映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

太陽の帝国  スピルバーグ

2011-08-30 20:24:28 | 映画(洋画 89年以前)
映画「シャンハイ」を見て、何か迫力ないと思った。

まだ平成になる前にスピルバーグの「太陽の帝国」を劇場で見たことがある。あのときに見た戦時中の上海の映像が脳裏に残っていて、気になって久々にみてみた。
こうやって見てみると、日本軍が上海に侵攻して上海が脱出しようとする欧米人であふれかえったシーンは改めてすごい迫力だと思う。映画「シャンハイ」はセットが中心で、いわゆるワイタン(外灘)のビル群はCGであった。
「太陽の帝国」は違う。まさしく上海でロケしている。ものすごい数のエキストラも動員して、すさまじい迫力だ。今から25年ほど前となると、まだ中国もひと時代前の光景の匂いを残しているのだと思う。それだけにリアルだ。西洋風住宅もおそらくヘンシャンルー周りのフランス租界エリア付近に残っている建物を映し出したのかな?古い建物意外に残っているんだよね。文化大革命の時もよく乗り越えられたものだ。

途中収容所の場面がだれ気味で若干長いという印象を持つが、若き日の「バットマン」ことクリスチャンベイルの名演が光る作品、メチャうまいのでビックリした。子供扱いのうまいスピルバーグの演出が冴える。
現在の面影はある。


1941年上海の英国租界の邸宅に両親と暮らす主人公の少年ことクリスチャン・ベイルは、飛行機に興味があった。特に日本軍の「ゼロ戦」に強い関心があった。仮装パーティに行った際、お気に入りの零戦の模型飛行機を片手にパーティ会場から抜け出し、撃ち落とされた日本軍の戦闘機のコックピットに入り、大空を飛ぶ姿を思い描いたところ、横には日本軍の兵士たちがいてヒヤッとした。
一家は上海から脱出する準備を始めたが、時すでに遅く、日本軍が怒濤の如く市街に進攻してきた。逃げ出そうとする人たちで南京東路付近はいっぱいだ。主人公は両親と離ればなれになってしまった。


上海の中をさまよい、飢えに苦しんでいるところを救った男ことジョン・マルコヴィッチともう一人の2人のアメリカ人であった。ある夜、2人を邸宅に連れてきたところを日本軍に襲われ、3人は捕虜収容所へと送られる。収容所では両親の友人と出会うが、彼女自身ももはや自分が生き残るためだけに必死だった。
時は進み1945年捕虜たちは蘇州の収容所へと移されていく。主人公は精神的にも肉体的にも大きく成長していき、物品補給で収容所内を忙しく立ち回る。日本軍側のナガタ軍曹こと伊武雅刀にも近づき、少しでも多くの食料を受けようとする。自分と同じように空を飛ぶことに憧れる日本人少年とも心を通わせるようになったが。。。


悲しいかな、上海に行ったことのある人であればこの作品がリアルで映画「シャンハイ」が偽りのものとすぐ感じるであろう。逆に言うとよくこれほどまでのロケを上海の中心部でよくやらせてくれたのだと思う。小平の近代化政策が進み、中国も変わりつつあったが、80年代後半は都市部の人たちでもまだまだ貧しかった。これだけ人が集められるのはある意味賃金の安さがあるかもしれない。同時期の「ラストエンペラー」でも紫禁城をハリウッド資本にロケ提供している。中国の外貨獲得政策とハリウッド資本の利害関係がうまくいった時期に出来た映画で視覚的に楽しめる。

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