山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

櫛形山探索  令和2年7月21日

2020年06月26日 | 花・花・花
 アヤメにはまだ少し早いが自然保護の仲間たちと櫛形山を訪れてみた。復活してきた花が咲いているのをうまくすれば見られるかも知れない。遊歩道から離れた場所で咲いている花を想定して、100㎜マクロレンズの他に200㎜ズームレンズも持って行く。


    池の茶屋の保護柵内でさっそく現れたヒメムヨウラン。満開。


    シラネワラビに混じって生えているこのシダは?後日別記事で掲載する。


    バイケイソウが茂る登山道。その先には設置されて2年目の保護柵。


    保護柵内はシロバナノヘビイチゴがだいぶ増えているが、まだ目立った変化は現れていない。


    櫛形山山頂で小休憩。


    その先にもヒメムヨウランの群生。


    これはユモトマムシグサだと思っていたが・・・後述。


    樹齢300年の天然カラマツ。しかし櫛形山を知る人の話だと50年前から樹齢300年と書かれているとか・・・。


    裸山到着。毎度撮影している定点からの撮影だが、アヤメはまだ咲いていない。


    茂っているシダはヒメシダと思われる。


    裸山山頂付近のアヤメは少しだけ咲き出していた。

 予想はしていたが、裸山のアヤメはまだ早く、一部が少し咲き出しているだけだった。テガタチドリもまだほとんど見当たらない。裸山山頂で小休止してアヤメ平に向かう。


    シラネワラビが群生する斜面。ありふれたシダだがこれはこれで美しい。


    タカネフタバラン群生


    小さな花芽が出ている。


    保護柵の外と中でさらに明らかな違いが出てきた。


    保護柵の中のヤマドリゼンマイ。生き生きしている。


    かつてはキンポウゲがたくさん咲いて黄色い絨毯になっていた場所だが、クガイソウやハンゴンソウに変わっている。熾烈な自然界の覇権争い。


    そんな草地の中に復活してきた花がある。


    遊歩道から見える位置にも復活してきた花。マクロ100㎜で撮影。観察には要双眼鏡、撮影には100㎜以上のレンズが必用である。

 登山規制が解除されてまだあまり日が経っていない山梨の山は、登山者はさほど多くは無かった。その登山者の多くがこの花の復活を聞きつけてやって来た人たちだった。アヤメ平の休憩所では久しぶりに会う花の恩師の先生や、著名な花の写真愛好家の方たちともお会いした。昼食後、尾根道を使ってほこら小屋方面に進み、あまり使われていない管理歩道を歩いて池の茶屋に戻った。


    管理歩道を歩くが、いきなりの倒木。ところどころ歩道が崩れている場所があった。


    クサタチバナのお花畑


    サルオガゼ


    ナツトウダイは結実していた。

 予定時間よりもやや早く、3時半に池の茶屋に到着して解散となった。足が遅いうえに撮影で時間がかかる私が足を引っ張らなければ、あと1時間は早く到着出来たのであろうが、これは止む無し、と思う。

 さて、今回見たかったのは復活した花のこともあるのだが、この山域に生育しているユモトマムシグサを点検したかった。ネットのマムシグサの詳細を載せているサイトを見てみると、ユモトマムシグサの変種でヤマナシテンナンショウというものがあるらしい。これは北岳の大樺沢あたりに生育しているものだと思っていたのだが、そのサイトの記事を見ると撮影地が富士川町と記されていた。ということは、この櫛形山に生育しているのはヤマナシテンナンショウなのでは?他の場所のユモトマムシグサとどこが違うのか?ということになって来る。


    いわゆる普通のマムシグサ


    櫛形山バラボタン平付近で見かけたユモトマムシグサ。背が低くて小ぶりである。


    もっと小型でヤマナシテンナンショウらしいのがこの株。葉と同じ高さか、それより低い位置に仏炎苞が出ている。


    これも仏炎苞の位置が低いがやや大型。そして帰って来てから黒岳で見たものと比べると、根元の茎の長さがこちらのほうが短いか、無いところが違うのが分かった。

 ヤマナシテンナンショウは小型であると書かれているがそのひとつがこの茎の短さにあるのではないかと思う。北岳大樺沢のものを見に行きたいが、残念ながら今年はバスが動かず大樺沢は渡渉する橋が撤去されていて入山できないようである。

 さて、もう1種類見ておきたいものがある。


    年々勢いが無くなって来ているように見えるこの貴重な植物。


    日本では櫛形山だけに生育するホザキツキヌキソウ。もう結実している。

 最初に見た時は10数枚の大きな葉を出していたが今年は8枚で葉の大きさは元気だったころの半分くらいしか無い。周辺の草は昨年刈ってくれたようだがあっという間に伸びてまたこの花が隠れてしまいそうなくらいに茂ってしまっている。ちなみに記録を見ると昨年も8枚で変わっていないようである。この先どうなるのか、心配なこの草である。


    この日期待していた部分日食は雲に阻まれ残念ながら見られなかった。
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これは本当に絶滅危惧の花なのか?  令和2年5月某日

2020年05月15日 | 花・花・花
 ブログに張り付けてあったトウダイグサの仲間の花が環境省絶滅危惧Ⅱ類の花ではないかという指摘を受けた。過去の文献を調べてみると関東から南東北地方にかけて分布しており確認されているのは20ヶ所くらいのようである。山梨では初めて見つかったということになる。現在本物なのかどうかは花仲間や植物に詳しい人たちに鑑定をお願いしているところである。


    季節が変わると咲いている花も変わる。イチリンソウとニリンソウ。


    問題の花はこれ。


    日当たりの良い草地にこれでもかというくらいに茂っている。


    これだけ生えているとトウダイグサ科のただの雑草にしか見えない。


    面白い形をした花


    複雑な構造である。


    別の場所。林道脇の沢沿いに群生


    こちらは少し赤っぽい。


    花の構造は緑色のものと同じなので同じ花だろう。


    数ヶ所に群生しているトウダイグサの仲間。

 トウダイグサ科の植物は今までにトウダイグサ、ノウルシ、オオニシキソウ、ナツトウダイを見てきたと記憶しているが全くノーマークの花だったのでどこで見たか全く記憶が無く、どんな花だったかもよく覚えていない。自分のブログで検索をかけてみたが、出てきたのは櫛形山と黒富士農園のナツトウダイだけだった。そこで黒富士農園のほうは先日訪れて花を確認してきたが、この場所に咲くものとは全く別のものだった。櫛形山の画像を見るとこれは黒富士農園と同じものでナツトウダイである。


    黒富士農園で見てきたトウダイグサの仲間。


    これはナツトウダイ。


    花の構造は似ているが色が全く違う。花弁のように花の中心を囲っているマントは総苞葉と呼ぶ。


    花の中心部に杯状花序と呼ばれる花(?)を1個付ける。


    こちらは平成29年に櫛形山で見てきたもの。


    黒富士農園で見たものと同じもの、ナツトウダイである。

 そして改めて花を見直してみるとナツトウダイとは全く別のものであることが分かる。


    マント状の赤い総苞葉はナツトウダイに比べて丸みを帯びている。中にある腺体や雄花、雌花と呼ばれる部分も色と形が違う。

 しばしば参考にさせていただいている「野山に自然に咲く花のページ」にこの花の記事が詳細に書かれている。この記事を見る限りでは、この花はセンダイタイゲキという絶滅危惧の花で間違いなさそうである。おそらくは山梨県でも絶滅危惧種に指定されることは確実であろう。どのように保護して行くかについてはこれから検討して行きたいと思う。
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ラン科の花はやはり美しい・・・  ~山梨県絶滅危惧ⅠB類のラン~

2020年03月17日 | 花・花・花
 絶滅危惧ⅠA類のランは美しいものが多いと思うが、ⅠB類はさらに美しいランが揃っていると思う。簡単に見つかるわけでは無いがそれほど難しいわけでも無いところも人気の高い理由なのではないかと思う。

 キンラン
 甲府市の市街地からさほど遠く無い湯村山に生育しているが年々数が減って危機的な状況にある。盗掘だけでなく鹿の食害も受けており、さらには山肌の乾燥化や笹の増殖による環境の変化も影響している。ギンランとともに、将来的にはⅠA類になる可能性が高いランのひとつだと思っている。


    湯村山のキンラン。背が高く黄色が鮮やかな目立つラン。何ヶ所か囲って保護しているが増殖する気配が無い。


    キンランの名にふさわしく、黄色が鮮やかなラン。

 カヤラン
 山梨県県南部では比較的良く見かける着生ランであるが、形が小さいためにあまり目に触れない。梅の木に良く生育しているが沢沿いではカシの木の高いところや杉の木にも着生している。


    梅の木に着生したカヤラン


    小型であるが美しいランである。


    見つけると嬉しいが、個体数は結構ある。

 フウラン
 山梨県県南部で稀に見かける着生ランである。カヤの木やシダレザクラの木に着生していることが多い。長い尾を引く姿が美しい純白のランである。


    カヤの木に着生したフウランの大株。


    長い尾を引く姿が美しい。


    こちらはシダレザクラの幹に着生したフウラン。

 ベニカヤラン、別名マツラン
 富士山樹海の森のごく限られた場所に生育している着生ランである。生育地での個体数は多い。ハウチワカエデの幹を好んで着生する。


    高い木の幹に着生するベニカヤラン、別名マツラン


    ハチが吸蜜している。


    6月ごろに花は紅色に色付く。これがベニカヤランの由縁である。

 マメヅタラン
 山梨県県南部に生育する着生ランで、個体数は少ない。葉はシダのマメヅタに酷似しており、花を咲かせないと区別が難しい。


    木の幹に着生したマメヅタラン。一緒に生えているシダはシノブ。


    高い木の上に生育するので探すのは難しく、花が咲かないとマメヅタとの区別が難しい。一緒に生えているのはビロードシダ。


    トリーミング画像。確かにランの形をしている。

 セッコク
 盗掘によって激減してしまった着生ランである。高い木の上や人の近付けない渓谷の絶壁に残っている。


    渓谷の絶壁に生育しているセッコク


    かつてはたくさんあったと聞くが、今ではなかなか出会えなくなっている。

 ベニシュスラン
 山梨県県南部の渓谷沿いの苔の生した岩壁を好んで生育しているランである。2018年版レッドデータブックから新たに絶滅危惧種として登録された。長いくちばしのようなピンク色の花も美しいが細かい網目模様が入った葉も美しいランである。


    苔生した渓谷の岩壁に生育するベニシュスラン


    花も美しいが網目模様の葉も美しい。

 コイチヨウラン
 標高の高い苔生したツガの森を好んで生育する。富士山樹海の森でも比較的良く見かけ、小さくて華奢なので見つけにくいが個体数は比較的多い。


    甲斐駒ケ岳黒戸尾根のツガの森で見かけたコイチヨウラン


    苔の生えた少し湿った斜面を好む

 スズムシソウ
 山梨県では南東部寄りの地域に生育している。個体数はあまり多いとは言えず、減少傾向にある。


    スギの林床に生育していたスズムシソウ


    同上。場所によっては個体数が激減して消滅の危機にある。

 コアツモリソウ
 スズムシソウと同じような場所に生育しているが富士山樹海の森の中にも生育している。生育地では群生しており個体数もそこそこにある。


    群生してはいるが、どっさり、というわけでは無い。


    葉の下に花を付けるコアツモリソウ。花の形はアツモリソウというよりもクマガイソウである。

 ニョホウチドリ
 標高2,000m前後の高山帯に生育する高山植物である。八ヶ岳、奥秩父、大菩薩山系、南アルプスなど、広範囲に生育しているが生育地での個体数は少ない。特に大菩薩山系では笹に飲まれつつあり、減少傾向にある。


