和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

夏の詩歌。

2016-08-06 | 詩歌
古新聞が積み上げられ、それでなくても、
暑苦しさが倍加しておりました(笑)。
ということで、
古新聞の整理。

読売歌壇・俳壇のページは、
ページごと切り抜きます(笑)。

うん。夏の詩歌は気になる。
たとえば、古今和歌集での夏の歌は
「ほとんど九割近くがほととぎすの歌で
占められていますので・・」
とは大岡信氏の言葉。

はい。夏の詩歌を見つけるたのしみ。

7月4日読売歌壇
小池光選のはじまりに

 その裏に商店の名を記したる
  房州団扇のなつかしきかな

  館山市・山下祥子

【評】むかし夏になればお店の団扇(うちわ)が
配られた。どの団扇の裏面にも商店の名前が書かれ
ていた。思えば実になつかしい。いまはみんな
クーラーで夏をしのぐ。なにか味気ない。

同日の読売俳壇
宇多喜代子選のはじまり

 夏の川足裏を伝ふ水の色
 
   周南市・篠原淳一

【評】川に足を浸している。浅瀬に立って
いるのかもしれない。足裏に感じる川水の
うごめき。その心地よい感触を『水の色』
と表現した。

7月18日読売歌壇
栗木京子選のはじまり

 夏めく日町に一つの本屋さん
 A4一枚の閉店通知
 
  富岡市・宮前咲恵
 
【評】個人経営の書店だったのだろう。
通知一枚の素っ気なさで閉店してしまった。
町に一つの心のオアシスだったのに。
『A4一枚』と紙のサイズを明示したことで
実感が出た。

7月25日読売俳壇
宇多喜代子選の二番目

 魚跳んでゐる江戸川の夏の月

  習志野市・吉田信雄

【評】まことに涼しげだ。
一枚の浮世絵のような景である。
夏以外の月では絵にならないだろう。

同じ日の読売俳壇
正木ゆう子選の三番目

 花の名をひとつ解明夏の路地
  
  大阪市・谷口進

【評】名前を知ると人も親しくなるように、
花も名を知ると印象が鮮明になる。
『解明』がおもしろい。ずっと
気になっていた花なのだろう。



片づける古新聞に夏の詩を思いもかけず読める楽しみ。
コメント (2)
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