読みたいと本を買っても、時がたつと、興味が他へうつるので、
その本を忘れてしまうことがたびたびあります。
うん。何だかそれが慣れっこになって、ある程度の時間内に、
パラパラでも読み込んでおくことが肝心。興味にも賞味期限がある。
最近は、つとにそんなことを思います(笑)。
さてっと、桑田忠親著作集全10巻を古本で買ったのですが、
まずは、パラパラと各巻の最後をひらくことにしたいと思います。
幸いに、各巻の巻末に、さまざまな方が文を寄せておられます。
第7巻「戦国の女性」の巻末は二木謙一氏の文がありました。
その最後の方にこうあるのでした。
「 いつも思うことだが、桑田氏の文体には、
歴史家にはまれなセンスの良さが感じられ、
また史料の伝存しない部分、文字に見えぬ
歴史の裏面の洞察とその復元に独特の才能
が発揮されている。 」(p349)
うん。このセンスが、史料をひからせているのだなあ。
なんて思うのでした。
巻末をひらいたあとは、巻頭をひらいてみる
「桃山時代の女性」という文の「まえがき」にはこうあります。
「・・日本の女性史に関する諸氏の著作を一通り読んでみた。
しかし、それらの多くは、ある一定の理論を尺度にして、
甚だ概念的に社会制度の変遷などを叙述したものが多く、
専門的、具体的な学術書としては飽きたりない感を深くした。
確かな文献史料の裏づけよりも観念のほうが先ばしっているから、
たれが書いても、みな、同様なものができあがる結果となる。
この不満を解消するために、私はまず・・・ 」(p11)
はい。とりあえず全集の第7巻は、ここまでにして次に巻へ。
「読みたい」という私の賞味期限内に、まずは全巻の巻末を
読みすすめておくこととします。
はい。これでも会って立ち話でもしたような気分になれます。
そこから、本との交わりがはじまればよし。おわってもよし。