和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

プリントのパンフレット。

2024-10-10 | 地震
8月に「安房郡の関東大震災」と題する講座をしました。
そのアンケートで、資料に対するコメントを頂きました。

「 今日の関東大震災の話とプリント等を、もう一度
  どこかで企画してほしいです。たくさんの人に学んでほしい。 」

「 ・・・教材もすばらしかった。・・講義時間が少なかった。 」

このように、プリントした資料・教材についての指摘を頂きました。
とりあえず、写真や図や表を、綴じずにバラバラに配布したのです。

〇 武村雅之氏の「関東地震の推定分布」の図。

〇 貝塚爽平氏の相模トラフの線に、プレート境界の褶曲帯を付した図。
貝塚氏のこの図だと、房総半島はすっぽりと褶曲帯の中におさまります。
これなどは、図で示せば、感覚的にも、パッと理解した気分になります。

〇 「安房震災誌」に載る「安房郡震災被害状況図」。
  これは、安房郡の地図を、9割以上の激震地区、そして
  激震地区・軽微地区と3地区に分けて示した地図です。
〇 「安房郡震災被害状況図」のプリントの裏には、
「安房震災誌」から引用した、各町村別の数値一覧表を載せておきました。
各町村の総戸数・全壊・半壊・焼失・流失・死者・負傷者の数値一覧表です。
数値一覧があると、各町村別の被害状況が具体的に理解できます。
そうなんですが、安房郡の被害状況図ならば、一目瞭然で、
地図を前にしてすこし語れば、理解はぐっと深まります。

そのような、プリントを一枚一枚用意。

〇 それから、能登地震の半年後の黒島漁港の隆起状況を、
  震災前と震災後の写真と、並べられた新聞記事もコピー。

この一枚一枚のプリントが、舌足らずな私の助っ人となりました。
そのプリントを、説明であちこちとつなげておりました。
これならば、途中で尻きれトンボでも、何とかさまになります。

さてっと、プリントを、後でまとめて保存しようとすると、
何だか、思い浮かんできた言葉がありました。

「梅棹忠夫語る」聞き手小山修三(日経プレミアシリーズ新書2010年)
そこに、こんな箇所があったのでした。

「 ・・・自分の書いたものを残すべしという習慣がなかった。」(p80)
そこにある会話でした。

小川】 ぼくもアメリカとかイギリスへ行って、
    アーカイブズの扱いの巧みさというものを見てきました。
    パンフレットとか片々たるノートだとか、
    そういうものもきちっと集めていくんですよね。

梅棹】 アメリカの図書館はペロッとした一枚の紙切れが残っている。

小川】 ・・・・それらがきちっと揃っている。

梅棹】  だいたい図書館は内容とはちがう。
    わたしが情報ということを言い出したのは、それがある。
    情報とは中身の話や。
    ところがみんな、やっぱり形式の話で・・・・


8月28日の講座では、約30~40分語れただけでした。
時間がなかったせいもあって、あちこちと
図や表や写真などを中心につないで語って、ハイ終わり。
そこで一枚のペロッとした紙切れたちが役立ち、
それが参加者へと、どうやら伝わったようです。
アンケートコメントを読み返していると、
そんなことが、思い浮かんできました。

やっぱり、実際に人を前にして語るのは違いますね。
それにアンケートの集計を読めたことはありがたい。

一年一回講座ですが、語れてよかったと思いました。
図・写真・集計の紙切れが効果発揮してくれました。
それに今年は当ブログでもあれこれ検討できました。



コメント
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