芥川也寸志編・安野光雅絵「歌の絵本」講談社の
古本が今日届く。すかさず届く本は嬉しいですね。
さっそくひらく。1ページに歌詞が1つなのですが、
数ページゆくと、見開き両方に海が上から3分の2ほどひろがる
下の方が砂浜で、一番下は谷内六郎ふうの漁村の屋根が並んでいます。
列車に乗っていて、思わず海岸線が見渡せたような高揚感がありました。
そこには文部省唱歌の『我は海の子』が六番までと、残りの箇所には
「松原とおく さゆるところ」とはじまる『海』が載っておりました。
はい。次のページはといいますと、見開きが下から砂山が3分の2ほど
見開きの左が砂山の山にあたり、右のページへゆくにしたがって傾斜し
そこに海がひろがりかけている。
その右ページは、「うみはひろいな おおきいな」とはじまる『うみ』。
その左ページは、北原白秋の『砂山』。
まあ、とりあえずパラパラとめくってゆくと、
ありました、野口雨情の『しゃぼん玉』。
ちくまプリマー新書「世にも美しい日本語入門」で
藤原正彦さんが、シャボン玉の歌詞を引用したあとに
「これは野口雨情が、長女をわずか七日で亡くした時に作ったものです。
この話を聞いてから、この歌を聞くたびに目頭が熱くなります。」(p93)
最後には、楽譜のページがあるのですが、
その前に、芥川也寸志氏の1ページの文がありました。
その芥川氏の文の最後はというと、
「 この歌の絵本は、いわば、ああ、いいなあ・・ということを、
人一倍強く感じている畏友安野光雅さんの発案になるもので、
私はただ、安野さんの尻馬に乗ったにすぎない。
しかし、こんなすばらしい絵本を作るおてつだいができて、
私はいま、幸福感に満たされている。どうか、安野さんの絵を
じっくりとごらんになり、そこに載っている歌を、
しみじみと味わいながら歌ってみていただきたい。 」(p33)
うん。てっきり五月の連休明けかなあと思っていたので、
思いがけない贈り物が届いたようで、うれしくなります。
はい。最後に
しゃぼん玉
一 しゃぼん玉とんだ
屋根までとんだ
屋根までとんで
こわれて消えた
二 しゃぼん玉消えた
とばずに消えた
うまれてすぐに
こわれて消えた
風風吹くな
しゃぼん玉とばそ