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『旅はゲストルーム 測って描いたホテルの部屋たち』浦 一也(光文社知恵の森文庫2004年初版1刷発行)
■ 著者の浦 一也氏は建築家・インテリアデサイナー。旅先でホテルにチェックインを済ませると、浦氏はまず部屋の中の写真撮影と実測をし、部屋の平面や断面、家具や備品、さらにディテールから色彩まで調べ尽くして1/50のスケールで上のようなスケッチというか、記録をとり、水彩絵の具で着色するそうだ。要する時間は約1時間半から2時間だという。**私にとって旅とは、ゲストルームを測り描く、いわばホテル探検の旅でもある。**(6頁)と書いておられる。
旅行というと事前にガイドブックで見たりインターネットで調べたものを現地で確認し、それを写真を撮って、あるいはそれをバックに写真を撮ってもらって満足。と、このようになりがちだが、浦氏のような「自分だけの旅」ができたらすばらしいと思う。
この本には世界のあちこちのホテルの客室の彩色された詳細図(詳細画かな)や風景スケッチが多数掲載されている。それらを見るだけでも楽しい。
ぼくも旅行には必ずスケッチブックを持っていこう。