散歩中に『おっ』と思って撮ろうとしても、公共施設以外の個人の家のものは、カメラを向けにくい。
花盗人は罪にならないとか、風流のうちとか何とかいう言い方もあるし、『きれいだなぁ』と花を撮るのは咎められないだろう。
それにしても、居ないことを見澄まして撮るのは、やはり覗き見気分の逃げ腰。
昨日は、花を育てるのが好きでしかたないといった感じのお宅の玄関前入口段々を素早く撮った。
菫の類だろうか、他所では観たことのない小さな花を塀の外にあるレンガ花壇に咲かせていて、その種がこぼれたのか、敷きレンガの隙間にも生えて咲いていた。
踏まないようにと、この家の皆が気をつけている様子も想像できて、なかなかに良い感じなのだ。
一方、別の住宅地の敷地では、フェンスもなく開けっぴろげに道路から見える庭か畑地が、防草シートで一面覆われていた。
区画割りされた分譲地ではなく、宅地開発される以前からの先住民らしい敷地で、奥の家屋はおそらく無人か年寄り独り暮らしの感じ。
庭や花壇の体裁は保てず畑仕事も出来ないなら、荒れ放題の藪になってしまう前に全て薙ぎ払ってシートを被せたら世話いらずという事のようだ。
手入れが良くされてあったり、荒れていたり、その加減によってそれぞれの事情も垣間見えてしまうものかなどと思いつつ、空を見上げれば昼行灯のような月。