世界地図に名前を残したたった一人の日本人
■ 今からちょうど200年前、当時半島なのか島なのか不明だった(樺太半島説が有力だった)樺太を二度探検して、半島ではなく島であることを確認した世界最初の人物、間宮林蔵。彼の生涯を描いた吉村昭の長編小説『間宮林蔵』/講談社文庫を読み終えた。
世界の果てともいわれていた樺太、間宮林蔵の調査の旅は困難を極めた。彼の人生の前半はこの奇跡の調査行によって役人からも街の人々からも畏敬の目でみられるが、幕府の隠密として生きた後半は、どうも芳しくないように思えた。シーボルト事件の密告者と噂され、転居を繰り返さなければならないほど世間の冷たい視線を浴びる。
悲しみを癒そうと久しぶりに訪れた生家、両親が亡くなって空家となっていた生家は朽ち果てていた・・・。人生の明暗、浮き沈み・・・。
久しぶりに読んだ吉村昭。新潮文庫に収録されている作品はほとんど読んだが、講談社文庫は初めて。間宮林蔵の晩年の孤独感を味わうには秋に読むのがいいかもしれない。
■ 今からちょうど200年前、当時半島なのか島なのか不明だった(樺太半島説が有力だった)樺太を二度探検して、半島ではなく島であることを確認した世界最初の人物、間宮林蔵。彼の生涯を描いた吉村昭の長編小説『間宮林蔵』/講談社文庫を読み終えた。
世界の果てともいわれていた樺太、間宮林蔵の調査の旅は困難を極めた。彼の人生の前半はこの奇跡の調査行によって役人からも街の人々からも畏敬の目でみられるが、幕府の隠密として生きた後半は、どうも芳しくないように思えた。シーボルト事件の密告者と噂され、転居を繰り返さなければならないほど世間の冷たい視線を浴びる。
悲しみを癒そうと久しぶりに訪れた生家、両親が亡くなって空家となっていた生家は朽ち果てていた・・・。人生の明暗、浮き沈み・・・。
久しぶりに読んだ吉村昭。新潮文庫に収録されている作品はほとんど読んだが、講談社文庫は初めて。間宮林蔵の晩年の孤独感を味わうには秋に読むのがいいかもしれない。