    八ヶ岳で見たニョホウチドリ。本来は草地を好んで生育するランである。

 ツチアケビ
 葉緑素を持たない菌従属栄養植物である。茶色い茎と花弁であまり綺麗そうには見えないが、開花した黄色い唇弁はそれなりに美しい。結実するとバナナのような細長い実をつける。


    ツチアケビ。広葉樹林の林床に稀に生える。


    開花した花はそれなりに美しい。

 山梨県の絶滅危惧ⅠB類に登録されているラン科植物は24種類あり、そのうち22種類を見てきた。残り2種類のうちひとつはオオバナオオヤマサギソウというランであり、これを探すのはちょっと難しい。おおよその場所は聞いているが藪に飲まれて消滅してしまったとも聞いている。なにせ環境省ⅠA類の植物なのでそう簡単には見つからないであろうし、次のレッドデータブック書き換えではおそらくⅠA類に変更になるであろう。今年見られれば良いのだが、気合を入れて探さないと難しそうである。シダと違ってラン科植物は綺麗な花を咲かせるだけに華がある。

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ラン科の花はやはり美しい・・・  ~山梨県絶滅危惧ⅠA類のラン~

2020年03月13日 | 花・花・花
 花を好きな人たちは普通にラン科植物を追いかけていると思う。華やかでは無いものもあるが、たいていのランの花は美しい花を咲かせるからである。もちろん、私もランの花は好きで追いかけてはいるが、絶対にこの花を見つけてやろう、というまでの意気込みは現在は無い。無理に探して自然環境を痛めてしまうのは問題があるし、むしろ稀少な花たちをいかに守って行くかという方に興味を持っている。2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧ⅠA類のラン科植物は26種類あり、そのうちの20種類を見ているが、残っているのは探すのが難しいものばかりである。1種類は既に場所が分かっているので今年は咲いている花に出会えると思う。また、情報不足(DD類)となっているキンセイランが昨年発見されて次回の書き換え時にはⅠA類になるのが確実となり、またヒメスズムシソウが新たに特定指定種に指定されこれもⅠA類ということになる。おそらくこれからも次々に新しい花が発見されてくる可能性があり、レッドデータブックは書き換えられて行くことになるのだろう。

 アツモリソウ
 言うまでもないがラン科植物の代表的な花である。三ツ峠はランのブームで盗掘が多くなった当初から保護柵を設置して、全国的にもいち早くこの花の保護に乗り出した場所である。ボランティアを募って清掃登山なるものを毎年実施しており、また三ツ峠ネットワークを中心に積極的な高山植物保護活動を行っている先進的な保護地である。別の山域では、保護柵設置の効果が現れてアツモリソウが復活してきた場所があることは嬉しいことである。


    復活した草むらの中で咲くアツモリソウ。右側には昨年の種が見えている。


    保護柵の効果が現れて復活したアツモリソウ

 ホテイラン
 アツモリソウがランの王様ならばこの花はお姫様だろう。針葉樹林の苔の生えた林床を好んで生育する美しい森の妖精である。


    針葉樹林の林床に咲くホテイラン


    可憐なる森の妖精

 ウチョウラン
 岩場の隙間にある草地を好んで生育する薄紫色の花で、大きさは小さいが花が咲くと目立つ。一見するとスミレのように見える。盗掘により激減してしまったが、あまり人が入らない山中では少しずつ個体数を増やしている。


    岩場の草地に生育するウチョウラン


    可憐な薄紫色の蝶が舞う花。

 ハクウンラン
 針葉樹林帯の林床を好んで生育する小さなランである。気象変化か、あるいは鹿の食害による二次的変化のためか森の斜面が乾燥化しつつあり、個体数は減少している。


    ハクウンラン。小さな虫のような白い花を咲かせる。


    これほどたくさん咲くことはきわめて珍しい。

 セイタカスズムシソウ
 草地に生育するのだが、広葉樹林の森と草地の境目あたりに好んで生育している。スズムシソウよりは背が高くなるがさほど大きくなるわけでは無い。


    草むらの中に咲いたセイタカスズムシソウ。富士山北麓の林道脇で出会った。


    こちらは忍野村で出会った個体。あまり大きく無い。


    半透明の唇弁は不思議な魅力がある。

 フガクスズムシソウ
 広葉樹林の苔の生した木に生育する着生ラン。山梨県では富士山麓でしか見かけたことが無い。


    苔の生えた木に着生するフガクスズムシソウ


    高い木の上に居るので見つけにくい。


    超望遠レンズで撮影したフガクスズムシソウ

 クモラン
 山梨県県南部に生育する着生ランである。梅畑の梅の木に着生している姿は良く見かける。まさに蜘蛛のように足を延ばすランである。


    梅の木に着生したクモラン


    もうすぐ咲きそうな小さな小さなクモランの花。

 トラキチラン
 葉緑素を持たない菌従属栄養植物で、半透明の花弁が妖艶な雰囲気を出しているランである。生育地が限られていて個体数も少ない。毎年咲くとは限らず、個体数も減少傾向にある。


