映画とライフデザイン

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映画「法廷遊戯」 永瀬廉&杉咲花&北村匠海

2023-11-15 05:26:29 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「法廷遊戯」を映画館で観てきました。


映画「法廷遊戯」若手弁護士五十嵐律人が書いた法廷ミステリー小説深川栄洋監督が映画化したものである。永瀬廉、杉咲花と北村匠海の3人が司法修習生役で主役を務める。ジャニーズ系若手が主演の若者向き映画はあまり観ていない。スルーの予定だったが,時間調整での作品変更で観てみることにした。割と人気があるようだ。もちろん原作は未読。ベテラン俳優が脇を固めるとは言え,若手中心の配役でどういった法廷映画になるのか、若手の弁護士がどういった法廷の立ち回りを見せるのかまずはお手並み拝見という気分で観てみる。

いきなり,モノクロ画面で満員電車に乗り込もうとする乗客がいる中で,ぱったりとホームに倒れている男女を映し出す。何かあったようだ!ただ詳細はその場では伝えない。映画の最初に映し出される事件が、この3人の関係に大きく関わってくる。

その後,名門大学の法科大学院の学生たちが, 模擬法廷ゲームをしている場面に移る。バカでかい声を出している男子学生がいる。何かよくわからない。そのゲームを主導しているのは,在学中に司法試験に既に合格している結城馨(北村匠海)だ。ほぼ全員でゲームに参加する。


その後,殺人事件が起きる。弁護士になった久我清義(永瀬廉)が久しぶりに一緒に法科大学院で学んでいた馨に呼び出される。現地に行くと胸を刺され息絶えた馨と血だらけの織本美鈴(杉咲花)がいた。自分は殺していないという美鈴から弁護を引き受けるが、美鈴は黙秘権を主張して法廷出廷までなにも話さない。このままでは殺人罪になるのは間違いない。


最初の模擬法廷ゲームの場面は訳がわからないで進む。この辺りがノレない。
でも、訳もわからないゲームごっこかと思ったら、途中で殺人事件が起こる。しかも、女性が男性を刺している。その女性は返り血を浴びているのに、自分はやっていないと言い張る。周囲に人はいない。USBメモリーを清義に託すが、ロックがかかっている。見れない。証拠として出せるかどうかわからない。徐々に目が離せないストーリー展開になってくる。たぶん原作者五十嵐律人は数多くのミステリー小説を読んだと思われるネタをだしてくる。

訴訟王国アメリカの法廷ミステリー映画の傑作は多い。日本でも法廷ドラマはある。それらに比べると、法律の専門家が執筆しただけあるなと思わせる場面は多い。例えば、裁判長が仕切って、事前に検察側と弁護側が対峙する席の場面だ。この時点ではどう見ても被告に不利。どうして無罪を証明と聞かれても、被告には動機はないというだけだ。たしかに、動機を問われない窃盗犯とは違い、傷害では動悸は重要だ。でも弱い。

法廷開始前での事前の動きを映画で観ることはあまりない。あとは、洋画では見れない日本の法曹界独特の裁判官や検察官の立場に踏み込む場面だ。こうすると、検察側の立場が悪くなるなどの状況も作り出す。奥が深い印象を受けた。


ネットを見ると、若い人たちの評判がいいようだ。これはこれで良いことだと思う。いきなり初対面のごとく弁護側、検察側が対峙するのではないとか、再審請求が容易にできないとか、初めて知ることがたくさんあったんじゃないかな?ごく普通の法廷劇と違う見方ができる意義のある作品だと思う。見終わったあと、「90分台でここまで凝縮」的なコメントをいくつかネットで見たけど、このくらいに短くしなきゃいけないダラダラした映画が多すぎるのかも。

深川栄洋監督の作品って観たことがないけど、かなりの絶叫好きのようだ。杉咲花にしろ、大森南朋にしてもオーバーアクションだった。ただ、トリック的におもしろいけど、事前に起きた事件に絡むメンバーがこんな感じで同じ法科大学院で出会うかな?事前の事件後ももっと別の展開になったのでは?とも感じるところがあった。ビリーワイルダーの名作「情婦」までいかないけど、観客を驚かすためにちょっと出来過ぎの印象だけは持った。

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