穂積重遠「新訳孟子」(講談社学術文庫)届く。
その「はしがき」のはじまりを引用
(ちなみに、この本は昭和23年3月に
初版が世に出ると解説にあります)。
「新学制いわゆる六三制の下級中学では、
一般に漢文の課目がなくなるらしい。
それを置く学校でも、まず一週一時間ぐらいか。
他方漢字制限もあり、ともかくも今後の若い人たちの
漢文を読む力はいちじるしく弱くなる。
弱くなるというよりも、特別な勉強をした者
でない限り、漢文は読めなくなるものと思わねばなるまい。
私はそれが悪いというのではない。
新日本建設にモット大事な教育課目充実のために、
漢文は普通教育においては割愛されて然るべきであり、
また漢字制限は私のかねての持論でもある。
それ故、私は学校教育における漢文の廃止、
または減少を悪いとは思わぬが、ただ惜しいと思う。
漢文そのものが惜しいのではない。
漢文に盛られ来(きた)り、漢文によって養われ来った
思想と文学とが惜しいのだ。
・・・・
漢文を採用し漢文が渡来したおかげで、
日本の思想と文学とがどんなに豊富になったかを
感謝すべきだと思う。」
とはじまっている「はしがき」23ページ。
私は、ここを読んだだけで、もう満腹。
さきへと読みすすめない(笑)。
その「はしがき」のはじまりを引用
(ちなみに、この本は昭和23年3月に
初版が世に出ると解説にあります)。
「新学制いわゆる六三制の下級中学では、
一般に漢文の課目がなくなるらしい。
それを置く学校でも、まず一週一時間ぐらいか。
他方漢字制限もあり、ともかくも今後の若い人たちの
漢文を読む力はいちじるしく弱くなる。
弱くなるというよりも、特別な勉強をした者
でない限り、漢文は読めなくなるものと思わねばなるまい。
私はそれが悪いというのではない。
新日本建設にモット大事な教育課目充実のために、
漢文は普通教育においては割愛されて然るべきであり、
また漢字制限は私のかねての持論でもある。
それ故、私は学校教育における漢文の廃止、
または減少を悪いとは思わぬが、ただ惜しいと思う。
漢文そのものが惜しいのではない。
漢文に盛られ来(きた)り、漢文によって養われ来った
思想と文学とが惜しいのだ。
・・・・
漢文を採用し漢文が渡来したおかげで、
日本の思想と文学とがどんなに豊富になったかを
感謝すべきだと思う。」
とはじまっている「はしがき」23ページ。
私は、ここを読んだだけで、もう満腹。
さきへと読みすすめない(笑)。