    半透明の幽霊のようなトラキチラン。富士北麓で見たものであるが年々数が減少して見つけるのが難しくなっている。

 ショウキラン
 トラキチランと同じく菌従属栄養植物である。決して綺麗なランとは言えず、一見すると奇妙なキノコのように見える。富士山麓に生育しているが個体数は減少しており、最近鳳凰山でも発見された。


    鳳凰山の沢沿いで発見されたキバナノショウキラン。個体数は少ない。


    言われればランのような形をしている。

 コハクラン
 2005年版レッドデータブックでは情報不足(DD類)であったが、八ヶ岳で新たに生育が確認され2018年版からⅠA類になった。個体数はきわめて少ない。


    針葉樹林帯の林床だが、少し草の生えた場所を好むコハクラン


    まさに琥珀色のラン

 ヒメスズムシソウ
 全国的にも生育地が極限られており個体数も少ないランである。数年前に発見され、今年山梨県特定指定種、かつ環境省でも保護種に指定されている。


    全国的にも生育地が限られ個体数も少ないヒメスズムシソウ


    ジガバチソウに似ているが唇弁が下向きに反り返る。

 キンセイラン
 薄黄色の美しい花を咲かせる上品なランである。2005年版ではⅠA類だったが自生地から消滅し、2018年版では情報不足(DD類)となってしまった。しかし2019年に別の場所で生育が確認され、さらに別の山域でもそれらしき葉が確認されている。


    スギやヒノキの植林帯を好んで生育するキンセイラン


    薄黄色の上品な花である。

 いよいよハナネコノメソウが咲き出し、山梨県にも花のシーズンが到来である。ランをはじめとする花を咲かせる植物は確かに美しくて可愛らしくて心が和むだろう。今年はそれに加えてシダの調査も同時にやって行きたいと思っている。保護柵の修理ももう待った無しの状態である。時間が足りるのかどうか?その前に自分自身の体力と気力がどうなのか?いよいよ忙しいシーズンの到来である。
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ツメレンゲを巡る 笛吹川堰堤と大月市の岩場  令和1年11月10日

2019年11月11日 | 花・花・花
 10月下旬に訪問したかったのだが日程が合わず、もう終わりかけているであろうツメレンゲであるがなんとかまだ咲き残っている花を見ることが出来た。訪問した2ヶ所はいずれもツメレンゲではあるがずいぶん違う感じを受ける。


    まずは笛吹川の堰堤に生育しているツメレンゲ。やはり1∼2週間ほど遅く枯れかけている。


    それでもまだ咲き残っているものがいくつもあった。


    この周辺だけでしか見かけないが個体数はかなりある。


    まだ蕾の株もあった。


    民家の近くの堰堤に生育している。

 近くに住む家の人が偶然散歩にやって来てお話を伺うことが出来た。この場所は50~60年ほど前に山から採って来た個体を移植したところ、このように増殖してきたものだそうである。この花を食草としているクロツバメシジミも飛んで来るそうで花だけでなく蝶マニアもやって来るそうだ。中には網を持って捕獲に来る人が居て注意したことがあるそうだ。この花も蝶も絶滅危惧種である。大事にして欲しいものである。

 さて、高速を使って大月に移動して山の上の岩場に生える同じ花を見に行ってみる。


    岩の上に生育しているツメレンゲ。


    確かに同じ形ではあるのだが・・・


    花が赤みがかっており葉は真っ赤である。


    ツメレンゲの赤い葉


    本当に同じものなのかどうか?環境によって変わるのかそれとももともと違うのか?

 花の形だけを見れば同じツメレンゲに見えるのだがあまりにも葉の色が違い過ぎる気がする2ヶ所のツメレンゲである。植物は分からないことが多過ぎる。ちなみにこの場所ではクロツバメシジミが飛来しているのを目撃したが撮影は叶わなかった。
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富士山麓の草原を散策  令和1年8月18日

2019年08月20日 | 花・花・花
 毎年の恒例になっているこの季節の富士山麓に広がる草原の花散策である。花仲間5人とさらに途中でバッタリ合流した2人が加わって7人での散策となった。


    タチコゴメグサ。そろそろ終盤。


    クルマバナ


    まだ蕾も見えないムラサキセンブリ


    この草原で見るのは初めて。結実したヒメイズイ。


    ヒキヨモギももう終盤である。


    ムカゴソウ


    もう花は終わりかけている。


    初めて見る花、コケオトギリソウ。


    オトギリソウに似た小さな花、雄しべは10本以下。


    こちらも初めて見る花、スズサイコ。花は開いていなかった。


    ミヤコグサ


    ヒロハノカワラサイコ


    昨年に比べて花付きが悪い。土砂が流れて無くなってしまった場所があった。


    この季節のこの草原の名物と言っても良いこの花。


    ヒナノキンチャク。数は増えているが大株は少なめである。


    可愛らしい小さな花


    こんなに群生している場所もあった。


    息の長いハナハタザオはまだ咲き残っていた。


    薄紫色のアブラナ科の花、ハナハタザオ。

 もう1種類探していた花があったのだが残念ながら今年も見つからず。一昨年まで見かけていた場所ではもう絶えてしまったようである。ヒメヒゴタイとキクアザミも全く見かけず、シカの食害を受けた可能性が高い。午後から雨の予報だったがお昼を過ぎた頃から空には黒い雲が広がり出し、時折雷鳴が轟き出した。3時半でこの草原の花散策を止めて最後に昨日見たハクウンランをもう一度見に行く。途中で雨に降られたが局所的に降っただけでハクウンランが咲く場所は雨は降っていなかった。


    ハクウンラン


    前日とは趣向を変えて中望遠マクロレンズで撮影。


    それにしてもこの株は凄い!

