東日本大震災のあと、
吉村昭著「三陸大津波」の文庫を読みました。
その頃に、寺田寅彦の震災関連の文庫は、3社から出版されました。
方丈記も、新しい訳で文庫登場したのでした。
そして、清水幾太郎著「流言蜚語」(ちくま学芸文庫・2011年6月10日)も
その流れの中で文庫化されておりました( 忘れておりました )。
はい。その「流言蜚語」の文庫を買ってはあったのですが、
とりだしてみたら、きれいで、文庫として読んだ形跡がない(笑)。
まずは、ここには清水幾太郎著「流言蜚語」(ちくま学芸文庫)の目次紹介。
1 流言蜚語 ・・・p12
2 大震災は私を変えた
日本人の自然観 ー 関東大震災 ・・・p176
明日に迫ったこの国難 ― 読者に訴える ・・・p248
大震災は私を変えた ・・・p274
地震のあとさき ・・・p285
解説 言葉の力 松原隆一郎 ・・・p309
さてっと、「流言蜚語」。その清水幾太郎氏の本文の最後にはこうあります。
「 だがこれだけは言っておかねばならぬ。
言語への軽蔑の支配するところは、
かえって流言蜚語の発生と成長とに
有利な風土を持つということである。 」(p170~171)
この次に「結論」という2ページの文がありました。
その結論の最後には、こうあります。
「 流言蜚語は除かねばならぬ。だがこれを軽蔑する前に、
一般に評価する前に、対策を立てる前に、
我々が知らねばならぬのはその本質である。
そしてこれへ読者を招待することが私の任務であった。 」(p173)
清水氏からの『流言蜚語』への招待。
一読者宛の、招待状を受取りました。