和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

急がば回れ。

2024-09-17 | 道しるべ
清水幾太郎著「流言蜚語」のはじめの方にこうあります。

「・・報道、通信、交通がその機能を果たさなくなった時、
 社会の大衆は後になっては荒唐無稽として容易に片づけることの
 出来るやうな言葉もそのまま受け容れるのであって、
 どんな暗示にも容易にひっかかってしまふものである。

 軽信性は愚民の特徴だと言はれるが、
 かういふ場合に動じないのは余程の賢者か狂人である。

 関東大震災の時に落着いてゐたために助かった
 若干の人は、その落着きを賞讃されたが、
 しかしこの同じ落着きのために生命を棄てた多くの人々に対して
 世間は最早この落着きを讃へはしない。
 この場合にはそれは落着きといふ名さへ与へられないのである。 」

             ( p18 「清水幾太郎著作集2」講談社 )

『 この同じ落着きのために生命を棄てた多くの人々 』とあります。
どちらかといえば、私はその多くの人々の一人になるタイプです。
そんなことを思い浮かべては、つぎへと行きます。

うん。今こうして地元の関東大震災の記録を引っくり返しているのは、
いまならば、まだ地震が起きていない。
いまならば、『 急がば回れ 』という落着きが示せる。

ということで、ここでは、
『 急がば回れ 』を故事・ことわざ辞典で調べてみる。


「 急ぐときには危険な近道より、
  回り道でも安全な本道を通って行け。

 用例:     宗長のよめる
      もののふのやばせの舟は早くとも
           急がば廻れ瀬多の長橋  (醒睡笑-1) 」



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