和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

文章は正直に弛緩する。

2015-10-14 | 書評欄拝見
10月11日の新聞書評が気になりました。

産経新聞では
長谷川三千子氏の書評で
小川榮太郎著「小林秀雄の後の二十一章」(幻冬舎)。
そこから引用。

「本当に読むにたる文章を書くためには、
古典芸能にたづさはる人々と同様の、
たえざる自己鍛錬が必要とされるのである。
言葉と向きあふ自己自身のうちに、
少しでも緩みがあれば、
文章は正直に弛緩する。
心にこはばりがあれば、
文章も硬直し、から回りする。
目が曇り、耳がふさがつてゐれば
文章も迷走する。
それを自ら推敲しつくすことによつて・・」


読売新聞の「文庫新書」コーナーに

清水義範著
「ちょっと毒のあるほうが、人生うまういく!」。
短い書評なので全文引用。

「『枕草子』には、何でもない日常に輝きを見出す感性、
意表をつくユーモア、そして豪胆な毒がある。
嫌なものを並べまくる物尽くしは〈悪口のオンパレード〉。
そこが読み所と著者は目を凝らす。
政治的逆境に屈せず力強く生きた清少納言から
人生のコツを学ぶ、異色の古典注釈。
(知的生きかた文庫、630円)」


毎日新聞は
磯田道史氏の評による
原武史著「『昭和天皇実録』を読む」(岩波新書)

そこに、こんな箇所。

「実録は『官製史』である。
官製史は官にとって不都合なことは割愛するか
小さく触れるか曲げて書くきらいがある。
著者はそれを見逃さない。
実録が触れたがらなかった『史実』を
浮き彫りにする。」

毎日には、また
沼野充義氏の評になる
村上春樹著「職業としての小説家」
(スイッチ・パブリッシング)が
載っていて買いたくなります(笑)。



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