映画とライフデザイン

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映画「華麗なるギャツビー」 レオナルド・ディカプリオ

2013-06-16 15:59:38 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「華麗なるギャツビー」ディカプリオ版を早速劇場で見てきました。
1974年にロバート・レッドフォード主演で映画化もされた、米作家F・スコット・フィッツジェラルドの小説「グレート・ギャツビー」を、「ロミオ+ジュリエット」のバズ・ラーマン監督&レオナルド・ディカプリオ主演コンビで再映画化したものだ。

予告編からギャツビー宅で派手に催されるパーティの画像がずっと気になっていた。
映画を見終わって、改めて原作を読み、照らし合わせると、ロバートレッドフォードでの映画化よりも原作に忠実であることがわかる。記憶を再現するために細かくストーリーを追う。

ニックキャラウェイ(トビー・マグワイア)の一人称であることは同じであるが、ここでは心を病んで療養している設定になっている。そして昔を回顧するかのように、今までで一番印象に残る男Jギャツビーの思い出をつづっていく。

1922年ニックキャラウェイは独身の証券マン、ニューヨークの高級住宅地ウェストエッグに住居を構える。ニックはもともとは作家志望だった。海を隔てて反対の同じく高級住宅地イーストエッグにはイェール大学の同級であるトム・ブキャナン(ジョエル・エドガートン)が住んでいる。妻デイジー(キャリーマリガン)はニックのいとこであった。夫妻に招待されて夕食を共にするところから話は始まる。そこにはデイジーの友人でプロゴルファーのベイカーも同席していた。
ベイカーとの話題の中で、海を隔てて反対に住んでいると言ったら、ギャツビーの家の方ねと言われる。ニックの隣の家ギャツビー宅では派手なパーティが開催されていたが、特に関わりはなかった。ギャツビーという名を聞いて一瞬デイジーが反応したが、別の話題に代わって話がそれた。

夫トムに、夕食時電話が何回もかかってくる。どうも女性からのようだ。トムの浮気症にはデイジーも参っていた。2人の関係は冷え切っていた。トムはニックを誘い、マンハッタンで酒を飲もうかと誘い、2人は出かける。トムは自動車修理工のウィルソンの妻マートル(アイラ・フィッシャー)と浮気をしていた。街でおちあい、その場は狂乱のパーティとなる。

ニックの元に隣のギャツビーからパーティへの招待状が届いた。ギャツビーのパーティにはニューヨークの名士をはじめ、大勢の人が来ていた。お城のような大邸宅はすごい熱気である。パーティに来ている人は正式に招待を受けているわけではない。ニックはその中の唯一の招待客だ。ウェイターにそのことを話しても、誰もギャツビーのことを知らないようだ。知り合いもなく、一人で酒を飲みながらたたずんでいると、ベイカー女史に会った。2人で話をしていて、ギャツビーってどんな奴なのかと会話していると、目の前にギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)が登場する。さっそうとした姿を見せてくれ、その場で一緒に遊びに行こうと誘われる。その時ベイカー女史はギャツビーに個別に呼ばれていた。

ニックはその後ギャツビーから何度も誘いを受ける。謎だと言われるギャツビーのキャリアを自ら語ってくれた。「富豪に生まれ、大学はオックスフォード大を出た。第一次大戦では活躍して特別に功労賞を受けている。」しかし、ニックはその言葉にしっくりこなかった。マンハッタンの床屋の地下にある秘密クラブでランチに誘われた。そこで出会ったギャツビーの友人は有名な1919年のワールドシリーズの八百長事件に絡んでいるというではないか。ギャツビーへの謎は高まるばかりだった。

その後ベイカー女史とニックはあるティーパーティで会った。そこでベイカーから意外な話を聞かされる。第一次大戦に将校として参加したギャツビーは、有能な将校を集めたパーティでデイジーと出会っていたのだ。二人はたちまち恋に落ちる。その後戦争に出征して二人は別れ別れになったのだ。その話を聞いた後帰路についたニックは家の前でギャツビーと会った。ギャツビーの頼みを聞いて、デイジーを招きニック宅で会うことを約束する。

ギャツビーがいるとは教えず、ニックはデイジーを自宅に誘った。雨の降る午後だった。ギャツビーは落ち着かない。もう来ないんじゃないかとびくびくしている。そうしているうちに車が到着した。恐る恐る目を合わせるギャツビーだ。2人は再会を喜んだ。そしてギャツビーの豪邸にデイジーを誘うが。。。

ついついレッドフォード作品と比較してしまう。

ニックの一人称は前回と同じだが、彼を療養所に入れるという所が原作にもない設定だ。
結局ニックは世界恐慌の影響で証券不況により職を奪われるとする。心も病んでいるようだ。でもこの後1929年10月の株価大暴落までは7年もある。ダウ平均は1921年にいったん底をつけたあと、1922年の約$80ポイントが1929年に$380と5倍近くアップする。しかも、その7年間大きな暴落がなく上昇する。もともと育ちのいい証券マンのニックなら、その7年の内に普通に結婚すると考えておかしくないだろう。家庭があればもっと違う環境にあるはずだし、ニックが落ちぶれるという設定はどうかな??違うなと思う。ちなみにこの小説の発表は1925年だ。

ギャツビーが運転する黄色の車を思いっきり全速力で街中を走らせる。タイムズスクウェアのCG映像はすばらしいし、マンハッタン上空やウェストエッグからイーストエッグを俯瞰する映像も前作にはない。これ自体も効果的だと思う。トムとデイジーの自宅は前作よりも豪華に映す。前の作品よりもトムのリッチぶりを顕著に見せ、ギャツビーが言う「ポロ選手」のセリフを効果的にする。
パーティの描写は豪華絢爛としか言いようにない。ド派手に音楽が鳴り響く。ジョージガーシュインの「ラブソディーインブルー」が高らかに響き、人々は酒を味わい踊り狂い、酔った勢いでプールの中に次から次へと飛び込んでいく。外では花火が舞う。これは凄いパーティの描写だ。期待を裏切らない映像は楽しめる。

それに加えて、トムとニックがマンハッタンで夜通し遊ぶパーティの描写がド派手だ。赤に彩られたインテリアの部屋で狂い飲みまくる。このインテリアには目がくらくらした。このあたりではカメラワークも目がちらつくほど激しく変わっていく。でもこの場面はちょっとやりすぎじゃないかという印象をもった。

出演者はおおむねイメージぴったりの配役だと思う。
特にレオナルドディカプリオは育ちがもともと悪いのに、成金のように這い上がっていくというイメージにぴったり合っている。終盤の修羅場でのやり取りでキレる演技は「ジャンゴ」での彼を連想する。アレも凄い迫力だったがこれも狂気に迫る何かを感じさせる。最後のプール映像は映画「サンセット大通り」でのウィリアムホールデンを連想してしまった。
「スパイダーマン」トビー・マグワイアはニック役にピッタリだ。彼のもつナイーブな雰囲気が合う。アイラ・フィッシャーの浮気相手役も適役、前のレッドフォード版のマートル役には金持ちが好きになるような何かを感じさせるような女には見えなかった。ちょっと違うと思ったのがベイカー女史だ。これは前作の方が断然よい。バカでかいファッションモデルを連れてきたというだけという印象が強く、適役に見えなかった。

前作では女のずるさを顕著に感じたけど、今回はそうでもない。
何でだろう。

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