和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

漢文の課目がなくなるらしい。

2016-03-05 | 前書・後書。
穂積重遠「新訳孟子」(講談社学術文庫)届く。
その「はしがき」のはじまりを引用
(ちなみに、この本は昭和23年3月に
初版が世に出ると解説にあります)。

「新学制いわゆる六三制の下級中学では、
一般に漢文の課目がなくなるらしい。
それを置く学校でも、まず一週一時間ぐらいか。
他方漢字制限もあり、ともかくも今後の若い人たちの
漢文を読む力はいちじるしく弱くなる。
弱くなるというよりも、特別な勉強をした者
でない限り、漢文は読めなくなるものと思わねばなるまい。
私はそれが悪いというのではない。
新日本建設にモット大事な教育課目充実のために、
漢文は普通教育においては割愛されて然るべきであり、
また漢字制限は私のかねての持論でもある。
それ故、私は学校教育における漢文の廃止、
または減少を悪いとは思わぬが、ただ惜しいと思う。
漢文そのものが惜しいのではない。
漢文に盛られ来(きた)り、漢文によって養われ来った
思想と文学とが惜しいのだ。
・・・・
漢文を採用し漢文が渡来したおかげで、
日本の思想と文学とがどんなに豊富になったかを
感謝すべきだと思う。」

とはじまっている「はしがき」23ページ。
私は、ここを読んだだけで、もう満腹。
さきへと読みすすめない(笑)。
コメント
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