和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

ああ、いいなあ・・。

2023-05-02 | 詩歌
芥川也寸志編・安野光雅絵「歌の絵本」講談社の
古本が今日届く。すかさず届く本は嬉しいですね。

さっそくひらく。1ページに歌詞が1つなのですが、
数ページゆくと、見開き両方に海が上から3分の2ほどひろがる
下の方が砂浜で、一番下は谷内六郎ふうの漁村の屋根が並んでいます。
列車に乗っていて、思わず海岸線が見渡せたような高揚感がありました。

そこには文部省唱歌の『我は海の子』が六番までと、残りの箇所には
「松原とおく さゆるところ」とはじまる『海』が載っておりました。

はい。次のページはといいますと、見開きが下から砂山が3分の2ほど
見開きの左が砂山の山にあたり、右のページへゆくにしたがって傾斜し
そこに海がひろがりかけている。
その右ページは、「うみはひろいな おおきいな」とはじまる『うみ』。
その左ページは、北原白秋の『砂山』。

まあ、とりあえずパラパラとめくってゆくと、
ありました、野口雨情の『しゃぼん玉』。

ちくまプリマー新書「世にも美しい日本語入門」で
藤原正彦さんが、シャボン玉の歌詞を引用したあとに

「これは野口雨情が、長女をわずか七日で亡くした時に作ったものです。
 この話を聞いてから、この歌を聞くたびに目頭が熱くなります。」(p93)

最後には、楽譜のページがあるのですが、
その前に、芥川也寸志氏の1ページの文がありました。
その芥川氏の文の最後はというと、

「 この歌の絵本は、いわば、ああ、いいなあ・・ということを、
  人一倍強く感じている畏友安野光雅さんの発案になるもので、

  私はただ、安野さんの尻馬に乗ったにすぎない。
  しかし、こんなすばらしい絵本を作るおてつだいができて、

  私はいま、幸福感に満たされている。どうか、安野さんの絵を
  じっくりとごらんになり、そこに載っている歌を、
  しみじみと味わいながら歌ってみていただきたい。 」(p33)


うん。てっきり五月の連休明けかなあと思っていたので、
思いがけない贈り物が届いたようで、うれしくなります。

はい。最後に

        しゃぼん玉  

   一 しゃぼん玉とんだ
     屋根までとんだ
     屋根までとんで
     こわれて消えた

   二 しゃぼん玉消えた
     とばずに消えた
     うまれてすぐに
     こわれて消えた

     風風吹くな
     しゃぼん玉とばそ  



コメント
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