 毎年様相が変わって行く富士山麓の草原だが、特に鹿の好むオオバギボウシやアザミ類が年々減ってきているように見える。探していたマツバニンジンも鹿の食害を受けているのを確認しているが、もともと数が少なく、無くなってしまった場所は有名になり過ぎて人に踏まれて消滅した可能性が高いと思っている。どこか別の場所で生育していることを期待したい。

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ハクウンラン満開 富士山麓の森  令和1年8月17日

2019年08月19日 | 花・花・花
 先週咲き始めたばかりだったハクウンランがそろそろ見ごろを迎えている頃だろう。花仲間とともに再訪してみた。


    まだ咲き残っていたコイチヨウラン。


    今年は見られないだろうと思っていたが最後の咲き残りに出会えた。


    予想通りハクウンランは満開。


    このくらい咲いていれば例年ならば大株で万歳なのだが・・・


    今年はさらにたくさん咲いた株があった。


    こんなのは今までで初めて。これからももう見られないかも知れない。

 さらにもう1ヶ所咲いている場所を訪問してみる。


    咲いている。ちょうど見頃。


    蕾の株と並んで咲いている。


    コケの中に咲いた花。


    個体数は例年とあまり変わらないが今年は花付きが良い。

 可愛らしい白花を満喫した1日となった。今年は当たり年のように見えるのだが毎年咲く場所なのに咲いていない場所もあった。

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白雲のラン咲く 富士山麓の森  令和1年8月9日

2019年08月13日 | 花・花・花
 まだ少し時期が早いかも知れないがそろそろ咲いているかも知れないハクウンランを覗きに富士北麓の森を訪れてみた。


    もう咲き始めていたハクウンラン


    まだ咲き始めたばかりの大株


    今年は大きな株が目立つが咲いていたのは日当たりが比較的良いこの周辺だけだった。


    接写


    マクロ撮影

 日当たりの良い場所だけ咲き始めていたが樹林の中はまだほとんど株が見当たらずこれから出てくるようだ。例年に無い大株がいくつかあり当たり年なのかとも思うのだが盛期になってみないと分からない。

 もうひとつ気になっていたツリシュスランも覗いてみるが、こちらはもう花が終わっているように見える。


    ツリシュスラン。花が見えない。


    別角度から。


    トリーミング画像。枯れている穂は昨年の遺残だと思っていたのだが今年の葉に繋がっているように見える。もう終わってしまっているようだ。


    同じ木のベニカヤラン。


    だいぶ数が増えたように見える。

 ツリシュスランの花は今年も咲いているのを見ることなく終わってしまったようだ。残念。別の木に着生していないか探してはいるがこの株しか発見できない。

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三ツ峠での高山植物勉強会 その2  令和1年6月22日

2019年07月01日 | 花・花・花
 三ツ峠で行われた高山植物勉強会の続きである。

 花仲間が南部町界隈で着生ランをいろいろ探してきてくれたことがあり、まだ開花していないものもあるのだが今年見た着生ランについて特集し上映させていただいた。


    南部町の梅の木に着生したカヤラン


    マクロレンズで芸術的に撮影


    天候が悪かったが風で揺れなければそこそこに芸術的な画像が撮れるカヤラン。


    これは身延町の七面山山麓で見つかったカヤラン

 カヤランは絶滅危惧ⅠB類であるが沢沿いの空気湿度が高い場所ではそれなりの個体数があることが分かってきた。南部町だけでなく身延町の川沿いでもそれなりに見ることが出来るが高い木の上に生育している個体は双眼鏡で探さなければ見つけにくいことがあって個体数が少ないように見えているのではないかと思われる。


    ベニカヤラン。今年訪問した際に撮影したものはまだ蕾だったため、これは昨年4月に撮影したもの。


    紅色の斑が入っているが全体的には黄色から黄緑色の花


    今年5月に撮影したもの。花は1ヶ月以上咲き続け、変色して紅色に変わる。


    この花の色がベニカヤランの由来であろう。

 ベニカヤランは山梨県レッドデータブック2018年版から新たにⅠB類に登録された植物である。富士山麓の森の限られた場所で生育が確認されている。


    上部はマメヅタラン、下部はムギランが着生している木


    びっしりと着生したムギラン


    トリーミング画像。ムギランの由来となった麦のような偽球茎が見える。これは葉の茎の一部である。中央上方に小さな花芽が見えている。


    満開のマメヅタラン


    別の場所をトリーミング。葉はシダ植物のマメヅタと区別が難しい。

 いずれも絶滅危惧ⅠB類の植物であるが、マメヅタランは2018年版からⅠB類となった。ムギランは他の場所でも数ヶ所生育が確認されたがマメヅタランは私が知る限りではこの木のみである。探せば見つかるであろうがマメヅタとの区別が難しい。


    樫の木に着生したヨウラクラン


    結実したヨウラクラン

 ヨウラクランは今年は大株に出会うことが出来なかった。梅の木にも着生するがどちらかというと樫の木のような常緑の木を好んで着生している。


    梅の木に着生したクモラン。まさに蜘蛛のように葉(根?)を広げる。上方に着生しているのはカヤラン。


    きわめて小さな花芽が出ている。

 カヤランと同じくクモランも梅や柿の木を好んで着生している。個体数はそれなりにあるように思うが山梨県では南部町に限られている。


    シダレザクラに着生したフウラン


    先端が赤っぽく伸びている白い茎が花茎だと思っていたがこれは根茎の一部ということが判明した。

 今年最も期待していたのがこのフウランである。カヤの木と柿の木に着生しているものが確認されているが驚いたのは枝垂桜にも着生していたことである。その後も訪れているが今年は一株も花を咲かせていなかった。来年に期待である。


