梅棹忠夫著「知的生産の技術」が最近の寝床のお供。
ひらいた数ページをパラパラ読み。
この頃は、目ざめたら、寝起きにパラリ。
寝床で腰痛体操をして、それから起きる。
なかでも「こざね法」の箇所は、お気に入り。
ということで引用。
「こざね法というのは、いわば、頭のなかのうごきを、
紙きれのかたちで、そとにとりだしたものだということができる。
それはちょうど、ソロバンのようなものである。
ソロバンによる計算法は、けっきょくは暗算なのだが、
頭のなかのうごきを、頭のそとでシュミレートしてみせるのが、
ソロバンの玉である。こざね法は思想のソロバン術で、
一枚一枚のこざねは、ソロバン玉にあたる。
この方法のいいところは、
創造的思考をうながすことであろう。
ばらばらな素材をながめて、
いろいろとくみあわせているうちに、
おもいもよらぬあたらしい関係が発見されるものである。
もうひとつ、文章という点からいってたいせつなことは、
この方法でやれば、だれでも、いちおう論理的で、
まとまった文章がかける、という点である。
天成の文章家には、こんな技術はまったく不必要であろう。
これは、凡人のための文章術である。」(p205)
うん。『凡人のための文書術』というのがうれしい。
本棚をつくって、そこに本を並べていると、
欲がでて、本の並べかえをしたくなります。
せっかく、余分の棚をつくったのだから、
ところどころ、余白の棚をもうければと、
思うのですが、これは、まあ、おあずけ。
本には参考文献というのがある。
本棚の本を、並べかえていると、
まるで、参考文献を組立て直し、
まだ見ぬ本を空想している気分。
そういえば、「知的生産の技術」本文に、
さりげなく、人や本の紹介がありました。
新書でいえば
加藤秀俊著「整理学」中公新書
川喜田二郎著「発想法」中公新書
小泉信三著「読書論」岩波新書
「私の読書法」岩波新書
私が読んだのは、「整理学」だけなので、
他の3冊もこの機会に、ひらいてみたい。
それにしても読書への興味は、
寄せては返す波のようですね。
読もうという興味が寄せてくるかと思えば、
いつのまにか、スーッと引いてしまってる。
それなのに、『知的生産の技術』のところには、
どうしてか、波が寄せてくる頻度がおおくって、
この新書は、本の整理のたびに思い浮かぶ一冊。