和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

カボチャに向き合う。

2020-08-21 | 京都
古本で300円だったので買ってあった
求龍堂の澤木政輝著「京の美 都の響」(2011年)は
「京都芸大百三十年の歩み」と脇に書かれています。

うん。人物を絵画写真とともに紹介しているので、
パラパラと事典でもひらくような楽しみがあります。
はい。せっかく買ってあったので紹介(笑)。

草間彌生さんの箇所が、わたしに印象に残る。

「長野県松本市の旧家に生まれた草間は、
幼いころに強迫性障害を患い、物体の周りにオーラが見えたり、
動植物の話す言葉が聞えるという幻覚・幻聴を体験しながら、
次々に浮かぶイメージを記録するようにして絵を描いてきた。
 ・・・・・・
1948(昭和23)年、19歳で美術工芸学校4年に編入学。
絵画科に籍を置いたが、伝統的な日本画教育に嫌気が差し、
毎日部屋にこもって、カボチャを描いて過ごした。
カボチャは子供のころから造形的に魅せられた素材。
この時以来現在まで、草間の重要なモチーフの一つとなっている。
草間は京都で過ごした2年間を、『カボチャに向き合う日々』と
振り返っている。

やがてニューヨークに渡り、空腹と寒さに耐えながら
制作の日々を重ねた草間は、1957(昭和34)年10月、
十番街のブラタ画廊で開いた個展で衝撃的なデビューを果たす。
巨大なキャンバスに、無限に続くモノクロームの網を描いた作品は、
爆発的な反響を巻き起こした。世界が草間を発見した瞬間である。
・・・・」(p287~288)
はい。こんなふうに紹介されてゆきます。
うん。そんな方だったのですね。知らなかった。
隣のページには南瓜1994年ベネッセアートサイト直島での、
渚にどかんとカボチャのオブジェの写真。海岸と島々と空が、
背景で彩をそえています。

なんだか御伽噺の世界が、現代に展開されてゆくような、
「ちょっとそこまで」とニューヨークへ出かけたような。
はい。300円で垣間見る、美術の世界(笑)。

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