    渓谷の岩壁に着生したセッコク


    大株もあるが生育している場所は双眼鏡で覗き込んでようやく見えるような遠い位置。


    比較的近場で咲いていた株だが、使用しているレンズは570㎜望遠である。

 着生ランはほとんどのものが高い木の上や遠い岩壁の上に生育しているため、探し出すのは双眼鏡を使って見つけ出すことがほとんどである。撮影も難しく570㎜望遠レンズとフルサイズミラーレスカメラ、さらにエクステンション装着した1,140㎜超望遠レンズが威力を発揮した。動物の食害を逃れて高い場所に引っ越していった着生ランなのに今でも人による盗掘が後を絶たないのが残念である。
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三ツ峠での高山植物勉強会 その1  令和1年6月22日

2019年07月01日 | 花・花・花
 昨年に続いて今年も三ツ峠清掃登山の際に勉強会を担当してくれるように仰せつかり、前日にパワーポイントでスライドを作成して深夜(いや、未明1時ごろまでかかって)出来上がり、保護地の観察会とテンニンソウ除去作業を終えた後に上映させていただいた。熱心な方たちが30名ほどが勉強会に参加してくださり、熱い勉強会となった。今回のテーマは『今年見た絶滅危惧の花たち』で、今年になってから撮り歩いたり新しく出会った花たちのスライドを上映した。

 早川町にフクジュソウの自生地があると聞き、2度目の訪問で満開のフクジュソウに出会えた。この界隈はかつてはニリンソウやイチリンソウのお花畑になっていたそうだが今では鹿の食害によるものか、お花畑はほぼ消滅してしまっている。フクジュソウはそれなりに咲いているがそれでもかなり減ってしまったそうである。山梨県ではフクジュソウとミチノクフクジュソウの2種類が生育しているがこの花を見に行った頃はそんなことは知らず、萼の観察が不十分だった。分布域から見ておそらくはフクジュソウと思われるが来年に課題を残した。


    フクジュソウ(2月 早川町)


    これはフクジュソウ?それともミチノクフクジュソウ?

 トウゴクサバノオは他県ではそれほど珍しく無いのかも知れないが山梨県では絶滅危惧ⅠB類の花である。ネット情報やレッドデータブックの情報で3年前から探していたが、実際に見に行ってみると小型のサンリンソウだったりツルシロカネソウだったりとなかなか見つからず、今年になってようやく出会うことが出来た。この場所に咲くこの花はクリーム色をしていてひときわ可愛らしく感じた。


    クリーム色の小さな花


    3年越しでようやく出会えた花


    トウゴクサバノオ

 コシノコバイモとカイコバイモは今年から山梨県動植物保護条例により新たに特定指定種に指定された花である。ここ数年は毎年のように見に出かけているが、イノシシによる斜面の掘り返しで大打撃を受けた場所があった。一方、3年ぶりに訪問した南部町のカイコバイモ自生地では個体数、生育範囲とも増えており嬉しかった。


    沢沿いの斜面に咲くコシノコバイモ


    もうひとつの自生地は登山道脇に何気なく咲いており、踏まれないように石が置かれて保護されている。


    この場所はイノシシに斜面を掘り起こされ大打撃を受けてしまった。


    思親山のカイコバイモ。訪問時期が早かったこともあるが今年は個体数が少なく感じた。


    南部町の山にある別の自生地では個体数、生育範囲とも増えていた。一安心である。

 山梨県絶滅危惧ⅠB類からⅡ類に格下げとなったコミヤマスミレというスミレがあり、数年前から見てみたいと思っていた。昨年は甲府市北部の沢を訪れたが出会えず、今年は最も出会える確率が高い南部町の沢に入ってみた。意外とあっさりと出会うことが出来たが、ここに咲くコミヤマスミレは葉に白い斑が入っていた。


    南部町の沢沿いで出会ったコミヤマスミレ


    花だけでなく苔の上に生えている斑入りの葉が周りの景色に溶け込んでいてひときわ美しい。


    おまけのスミレ。これでもかというくらいにたくさん咲いていたオクタマスミレを花仲間がシコタマスミレと名付けた。


    花はヒナスミレ似だが葉がギザギザしている。

 山梨県東部の沢沿いに咲くチチブシロカネソウは何度か見に行っているが南アルプスに咲くこの花は何度か探したことがあったが出会っていなかった。今年は山岳連盟の植物観察会に参加した際にこの花に出会うことが出来、さらに別の場所でも発見された。


    南アルプス前衛の山で出会ったチチブシロカネソウ。以外にも沢筋では無かった。


    チチブシロカネソウ。ひっそりと咲いていた清楚な白花。

 山梨県レッドデータブック2018年版ではアズマギクの生育地は富士山周辺になっているが、別の山域にも生育地があってネットに載っている。なかなか訪問する機会が無く今年ようやく出会うことが出来た。


    山梨県北部のカヤト野原に咲くアズマギク


    薄紫色の美しい花


    個体数は決して多く無い。

 今年見たかった花のひとつにハルリンドウがある。ほとんど情報を持っていなかったが、偶然にもスミレを見に行った際にバッタリ出会った花仲間が数日前に見てきたというその花をスマホの写真で見せてくれた。さらには別の花仲間が別の場所で探し出してきてくれて情報をいただき、2ヶ所でこの花を見ることが出来た。


