭用石油ストーブを仕舞う時に石油タンク内に残る少量の油を吸い取るためのもので百均店で見つけたもの。
吸い取った赤虫はカジカにやるのだが、いつもと違う赤虫がいた。普通は美しいヘモグロビンの赤と言おうか鮮血色なのだが、暗赤色に濁った採血の時の色で、マッチの軸のような黒い頭?から白いカビが生えたような形状なのだ。いかにも蛹になってる途中です・・・という感じだ。
違う赤虫なのだろうか?調べても判らなかったので、カジカにはやらずに、蛹から羽化するまでを観察することにした。泥の巣にいる赤虫の大きいものと比較するとサイズが3分の2程度しかない。しかし頭が大きくなっているから変態途中でこのようになるのかも知れない。
ボウフラに似ている。ユスリカとカは全然種類が違うのだそうだが、成虫が似ているからには途中で似てくるわけだ。U字になって、尻と頭をくっつけようとする屈伸運動をずっと続けている。
やがて、いつのまにかその動きもやめていて、真っすぐの寸足らずのマッチ棒になった。蛹になったようで、動かずに浮いていた。カビが生えたように白いオーラが出ている。これは、しかし2~3日して気づいた時には抜け殻になっていた。
以前にコガタスズメバチの幼虫が蛹になりそうになるまで育てた。あの時は蛹になったかなと思っていたら、死んで干乾び黒くなってしまっていたのだが、今回はさっさと羽化してしまったようだった。だったというのは、観察するための箱を手造りして、紙を載せて羽化したのが逃げないようにしていたつもりだったのだが・・・。実はまた2匹オーラの出たヤツを見つけたので、観察を始めたところだ。
水槽をぼんやり観ていた時に、異様な動きの奇妙なものが泳ぐのをみつけた。天女が羽衣をなびかせて空中を舞う感じなのだ。一瞬、妖精!とひらめいた。ファンタジーな勘違いだ。しかしようせいではあった。
何かの幼生。薄茶色で、身体全体を横にしなわせて泳ぐ。しっぽには3本の毛のような長い飾り。大きさは全長で1.5センチ余り。虫眼鏡で見れば、前の方に細い足が6本。頭の両側に唐子人形のように髪を丸くしたのが付いていて・・・とこれは眼のようなのである。イトトンボのヤゴであった。
これは、水槽内のヒメダカが目敏く見つけて、手を出したが、いや、口を出してくわえようとした。一瞬吸い込まれそうになりながらも、ヤゴは事なきを得た。そうかそういうことなのかと納得するものがあった。
イトトンボの長い尾。あれはヤゴの時には横に振る推進装置であり、その先の長い毛は身体を大きく見せるためであり、あの張り出した眼や身体全体が他の水生生物に飲み込まれにくくするためである、のだなと思った。
それにしても、外に水槽を持ち出した時に、イトトンボが卵を産みつけたか、沼で採ってきた水草に付いてきたか、これは放ってはおけない。掬い上げて隔離した。この水槽にいては危ないと判断した。
オニヤンマなんかのヤゴなら逆にヒメダカがどんどん食われそうだ。ヤゴという音は、あのシェークスピアの悲劇『マクベス』のイヤーゴを想いだすではないか。あの卑劣漢。それにしてはイトトンボのヤゴのなんと、かそけくたおやかな姿。ウチで救われた妖精のヤーコは見守っていくつもりだ。だんだん色が焦げ茶になってきて少し容色は落ちてきた。
すくってポィ! してます。無表情で。
ウチでも、その後2匹発見しました。
ずんぐりしてないので、メダカを食うまでの大きさにならないのではないか・・・と希望的観測をして観察しています。
いろいろ実験もしています。
面白いね。水棲生物水槽楽団!