和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

見出し・小見出し・歌壇俳壇。

2025-03-02 | 重ね読み
読売の古新聞が3年分たまっていたのが、
束ねて、今度の回収に出すことに。

月一回の『磯田道史の古今をちこち』も切り取ってあります。
この磯田氏の連載は、途中挿絵の描き手が亡くなってしまい、
現在は磯田氏本人が描いておられて、以前の挿画が素晴らしかったせいか、
何とも物足りないのでした。
挿画といえば、司馬遼太郎「街道をゆく」での連載での、
須田剋太氏が思い浮びます。

読売新聞の読書欄(日曜日)も、読売歌壇俳壇(月曜日)とともに、
ちゃんとページごときりとっておいたのですが、この頃書評欄は
見ないからなあ。でも3年分で一冊の本とめぐり合えたらそれでOK。

読書欄といえば、月刊雑誌連載の蒟蒻問答で、
堤堯氏が語っておりました。

堤】 ナベツネが読売新聞の社長になった時に俺は
  「文芸春秋」の編集長で、「いろいろ知恵を貸してくれ」と
  言われて一席設けられたことがある。・・・・

ここで、全五段の広告の値段が、朝日新聞の方が高いことに、
腹を立てており『何とかならないか』と言われて

   対して、俺はこう答えた。
  「 それはクレディビリティ(信頼性)の問題ですよ 」
  「 どうやったら高められる? 」
  「 手っ取り早いのは読書欄の拡充です。
    これを拡充すれば、新聞の格が上がる 」
   そうしたらほどなく、1ページだった読書欄が2ページに増えた。
   彼って素直なところもあったね。
   その頃に来たナベツネの年賀状は、
  「 YとBでAをやっつけましょう 」 と書いてあったよ。
   Yは読売、Bは文春、Aは朝日だ。
            ( P121 月刊Hanada令和7年3月号 )

 今回の読売新聞切り抜きでは
 関谷直也氏の「 災害記憶防災に 忘却前提に伝え継ぐ 」
 という文化欄のインタビュー記事が読めてよかった(2024年2月1日)

 そうそう、2023年9月27日の特別面には
『 横尾忠則 寒山百得展 開催中 』というのがありました。
 そのはじまりを紹介しておくことに

「  寒山と拾得は、世間の規範にとらわれない
   『 風狂 』の象徴として伝統的な画題となっている。
   日本でも鎌倉時代から描かれている。
   横尾さんは、2019年からこの詩僧を描くようになった。
   本展のための制作は
   『 寒山拾得の「拾(十)」を「百」にしてみよう 』
   という思いつきから始まった。
   1年5か月間の早さで100点を完成させ・・・
   『 アーティストではなく、アスリートになったようだった 』
   と語る。 ・・・・・・    」


何だか面白そうで、古本で「寒山百得展」カタログを注文しました(笑)。

あと、気になったのが2024年9月29日「本よみうり堂」でした。
「ネットと書評の現在」とあり、書評サイト「HONZ」が13年間の
運営を終えたことを紹介しておりました。
はい。私はHONZのことを知りませんでした。
それはそうと、ネット書評の経験について、こんな箇所がありました。

「 見出しから計算し、最初の1段落目から2段落目で
  読者の心をつかまないと、読むのをやめられる。
  何を紹介し、どこで止めるかといったことも考えます 」


はい。読売の古新聞を3年分とりあえず、ひらきましたが、
どうしたかって、めくりながら見出しと写真とを見るだけ
( 朝日新聞のように、見出しを誤魔化すのはいけません )。

見出しといえば、鷲尾賢也「編集とはどのような仕事なのか」に
小見出しへの言及があったことを思い出しました。

「 ひとつには眼の休息をとり、読みやすい印象をつくるためである。
  ・・・・・
  小見出しはそういった装飾的側面だけではない。
  人間の思考能力は高いものがあるが、じつは
  二、三ページ以上、誌面を眺めつづけていると、
  誰しもが少し飽きてしまうところがある。
  書く方も同様である。せいぜい
  四、五枚(400字詰め)ほどで、ひとまとまりのはなしになる。
  それを越すと、またべつの素材が必要になってくるのではないか。
   ・・・・
  読み手、書き手の意向が合致して、
  書き手は思考が転換するところ、
  読み手は少し眼が疲れ、読むのに飽きる地点に区切りをいれる。
  これが小見出しということになる。・・・・  」
  ( P129「編集とはどのような仕事なのか」トランスビュー・2004年)

はい。ちなみに、鷲尾賢也氏は、小高賢の名で歌集も出されておりました。
ということで、見出しから小見出し、そして歌壇俳壇へとつながるようで、
古新聞の整理も無駄ではありませんでした。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 読売歌壇 これはまた | トップ |   
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

重ね読み」カテゴリの最新記事