    これは普通に見かけるフデリンドウ。ミヤマセセリという黒っぽい蛾のような蝶が止まっている。


    探していたのはこのハルリンドウ。情報をいただき、八ヶ岳の山麓で出会うことが出来た。


    1本の茎に1輪の花を咲かせる。


    別の場所で出会ったハルリンドウ。この花は水際を好んで咲く。

 今年から新たにベニバナヤマシャクヤクが特定指定種として指定を受けた。残念ながらまだ見たことが無く情報も持っておらず、山岳レインジャー説明会の際に情報提供を呼び掛けたところさっそく情報をいただくことが出来た。1ヶ所はレッドデータブック登録範囲の中であるがもう1ヶ所は範囲外である。


    富士北麓の森の中に咲いていたベニバナヤマシャクヤク


    ここの個体は花の色が濃く派手である。


    もう1ヶ所は南アルプス市の山奥。保護柵で守られている。


    ここに咲く花は紅色が薄目で上品な感じがする。

 高山植物とは言えない花も多数含まれているがおそらくはあまり目にすることが無い花が多かったようで、来場者はそれなりに興味を持って聞いてくれたようである。
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カタクリとミミガタテンナンショウ 大月市むすび山  平成31年4月5日

2019年04月05日 | 花・花・花
 ブログの記録を見返してみると平成27年4月にむすび山を訪れている。その頃はまだ花のレベルが低かったこともあるが、テンナンショウ属は全く区別がつかず皆マムシグサと一括されていた。2年ほど前からテンナンショウ属を少し勉強するようになり少しだけ区別がつくようになってきた。そんな目で過去の記事を見直してみたところ、このむすび山に咲いていたマムシグサと書かれた花、仏炎苞の耳がくるりと巻いているように見える。これはいわゆるマムシグサでは無くてミミガタテンナンショウではないのか?昨年三ツ峠で実物を見てきたのでおそらく間違いないと思うのだが、実際に見てみないと何とも言えない。カタクリも満開になっているようだし、大月までちょっと高速道路を使って見に行ってみることにした。

 前回は電車で移動して大月駅からむすび山、高川山、初狩駅と歩いて電車で帰ってきたが今回は車で行ったため駐車場があるのかどうか分からない。細い道を走って行くと道路脇に県外ナンバーの車が2台止まっておりその先に道がある。おそらくカタクリを見に来た人たちの車だろう。前回とは違う道だがその先の道を行けばむすび山に行けるのだろう・・・と歩き出す。念のためGPSを持って行くが、この道、川を高巻くように水平に進んでいて全く山に取り付く様子が無い。


    道路脇のスペースに車を止めてここから入山。


    道に従って進んだら川につながっていて滝に出てしまった。どうしましょ?


    樹林の中に入ってみるとマムシグサの仲間。やはり普段見ている広義のマムシグサとはちょっと顔つき(耳のあたり)が違う。

 GPSでルートを探すと途中から尾根に取り付く古い道があるように表示されている。しかし分岐を探すがそれらしきものは見当たらない。ならば・・・適当に斜面を尾根筋まで登ることにするがちょっとだけ見てくるつもりだったので水も食料も手袋も持って来ておらず、さらにはハンカチも忘れた。斜面に取り付くと想定外の急登、時折道らしきものが出てくるがすぐに消滅する。やっと道に出たと思ったが・・・??


    結構な急登。なかなか尾根に登れず、手袋は置いて来たしストックも無し。しかも茨に何度も絡まれて・・・


    やっと道に出たと思ったがずいぶんショボい道だ。しかもどんどん下って行き道は消失・・・。また強引に斜面に取り付き上に登る。


    ようやく尾根に出た。結構汗をかいたが水無しハンカチ無し。服の袖で汗をぬぐう。


    やっと着いたよ、むすび山。抜け出たところからだいぶ下って山頂に到着した。


    大月航空監視哨の跡


    カタクリの園を見下ろす。時刻は4時半になり日が陰ってしまった。1時間もかかった。


    本日は天候が良かったので夕方になっても花は開いていてくれた。


    むすび山のカタクリ


    見上げるカタクリの園


    たくさん咲いてくれた。


    同上


    カタクリに混じってちょっとグロテスクで可愛らしいのが顔を出している。


    本日のお目当てはこちら。


    やはり仏炎苞の耳がくるりと巻いている。


    後ろ姿。えびす様の耳のように垂れ下がって巻いている耳。間違い無し、これはミミガタテンナンショウ。


    こっちの紫色のスミレも確認。


    思った通りアカネスミレだった。

 15分もあれば現地到着できると思っていたのだが道を間違えて強引に登ったおかげでとんだ大変な山になってしまった。恐るべし、むすび山!確認しておきたかったテンナンショウ属はやはりミミガタテンナンショウだった。この山域にはこれが生育しているのだろう。あまり歩かない山域であるが訪れる機会があったら注意して歩いてみよう。
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またまたまたハナネコノメ三昧 黒富士農園へ  平成31年4月4日

2019年04月05日 | 花・花・花
 花仲間の来客あり、またまた黒富士農園界隈のハナネコノメ散策に出かける。本日は中流から入って前回よりも上流まで行ってみる。カメラはEosM5とRPの2台を持って行くことにする。


    満開のハナネコノメ。EosM5 13mm


    こちらも満開。 EosRP 42mm


    さらに 96mm。葯が黄色いタイプ。


    前回も撮影した場所。 EosRP 105mm


    同じ花。 EosM5 11mm で接写。葯がもう落ちてしまっている。

 以下は最後の1カットを除いて EosRP で撮影したもの。











    沢の流れ

 まだまだずっと上流まで咲いているのだが時間は4時半を過ぎて撮り疲れてきたのもあって撤退することにする。
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ベニカヤラン(マツラン)はまだ蕾だった 富士北麓の森  平成31年4月3日

