古本でも、始めてひらく私にはいつでも新刊本。
それに古本なら安さが段ちがい。安さは気楽さ。
気楽さこそ読書のたのしみ。
たとえ、線がひいてあろうとも。シミで汚れていようとも。
いつでも僕には新刊本。惜しげなく読み捨てられる醍醐味。
いつのまにかその活字の断片がどこかとつながったりして。
ということで、明日になったらまた古本が届きます。
こうして書きこむと、古本を読む、たのしみが倍増。
楽しく買って楽しく読む。そして楽しさの御裾分け。
活字が活字を呼び僕にも伸びしろがあると思わせる。
はい。今朝思い浮かんだことをこうしてメモります。
今日がよい一日でありますように。
本が届いて最初のページを繰る喜びは古本も新本もかわりません。徒然草にも、そんなことが書かれてありましたね。
わたしは、本ほど値段があってないものはないと思います。内容には値段がつけられませんから。
コメントありがとうございます。
さあ、明日また古本が届く。
さて、先週の古本をひらく。
キケロ「老年の豊かさについて」。
これは、二人の青年が質問をして
聞き出す形式となっているようです。
前の持ち主が線を引いた箇所を引用。
「スキピオ君、ラエリウス君、
老年に対抗する最良の武器は、
もろもろのよき能力を磨き
行使しておくことなんだ。
そういう能力は、一生を通じて養われると、
長く充実した人生の終わりに驚くべき実を結ぶものだ。
これは生涯の最後の時でさえ人を見捨てないんだからねえ。
とても大切なことだよ、これは。
だがそればかりではない。
人生をよく生きてきたという自覚や多くの
よき行ないの思い出は大変快いものなのだ。」
(p19)
はい。前の持ち主が、線を引いた箇所でした。
何か、ここここと指し示しておられるようで。
始めて開くだけのパラリ読みでも気がかりに。
もろもろのよき能力を磨き行使しておくことなんだ。
そういう能力は、一生を通じて養われると、
長く充実した人生の終わりに驚くべき実を結ぶものだ」
うん、うん、なるほどですね。
本は読む人それぞれにとって価値は異なるというようですが、
どんな種もまかなければ芽を出さず、実も結ばない…。
おすそ分けをいただき、こんなこと思いました。
コメントありがとうございます。
『いただきます』とあったので、
本棚から詩集をとりだしてくる。
長田弘「食卓一期一会」晶文社。
詩を引用したくなります。
どこを引用しようかなあ。
そういえば、大根の季節。
ふろふきの食べかた 長田弘
自分の手で、自分の
一日をつかむ。
新鮮な一日をつかむんだ。
スがはいっていない一日だ。
手にもってゆったりと重い
いい大根のような一日がいい。
それから、確かな包丁で
一日をざっくりと厚く切るんだ。
・・・・・・
・・・・・・
・・・
自分の手で、自分の
一日をふろふきにして
熱く香ばしくして食べたいんだ。
熱い器でゆず味噌で
ふうふういって。
はい。手にあまるので、
詩の最初と最後と引用。