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映画「今夜、世界からこの恋が消えても」福本莉子&道枝駿佑&古川真琴

2022-08-07 20:32:40 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「今夜、世界からこの恋が消えても」を映画館で観てきました。


映画「今夜、世界からこの愛が消えても」は最近多作の三木孝浩監督による青春ドラマである。ちょっとどぎつい映画を観て疲れた後で、新作映画のラインナップに観たい作品がない。ドツボの生活を描いたものや老人映画は生気が抜かれるので青春モノに注目する。一条岬の原作は当然未読、主要出演者も古川琴音以外はあまり知らない。消去法で選んだ作品だけど、若い子の恋愛ものはやっぱりいい

交通事故で眠ると前の記憶がすっかり抜ける奇病にかかった女子高校生真織(福本莉子)に、別のクラスの男子透(道枝駿佑)が付き合ってくれと告白する。事情があっての告白で本気ではなかったが、2人で申し合わせて、本気にならないことを前提に付き合うようになる。しかし、記憶をなくす病状は変わらず、親友の泉(古川琴音)が媒介していき、気持ちが徐々に本気になってくる。そこに思わぬ出来ごとが起きるという話である。

快適な時間が過ごせた。
損得を抜きにした恋愛物語はすっと入れる。必ずしもハッピーな展開ではない。でも、観終わって気持ちがすっとする。映画が始まりバックに江の島が映り、鵠沼に向かっての湘南エリアが舞台だというのもわかる。海浜公園や女の子2人が住む家も素敵でビジュアル的にもいい感じだ。三木孝浩監督作品では松本潤、上野樹里主演の陽だまりの彼女が大好きで、同じように江の島ロケが効果的に使われていたのを思い出した。


⒈福本莉子(真織)
朝気づくと前夜の記憶がない。今日起きたことを忘れないように日記に書く。そして、その日記を毎朝見るように部屋の中に貼ってある。うとうと昼寝をしてしまっても、記憶がなくなる。そんな真織にさわやかな男子が付き合ってくれという。本気ではないことがわかるけど、拒まずに付き合うのだ。

いくつもの主演作があるのにこんなかわいい子存在すら知らなかったフレッドペリーのポロシャツが似合う。会社の部下に福本莉子に似ている子がいた。かわいくて性格もいいので30代から40代の男性社員が鼻の下を伸ばしているのを見て、女子社員が悪口を告げ口してきたりした。たまたま一緒に食事に行った時は、いい歳して天に昇る気分になったものだ。現在は産休中でさみしい。その子も名前が◯織で藤沢の高校に行っていたなあと映画を観ながら不在をかなしむ。


⒉道枝駿佑(透)
クラスメイトにいかにもいじめられっ子といった男子生徒がいて、そのイジメを止めるのと引き換えにいじめっ子グループに言われた通り真織に付き合ってくれと告白する。気がつくとそれが実現してしまうのだ。透は小説家で身を立てる夢が捨てられない父親(萩原聖人)と2人暮らしだ。食事を作ったり家事も透がやっている。母親は若くして亡くなっていて、姉が面倒見ていたが今は一緒に暮らしていない。


その姉(松本穂香)が後半戦活躍しはじめる。いい感じだ。松本穂香と古川琴音が実際には同じ歳なのに、かたや高校生でかたや同級生の姉を演じているのにも注目する。

⒊古川琴音(泉)
真織の友人だ。病気のことをわかっているので、真織と透が付き合うと聞き、慌てて透のところに乗り込んでいく。おせっかいというわけではない。記憶をなくしてしまうので、トラブルが起きないようにしているだけだ。でもいい媒介役になると同時に、問題が起きてから行動力を発揮する。

「街の上」に出ていて、濱口竜介監督偶然と想像の第一話で存在感のある役柄を演じた。イヤな女の役柄だ。松本穂香と違い、古川琴音の近年の出演作はみんな観ている。美人ではない。ただ、こういうキャラクターなので起用されることが多い若手で重要な存在だ。毎回演技の腕を上げている印象を持つ。


この3人を中心に構成力よく、ビジュアルよく無難にまとめた。さわやかな恋に醸造するいくつかのエピソードが見どころだ。自分のような年齢層でも観て違和感を感じないよくできた青春モノだと思う。

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