2019年04月03日 | 花・花・花
 そろそろ咲いているかも知れない。朝霧高原ティアラ撮影のついでに立ち寄ってみた。


    個体数は例年と変わらなそうだ。フルサイズカメラだと200㎜でこのくらいしか追えない。


    570㎜望遠。まだ花は開いていないようだ。


    エクステンダー装着して1,140㎜


    さらにトリーミング。まだ丸い蕾である。


    別株。


    トリーミング


    ツリシュスランも覗いてみる。昨年のガラ3本が残っている。すぐ後ろ側の苔が木から剥げ落ちそうで危なそうだ。


    トリーミング。葉は元気に育っているようだ。たくさんの花を咲かせてくれることを期待したい。


    同じ木に生育しているベニカヤラン。少し増えたような気がする。

 花が開くのはまだ1~2週間先になりそうだ。
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越野の君咲く しかしその近くで壊滅的なアズマイチゲが・・・  平成31年4月1日

2019年04月02日 | 花・花・花
 武田神社の桜が8部咲きになった。先月訪問した場所とは違うもう1ヶ所の越野の君がそろそろ咲いているはずである。それとアズマイチゲが咲いているところも見たい。朝は心地よい青空が広がっていた甲府盆地だったが午後になると黒い雲が広がって来た。折角のアズマイチゲはこの天候では閉じてしまっているかも知れない。


    入り口近くではダンコウバイが綺麗に咲いていた。


    空模様は悪いが新緑が少しずつ広がり始め、春らしくなってきた。


    ヨゴレネコノメソウ


    赤茶色の葯が8本ある。


    沢の近くの斜面ではヒナスミレが咲いていた。


    可愛らしいピンク色の花。これを見ると春が来た感じがする。


    ヒメニラ


    シロバナエンレイソウ


    同上

 登山道を登って行くと道の脇がボコボコに掘り返されていた。これはイノシシの仕業だろう。以前からところどころ掘り返されている場所はあったが幸いにして花の咲く場所は被害を被っていなかった。しかし今回は・・・アズマイチゲが咲く場所を訪れて愕然とした。


    道の脇がボコボコに掘り返されていた。イノシシの仕業だろう。


    ここはアズマイチゲが咲いていた場所。まさかのこの場所がすっかり掘り返されて荒れ果てていた。


    掘り返された穴の脇に辛うじて咲いたアズマイチゲ。その向こうには若葉がわずかに出ている。


    期待していただけにかなりショック。また勝手に柵でも設置してやるしか無いのか?

 越野の君の咲く場所も心配である。さらに登って行くと小雨が降り出し、さらには雪が混じるようになってきた。カッパを着てさらに進むと、越野の君が咲く場所は鹿の踏み跡はあるもののイノシシによる掘り返された様子は無かった。しかし崩落して花が消滅した場所があり、前年に比べると花数も若葉の数も少ないように思う。


    居ました。越野の君、コシノコバイモ。


    ここには昨年3株くらい咲いていたはずだが今年は1株だけ。さらに向こう側の斜面は土砂が流れて花が消滅していた。


    虫に食ばまれた株。


    踏まれないように誰かが石を置いて保護してくれた株。


    下からのぞき込むがみぞれ交じりの雨でレンズが濡れる。


    もう少し上まで行きたかったが水滴でレンズが持たず、雨足も強くなってきたので撤退。

 越野の君は全体的に今年は個体数も幼弱な葉の数も少ない。背の低い小さな花なので鹿の食害は無いと思うがイノシシによる掘り返しの被害はいつ起こってもおかしくない状況にある。アズマイチゲは激減してしまいこれから先が心配である。保護するには囲うか害獣を退治するかしか無いのではないかと思う。
    
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黄色いハナネコノメソウを訪れる  平成31年3月31日

2019年04月02日 | 花・花・花
 中部横断道が身延まで延びたおかげで身延町・南部町へのアクセスは格段に速くなった。おかげで予定していたよりもだいぶ早く下山してきたので、もう1ヶ所立ち寄ってみることにした。昨年も訪問しているが山梨県ではほとんど知られていない黄色いハナネコノメが咲く谷である。


    谷を覗き込むとマメヅタがたくさん付着した樫の木が何本か立っていた。何か着生しているのではないかと双眼鏡を持って近付いてみる。


    何か付いている。樫の木だからカシノキラン?は山梨県では見つかっていない。


    トリーミング。正体はカヤランだった。


    丸い蕾が付いている。あと1∼2週間で咲きそうである。


    ガラガラと崩れる音がしたので谷を見ると・・・熊?いや、カモシカ君でした。


    色の濃いタチツボスミレ


    イワオモダカ(ウラボシ科 ヒトツバ属)だと思う。


    滝の流れ


    途中から見る富士山

 日没後の下山を覚悟で歩くが、思っていたよりも現地まで遠くなかなか到着しない。4時近くになってようやく現地に到着。さっそくお目見えしたのは・・・


    イワボタン


    谷に咲くイワボタン


    葯が黄色で8本、花が完全に開かない。


    こちらは葯の色が赤茶色のタイプ。同じ場所に咲いていたのでヨゴレネコノメではないと思う。


    そしてこちらが本命の黄色いハナネコノメ。


    白いハナネコノメソウほどごっそり固まって咲くものでは無さそうである。


    美しい花


    上品な黄色


    マクロ


    谷に咲く黄色いハナネコノメ

 もう少し上流まで遡上したかったが時間的に難しくなり4時半になったところで沢から撤退することにした。テクテクと林道を戻りヘッドライト点灯ギリギリのところでなんとか車を止めた場所に戻った。

 この可愛らしくて美しい黄色いハナネコノメは、おそらく別の谷にも生育しているのではないかと思っている。機会があるならば、今シーズン探しに出かけてみたい。

コメント (2)
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