和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

日本のための五冊。

2015-06-01 | 書評欄拝見
雑誌「正論」6月号が今日発売。
さっそく、ぱらり。
まず、興味を惹いたのは、
「【戦後70年企画】
 戦後思潮を考える・保守編
 日本のための五冊」
という特集でした。
西尾幹二・潮匡人・小川榮太郎
浜崎洋介の四人が各五冊をあげて
説明しておりました。

西尾幹二氏は、こうはじめております。

「戦後七十年、最も代表的な思想家と
いうと、私の場合には小林秀雄、
福田恆在、竹山道雄の名が挙げられる。
他の代替例は考えられない。三者は
私が人生の出発点で出会った思想家
というものの原型である。亀鑑として
仰いだ先達である。今もそこから湧き出す
思索の泉は限りない。しかし今はむしろ
もう読まないように努めている。
禁欲的にしている。・・・・」


四人のなかで、私に興味深かったのは
小川榮太郎氏の五冊でした。
そこだけ列挙してみると

①『鮮やかに生きた昭和の100人』
(文藝春秋90年記念2013年5月臨時増刊号)
②池波正太郎『鬼平犯科帳』(文春文庫)
③長谷川町子『サザエさん』(朝日新聞社)
④白洲正子『いまなぜ青山二郎なのか』
(新潮文庫)
⑤郡司勝義『小林秀雄の思ひ出』
(文春学芸ライブラリー)

ここには、
『小林秀雄の思ひ出』から引用されている
小林氏の言葉をそのままに引用。


「僕なんか、
ただ一介の職人にしかすぎません。
僕らの使ふ道具といへば言葉です。
先づ、これを使ひこなさなくちゃいけませんね。
まあ、芸といつてもいいでせう、
すべてを忘れて一心不乱にその芸を磨くんです。
ただ、ひたすら腕を磨くだけです。
こちらから出かけて行つて、ああだこうだと
私が意味をつけるんではないんです、
どうやつたら向うが心を開いて
此方へ語りかけてくれるか。
ぢつと辛抱して待たなくてはならないんです。
それだけが人間を大きくしてくれるんです。」


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