古本で200円。キケロ著「老年の豊かさについて」(法蔵館1999年)。
訳者は、八木誠一・八木綾子。
はい。題名にひかれて買った単行本です。
うん。読む読まないは別にして(笑)。
まず、「はしがき」のはじまりを引用。
「気がついたら老境に入っていた。
気の早い友人はぼつぼつ旅立ち始め、
からだの故障にいたっては、無いという人のほうが珍しい。
かくいう私ども夫婦も、共に癌の経験者、
いつまで二本足で歩いていられるか定かでない。
よって人並みに働けるうちに、なにか老境にふさわしい
仕事をしてみようかと思い立ったのが、
キケロ『老年論』の翻訳である。
わが国はやがて世界有数の老人国になることだし、
老年もさまざまに論じられている状況だから、
この分野での古典の訳も、本邦初訳というわけではないけれど、
まんざら無駄ではあるまいと考えたわけで、
幸い法蔵館が出版を受けてくれた。・・・ 」
ちなみに、八木誠一氏は1932年生まれ。
八木綾子さんは1930年生まれ。
ちょうど、60歳代後半最後の頃の訳。
「あとがき」は、5行ほどで短い。
こちらも、最後の2行をカットして引用することに。
「ラテン文学は、ギリシャ文学とは違い、
あまり青年向きではないように思われる。
情熱と冒険というよりは、経験と常識の産物で、
華麗ではないが滋味があり、
年配の人の静かな共感を呼ぶのである。
本書もそういう意味で現代に語りかけ、
読者を人生についての省察に誘うだろう。・・・ 」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます