ちょいと気になったので古本で買うことにしたのが、
安野光雅著「絵本 歌の旅」(講談社・新装版2014年)。
見開きの右は安野さんの文、左は安野さんの絵。
そして、数ページごとに、紹介した歌詞が並ぶ憎い構成。
はじまりの歌は『 美しき天然 』でした。そこから文を引用。
「 昔、活動写真時代の伴奏音楽、サーカスの呼び込み、
いまも街頭広告団のクラリネットでたびたび耳にする。
言わばながくジンタの曲と誤解されてきたが、
わたしは小沢昭一のうたう〈美しき天然〉によって
認識を新たにし、長年の不明を恥じた。・・・ 」(p4)
う~ん。これは1ページ1ページごとの安野さんの文を味わえる楽しみ。
ゆっくりと、噛みしめて味わえる一冊のような気がしてきました。
ということで、買えてよかった。
うん。あと一ヵ所引用しておくことに。
そこには小学五年生の安野光雅さんが走り抜けておりました。
「震災のあと行っていないが、そのむかし神戸駅のすぐ前に
湊川(みなとがわ)神社があった(今もあると思う)。
そして市電が走っていた。田舎者の安野少年が、
脇目もふらず駅前の大通りを走り抜け、湊川神社に
行こうとして危うく市電にはねられそうになった。
少年は小学五年生で、神戸の親戚で、夏をすごし、
津和野へ帰ろうとして神戸駅まで送ってもらった日のことである。」(p32)
このページの題は『 桜井の決別 』となっておりました。
はい。その都度の短い文は読むのに時間がかかりそうです。
ちゃんと最後まで読めますように。