和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

きょうは暇だから。

2018-04-08 | 温故知新・在庫本
以前に読んですっかり忘れていた本。
そんな本をたまには取りだす。

パラリとひらくのは
丸谷才一著「思考のレッスン」(文芸春秋)

読んだときは、
何度も読み返そうと思っていて、
そのまま本棚に置いたままでした(笑)。

さてっと、
パラリとひらくと。

「自分が読んだ本で、『これは大事だ』
という本がありますね。
あるいは、一冊の本の中で、『これは大事だ』
という章がある。そういうものは、
何度も読むことが大切ですね。
繰り返し読んだり、
あるいは何年か間隔をおいて読む。」
(p135)

はい。「何年か間隔をおいて読む。」
手持ちのこの本は1999年発行とある。
もうすぐ20年が過ぎようとしてる。


また、パラリ。

「きょうは暇だから本を読もうというのは、
あれは間違いです。
きょう暇だったら、
のんびりと考えなくちゃあ。
考えれば何かの方向が出てくる。
何かの方向が出てきたら、
それにしたがってまた読めばいい。

そして、考えたあげく、
これは読まなければならない本だとわかれば、
毛嫌いしていたサドでも、徳富蘇峰でも、
その必要のせいでおもしろく読めるんですよ。」
(p141)

ああ、「考えたあげく」
というのは、私には無理(笑)。
なんて、茶々をいれての、パラパラ再読。


「とにかく本というものは、
読まないで大事にとっておいた
ところでまったく意味はないんです。
読むためのものなんだから、
読みやすいように読めばいい。」
(p169)

はい。古本を購入するようになって
古いのに、どのページも真新しい本に
出会うと、パラパラ読みでも、
開けばいいのだ。と思います。
それにしても、古本を買っても、
開かなかったりする私です(笑)。


「思考のレッスン」のはじめの方には
こんな箇所。

「文筆業者は、まず第一に、
新しいことを言う責任がある。
さらに言えば、
正しくて、おもしろくて、
そして新しいことを、上手に言う、
それが文筆家の務めではないか。
もっとも、
『正しくて、おもしろくて、新しいことを、上手に』
と、四拍子全部そろうことはなかなかむずかしい。
それならせめて、新味のあることを
言うのを心がけるべきではないか。
単なるイミテーションによる文章、
総まとめの文章、調べて報告する文章、
それだけのものを書くんだったら、
黙って寝ころんでいるほうが
マシじゃないかなあ(笑)。」
(p9)

はい。ブログに毎日書こうと思いながら、
書けずに、高望みばかりする私には
なんとも、耳が痛い言葉です(笑)。

「思考のレッスン」は
最初に、こうあって、
これで、最後まで読ませる。

いったい、この本のどこが良かったのか?
暇なとき、考えてみよう、などと思ったまま、
そのまま、本棚でホコリをかぶっておりました。


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