映画とライフデザイン

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映画「テロ,ライブ」 ハ・ジョンウ

2014-09-26 20:17:26 | 映画(韓国映画)
韓国映画「テロ,ライブ」を映画館で見てきました。
「悪魔は誰だ」とダブルヘッダーで見た。見る前は「テロライブ」より「悪魔は誰だ」の方が面白そうだったが、結果的にはいかにも韓国映画らしいのは「テロライブ」だ。


ハ・ジョンウの顔が前面に映る映画ポスターを見ると、衝撃的な作品の映像が脳裏を走る。「チェイサー」の変質殺人者で強烈な印象を残した後「哀しき獣」で中国朝鮮族の不法侵入者を演じた。釜山のやくざの黒幕役だった「悪いやつら」北朝鮮のスパイを演じた「ベルリンファイル」でも安定した活躍を見せた。韓国得意のクライムサスペンスには欠かせない存在となっている。

ポスターでは、アナウンサー役のようである。事前情報はあまりいれずに見に行く。密室劇のようだ。ヒッチコックにしても閉鎖空間の「ロープ」だけは肌が合わない自分からすると、一つの場所で繰り広げられる設定は苦手である。それでもCGによる爆破場面が連続して映され、次から次へと続く爆弾テロの首謀者との電話会話を実況中継するという設定が面白く。90分間飽きずに見つづける。

かつて国民的な人気を誇っていたアナウンサーのユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)は、不祥事を起こしたためにテレビ局からラジオ局に左遷となっていた。テレビ局に勤める妻とも離婚して不遇の状態だった。
視聴者の声をインタビューするラジオ番組の生放送中、突如電話の相手は、この電話を切ったら漢江にかかる橋を爆破するという。その場は、いたずらだと思い「やれるものならやってみろ」と相手にしていなかったが、電話を切った途端に大きな爆音が聞こえて、外を見ると橋が爆破されていた。


ヨンファは電話口に出た男による爆破テロだと確信する。警察に通知しなければ、もう一度自分あてに電話がかかってくると考えると確かにかかってきた。自分のテレビキャスター復帰に向けてチャンスとにらんだユンは、犯人との通話の独占生中継と引き換えに自分をテレビ局へ復帰させるよう報道局長(イ・ギョンヨン)に持ちかける。


犯人は独占放送するなら21億ウォンをよこせと交渉してくる。いくらなんでもと思ったら、結局会社がそれをのむ。
以前建設作業員だったという犯人は、無残に死んだ人たちへ大統領からの謝罪を要求する。犯人とのやり取りを進めるうちに、ヨンファは自分が装着しているイヤフォンに小型爆弾が仕掛けられていることを知るのであるが。。。。

この映画のあとになるが、韓国で修学旅行の高校生を大量に載せた船が転覆した。船長がいきなり乗客をおいて脱出するという行為に驚いた。日本人から見ると、あきれ返ってものが言えない状態だ。

この映画でもその無責任さと足の引っ張りあいがクローズアップされる。左遷、汚職というと日本にもある世界だけど、韓国や中国と比較すると比べ物にならない。

1.視聴率
テレビ局にとっては、何よりも視聴率が一番大事だ。それ自体は、日本と同じだ。テロの犯人は、金をくれないなら別の放送局に話をまわすよと脅かす。局はすぐさま受けてネット送金する。日本だったらありえないけど、大統領が次から次へと辞職後汚職で逮捕される韓国ならありえそうなことだと思ってしまう。報道局長も今視聴率が50%になったとか、70%を超えたと興奮しながらユンの実況を駆り立てる。でもこの報道局長は自分のことしか考えない。


2.予測がつかない韓国映画
自分が一番凄いと思っている韓国映画は「チェイサー」である。「殺人の記憶」も凄い迫力だが「チェイサー」のストーリー展開には仰天した。本当に救いようのない展開である。これもそれに近い部分もある。普通物語の定石をたどれば、主人公を散々な目にあわせて、これ以上ない悲惨な目にあわせても最後は救う。ところが韓国のクライムアクション映画は、ありきたりの結末にはしない。だからむちゃくちゃ面白い!!

3.監督は警察嫌い??
主人公は最初警察に言わずに、犯人の肉声をオンエアーしようとする。初動が少し遅れてしまう。それでも、事件であるからテロ対策の専門家や警察庁長官がしゃしゃり出てくる。それでも大統領を出せといい続ける犯人だ。


ここではテロ専門家や警察庁長官をまったく活躍させない。おそらく、監督兼脚本のキム・ビョンウは警察が嫌いなんだろう。それが肌で感じられる。まったく警察をあてにしていないようだ。
それにしても、監督は韓国映画独特の無情さや残虐さを十分わかっている感じだ。次から次へと登場人物を消しゴムみたいに消していく。いやー!ワルだな、監督は。


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