「宿木 亡き八の宮が認めなかったひとりの娘」
■ 匂宮と薫。匂宮は夕霧の娘・六の宮の婿になった。妻の中の君はこのことを知り、宇治を出たことを悔いた。結婚も宇治を出ることもしなかた姉の大君は正しかった、と妹の中の君は思った。
匂宮はしぶしぶ六の宮と結婚したが、しだいに六の宮に惹かれていった。で、匂宮は次第に中の宮が暮らす二条院から足が遠のく。中の君は悲観し、結婚の仲立ちをした薫も心外に思っていた。
中の宮は宇治に帰りたいと思い、薫に私をスキーに、いや、宇治に連れてってと頼む。この時、薫は中の宮の部屋に入り込んで、言い寄った。だが、中の宮が腹帯をしているのに気が付いて、自制した。
久しぶりに中の宮に会った匂宮は中の宮の懐妊を知って喜びながらも薫の残り香に気が付いて・・・。**「こんなに残り香が染みついているのなら、何もないはずはないね」**(286頁)と中の宮を責めたてた。
翌春。中の宮は男の子を出産した。で、社会的に認められることになった。
匂宮が結婚し、薫も女二の宮と結婚した(婿となった)。四月のはじめ頃、女二の宮を三条宮に迎えることにした。だが、いまだに大君が忘れられず、大君に似ている中の君をしばしば訪ねていた。薫の懸想を疎ましく思う中の君は大君とうりふたつの異母妹(浮舟)がいることを薫に話した。
ある日、宇治を訪ねた薫は山荘に立ち寄った浮舟をのぞき見た・・・。偶然の出来事。ドラマ化するなら、大君と浮舟はひとりの俳優(今は女優とはあまり言わないようだ)が演ずるだろう。一人二役。
ようやく浮舟登場。面白い展開になってきた・・・。
1桐壺 2帚木 3空蝉 4夕顔 5若紫 6末摘花 7紅葉賀 8花宴 9葵 10賢木
11花散里 12須磨 13明石 14澪標 15蓬生 16関屋 17絵合 18松風 19薄雲 20朝顔
21少女 22玉鬘 23初音 24胡蝶 25蛍 26常夏 27篝火 28野分 29行幸 30藤袴
31真木柱 32梅枝 33藤裏葉 34若菜上 35若菜下 36柏木 37横笛 38鈴虫 39夕霧 40御法
41幻 42匂宮 43紅梅 44竹河 45橋姫 46椎本 47総角 48早蕨 49宿木 50東屋
51浮舟 52蜻蛉 53手習 54夢浮橋