透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「空間の日本文化」オギュスタン・ベルク

2020-08-22 | H ぼくはこんな本を読んできた



 日本論、日本人論は読みたくなる。外国人によって書かれたものはなおさらだ。古くは戦後まもなく出版された名著『菊と刀』はじめ何冊も読んできた。過去ログ 過去ログ2 『空間の日本文化』オギュスタン・ベルク(ちくま学芸文庫2011年第9刷発行)もその内の1冊。

**フランス日本学の若き第一人者による画期的な日本論。日本語の構造、心のありよう、家族・企業などの組織原理、都市空間、土地利用など、日本文化特有の有機的な空間性を多面的に検証し、統一的な視座を提出する。外部からの光により浮き彫りにされる日本的空間の全体像。** 

ここに引用した本書解説文から分かるように論考対象が限定的ではなく多岐に亘っている。そしてそれらを横刺しにして論じている。やはりどんな研究分野であれ、総体、全体像を示すという作業は欠かせない。


 


1247 大町市大町の火の見櫓

2020-08-22 | A 火の見櫓っておもしろい


1247 大町市大町(大原町公民館)3脚66型 撮影日2020.08.21

 中型の火の見櫓。末広がりの櫓形状。外付け梯子に落下防止安全カゴがついているが、これは大町辺りでは標準装備。見張り台の手すりのところに消火ホースを引き上げるための滑車が付いている。ここまでの高さがおよそ10m、と推測してよいだろう。



6角形の見張り台だが、梯子を付けているところの形はイレギュラー。梯子を櫓内に納め、見張り台の形が整っていた方が見た目は好ましい。



トラス型の脚3本。やはりこのような脚が好ましい。自重をしっかり支え、安定しているということが視覚的にもよく分かるから。



落下防止安全カゴの下端の様子。これがあると梯子を上り下りする時の恐怖感が和らぐと思う。

丸鋼のブレースのターンバックルはリング式ではなく、割り枠式。やはり意匠的、そう、あくまでも意匠的にだがブレースの交叉部に輪っか、リング式が断然好い。