■ 久しぶりに立ち寄った書店で『カーサ ブルータス』を買い求めた。丹下健三特集だと知ればやはり自分の書棚に欲しい。
日本を代表する建築家をひとりだけ挙げよといわれれば、私は迷うことなく丹下健三を挙げる。作家なら夏目漱石、歌手なら美空ひばり、スポーツ選手なら長嶋茂雄。
『カーサ ブルータス』に戻ろう。上空から撮影された第一体育館と第二体育館の写真が掲載されている。両体育館は親子か夫婦のようにも見える。これほど互いに呼応しあう建築を他に知らない。やはり丹下健三の代表作、といっていいだろう。
学生時代に四国に出かけた際見学した香川県立体育館も印象に残っている。舟を空中に持ち上げたような外観に驚いた。構造的にも創意工夫があって実現した形だろう。
「代々木」とほぼ同時期に設計され、竣工は「代々木」と同じ1964年、東京オリンピックが開催された年だ。
丹下健三は海外にも多くの作品を残したが、やはり国内の、それも初期のものの方が断然「美しい」。
**生涯「建築家として都市をデザインすること」に関心を抱きつづけた。その情熱のよってくるところは何だったのか?**と藤森さんが書いている。確かに興味深いテーマだが、解き明かされることはおそらくないだろう・・・。